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ファンペップ Research Memo(4):皮膚潰瘍向け治療薬の第3相臨床試験結果は、特定領域で開発の可能性を残す

特集
2023年3月23日 15時14分

■主要開発パイプラインの動向

ファンペップ<4881>の開発パイプラインとしては、皮膚潰瘍を適応症とする「SR-0379」のほか、抗体誘導ペプチド技術で開発した乾癬及び強直性脊椎炎を適応症とする「FPP003」、花粉症を適応症とする「FPP004」、乾癬を適応症とする「FPP005」の4品目があり、そのほかにも複数の開発候補品を抱えている。

1. SR-0379(皮膚潰瘍)

「SR-0379」は皮膚潰瘍(褥瘡(床ずれ)及び糖尿病性潰瘍)の治療薬として、2021年6月より国内で第3相臨床試験が進められ、2022年11月に速報結果が発表された。結論から言えば、主要評価項目である「簡単な外科的措置に至るまでの日数」において、プラセボ群と比較して日数を短縮する傾向がみられたものの、統計学的に有意差を得ることができなかった。ただ、安全性に関しては治験薬と因果関係のある有害事象はなく、高い安全性が確認されたとしている。

現在の皮膚潰瘍の治療法では、皮膚組織が欠損した場合、感染の疑いがある場合にはまず細菌の付着・増殖を抑えるための治療(消毒剤や抗生物質などを使用)を一定期間施してから、組織再生のための治療(細胞増殖因子の投与)を行う必要があり、治療期間が長くなることが課題となっていた。「SR-0379」は、創傷治癒促進効果に加えて抗菌作用もあることから、従来よりも治療期間を短縮できる効果が見込まれ、患者のQOL向上につながる治療薬として期待されている。

今回の臨床試験では外科的措置(縫合、植皮、有茎皮弁)が必要な重度な患者(入院患者)120例を対象に、プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である「簡単な外科的措置に至るまでの日数」については、統計学的有意差には至らなかったが、速報結果の内容を見たKOLの医師からは特定の症例では効果がみられるとの見解を得られたようだ。このため、同社では今回の速報結果に基づいて、試験結果やKOLの見解などもまとめて今後、契約先の塩野義製薬と協議を進めていくことにしている。「SR-0379」の薬効が期待される症例の患者数がどの程度存在し、市場性があるのかどうかについて検討していくものと見られ、同社では2023年内に方針を決定する。

皮膚潰瘍は患者や医療現場からも治療期間の短縮に対するニーズが強く、高齢化社会の進展に伴う「寝たきり患者」問題や糖尿病性皮膚潰瘍患者の増加などからも社会ニーズにマッチした製品と言える。「SR-0379」は誰にでも使えるスプレー式で、ベッドサイドに置いておけるため、安定性や利便性の面でもメリットがある。同社では各種統計データから、皮膚潰瘍患者数を、国内で約100万人(褥瘡約20万人、糖尿病性潰瘍約80万人)、米国で約230万人(褥瘡約50万人、糖尿病性潰瘍約180万人)と試算している。

現在、皮膚潰瘍治療薬としては軟膏タイプのものから湿布、スプレータイプのものまで様々なものがあるが、スプレータイプの治療薬となる「フィブラストスプレー(科研製薬<4521>)」は薬価が約7千円/瓶で、国内売上は約27億円(2022年3月期実績)となっている。すべての皮膚潰瘍患者で利用されることになれば、国内だけで潜在市場は約100億円程度となるが、開発を続行したとしても適応対象範囲を絞り込むことになるため、当初の市場規模よりは小さく見積もる必要がある。

なお、塩野義製薬と締結した全世界を対象としたライセンス契約では、契約総額(契約一時金、開発マイルストーン、販売マイルストーンの合計)が100億円となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

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