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くすりの窓口 Research Memo(5):みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」

特集
2025年7月7日 11時05分

■くすりの窓口<5592>の事業概要

3. みんなのお薬箱事業

みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」をコンセプトとして、医薬品卸事業者と薬局における医薬品の流通改善を支援するサービスを提供している。主力サービスは、薬局・医療機関に代わって医薬品卸事業者に対する医薬品の仕入価格交渉を代行する「仕入れサポートサービス」、薬局・医療機関におけるAIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」及び医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」である。

「仕入れサポートサービス」はスケールメリットを享受することを目的としたスキームで、収益は薬局等と医薬品卸事業者との間の医薬品売買における取引薬価・売買価格に応じて算定される手数料収入(ストック売上)となる。なお医薬品卸との調整で2025年3月期の営業活動が一時的に停滞した件については、2024年11月にウィーズと業務提携(同社がウィーズの子会社J-Seedに出資)し、これまで医薬品卸事業者と価格交渉を行ってきたグローバル・エイチの株式を譲渡(2025年4月)して持分法適用関連会社から除外した。今後はウィーズが医薬品二次卸として培ってきたノウハウを生かした「仕入れサポートサービス」(ウィーズが二次卸として加盟店と取り引きを行う形式)に一本化する。

「eオーダーシステム」は、薬局等における過剰在庫抑制・欠品防止や薬剤師の事務負担軽減などの効果を目指し、薬局等のレセプトコンピュータと連携させ、AIを活用して必要な医薬品の種類と量を判断して自動発注する。収益は初期導入費用(ショット売上)及びシステム利用料収入(ストック売上)となる。

「みんなのお薬箱」は国内最大級の医薬品売買ニーズマッチングサイトである。全国の薬局の不動在庫(デッドストック)の有効利用を目的として、処方されずに不動在庫となった医薬品を売りたい薬局と、不足している医薬品を買いたい薬局の売買を仲介する。収益は売買が成立した医薬品の薬価に応じた手数料収入(ストック売上)となる。

みんなのお薬箱事業のKPIとして、2025年3月期末時点の施設保有数は前期末比2,358施設増加して17,901施設となり、全国の対象施設約17万施設に占める同社シェアは約10.4%となった(同社調べ)。なお年間流通額は一時的な営業活動停滞の影響などで前期比8,548百万円減少して224,536百万円となった。ただしウィーズとの業務提携により医薬品卸との調整及び移管が完了して正常化したため、2026年3月期以降は新規獲得を強化して流通額の最大化を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《HN》

提供:フィスコ

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