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藤商事 Research Memo(5):2023年3月期は徹底した原価低減策の実行により黒字転換を目指す

特集
2022年6月17日 15時25分

■今後の見通し

2. 2023年3月期の業績見通し

藤商事<6257>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.3%増の30,000百万円、営業利益で1,500百万円(前期は698百万円の営業損失)、経常利益で1,500百万円(同599百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,200百万円(同1,783百万円の純損失)となる見通し。販売台数ではパチンコ遊技機が前期比10.8%減の71千台、パチスロ遊技機が同351.6%増の14千台を見込んでいる。利益面では、原価低減策の実行により売上総利益率を前期の44.3%から50.3%に引き上げることで、収益回復を実現していく考えだ。

パチンコ遊技機に関してはメインタイトルとして、「PストリートファイターV」(格闘ゲーム系)を6月に発売するほか、アニメジャンルで新規タイトルを投入する予定となっている。そのほか、「ホラー」など主要ジャンルのシリーズ機種を投入していくものと予想される。なお、「Pとある」シリーズの第3弾は2024年3月期以降となる見通しだ。パチスロ遊技機については、パチンコ遊技機で販売実績のあるシリーズ機種や、新規タイトルなど合わせて複数のタイトルの投入を予定している。そのうち一部は6.5号機となる。6.5号機から差枚方式となるため、どの程度の稼働力を達成できるかが注目される。なお、次世代遊技機となるスマートパチンコ/パチスロ機に関しては開発を進めており、2024年3月期以降の投入を目指している。

売上総利益率の上昇要因としては、前期に高騰した部材費の価格がある程度沈静化していることに加えて、部材のリユース品比率の向上や、パネル構造などの設計段階から部材費の見直しを行うなど徹底したコストダウン活動を行うことで実現していく。部材のリユース品については従来、単品部品のみ再利用していたが、電源回路などのユニット品も含めてすべての品目に対象を広げ、再利用できるかどうか検討を進めている。このため、リユース品の調達機能なども強化する。売上総利益率については2020年3月期に52.4%まで上昇したこともあり、50%超の水準まで引き上げていくことは可能と見られる。なお、部材に関しては上期販売分まで確保できているようで、価格もピークの水準から下がった状態で調達できている。このため、第1四半期の売上総利益率は前第4四半期から上昇する見込みとなっている。

販管費は前期比0.2%減の13,779百万円と横ばい水準で計画している。内訳を見ると、研究開発費が同862百万円減少の6,624百万円、広告宣伝費が同56百万円増加の509百万円、販売手数料が同125百万円増加の766百万円、その他が同652百万円増加の5,880百万円となり、研究開発費の減少分でその他費用の増加分をカバーする格好となる。研究開発費は前期に部材費等を計上した反動もあって減少する見込みだが、開発プロジェクト数については変わらないもようだ。なお、従業員数については2022年3月期末の457名(前期末比8名減)に対してほぼ横ばい水準で想定している。

2023年3月期をリスタートの1年として成長基盤を構築する

3. 重点施策

コロナ禍を契機としたパチンコホールの閉店・休止の流れは、一旦、ピークアウトしたものと見られる。とは言え、市場環境としては部材不足による調達リスクが継続するなど、引き続き不透明な環境にあることに変わりない。一方で、2023年3月期からは次世代遊技機となるスマートパチンコ/パチスロ機の導入が開始される予定となっている。遊技機業界ではプリペイドカード方式が導入された1992年以来の大変革となる。プリペイドカード方式が導入されて以降市場が活性化されたことを考えると、今回も活性化の起爆剤になるものとして期待される。同社ではこうした激変する環境のなかで、2023年3月期をリスタートの1年と位置づけ成長を目指していく。

重点施策としては前述した原価低減施策に加えて、引き続き「稼働力の向上」を掲げている。稼働力の高い機種を継続的に市場に投入していくことでシェアの拡大を図っていく。徹底した遊技者目線と、市場ニーズの変化を的確に捉えながら、斬新なアイデアを取り入れることで魅力的な機種を開発し、「稼働力の向上」を図っていく。

同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、競合メーカーの機種との比較も含めて綿密な分析を行い、開発部門に市場のニーズや改善点などをフィードバックすることで、新機種の開発に活かしている。改善項目は、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。こうした取り組みの成果が、2021年3月期から投入した新機種に反映されており、「Pとある」シリーズのロングヒットにつながったと弊社では見ている。2023年3月期に投入されるパチンコ遊技機やパチスロ遊技機の新機種の稼働力についても、高評価を獲得できるかどうか注目される。

また、商品戦略としては従来の「ホラー」「時代劇」「萌え」ジャンルに加えて、「アニメ」ジャンルの育成に注力している。各ジャンルで柱となるコンテンツを育成することが、販売台数の増加にもつながるためだ。特に、パチンコホールでは若年層の取り込みが課題となっており、キラーコンテンツとして若者に人気の高い「アニメ」ジャンルで主力機種を複数育てることができれば、シェアを拡大していくことも可能となる。2023年3月期は「アニメ」ジャンルで新たなIPを活用した機種を複数投入する予定にしており、その動向が注目される。同社ではパチンコ遊技機の市場シェアについて10%の達成を目指していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

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