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明日の株式相場に向けて=「トランプ関税」というジョーカーの功罪

市況
2025年3月12日 17時30分

きょう(12日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比25円高の3万6819円と小反発。前日はアジア時間を引き継いで欧州もリスクオフ一色に染まり、ドイツやフランスをはじめ全面安。米国株市場ではNYダウが一時700ドル強水準を切り下げ、終値ではやや下げ渋ったが478ドル安で約半年ぶりの安値に沈んだ。関税カードを手当たり次第に切りまくり、他国をねじ伏せようとするトランプ米大統領の手法に投資マネーもやや“ドン引き”状態で、グローバルファンド筋から米国株の投資判断を引き下げる動きも出てきた。米国から資金を引き上げ中国にシフトするシナリオも冗談とは言えなくなっている。東京市場の方はまだその潮流の外にあるが、米国株との連動性が高く注意は必要となる。

今週末にメジャーSQ算出を控えるなか、きょうは俗に言う「SQ週の魔の水曜日」にあたる。しかし、全体相場が既にここまで波乱モードで来ているので、“青天の霹靂”的なリスクオフに晒されることもなく、淡々と売り物をこなした印象だ。もっとも、上値の重さも拭えない。不透明感が強く、日本時間今晩に2月の米CPI発表を控えていることもあって、売り方と買い方いずれも手を出しにくいという地合いであった。

日経平均は比較的狭いゾーンでの値動きに終始したが、3万6000円台後半のおおむね前日終値を上回る水準で推移した。目を引いたのはTOPIXの上昇率が相対的に大きかったこと。日経平均については指数寄与度の高いアドバンテスト<6857>の下落が足を引っ張った面が大きいが、一方でTOPIXの方は、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが堅調だったことや、ソニーグループ<6758>や日立製作所<6501>といった銘柄が強調展開を示したことが押し上げ効果をもたらした。

基本的には循環物色で、 半導体が買い戻される場面では防衛関連や金融株は安く、半導体の上値が重くなれば防衛関連や金融株に資金が還流する。今の相場は少なくとも大勢上昇トレンドに乗った状態ではないが、株式市場からノンストップで資金が流出するような急を要する場面でもない。国内金利の上昇を横目に徐々に機関投資家が後ずさりをしているような時間帯にある。屋上から飛ばした紙飛行機が緩やかに弧を描いている状況で、風が吹けば当然のごとくそれに乗って上昇するが、風が止めば引力に逆らえなくなる。

防衛関連については、きょうは売買代金トップに返り咲いた三菱重工業<7011>をはじめ川崎重工業<7012>、IHI<7013>などが買われる順番だった。ウクライナが米国の提示する30日間の停戦案を受け入れるとの報道が出たところで、防衛関連が買い直されるというのもアイロニカルな展開だが、今回の停戦合意が地政学リスクの後退とイコールであるいう捉え方をマーケットはしていないことを物語っている。市場関係者からは「トランプ米大統領の米国第一主義は徹底していて、TSMCに千数百億ドルを投資させて米国内に生産ラインを確保することが決まったことで、台湾を本気で守る必要はなくなったと考えているフシがある」(ネット証券アナリスト)という声も聞かれた。そのなか、中国の思惑が対岸の火事ではない日本にとって、防衛コストは否が応でも増幅されるとの見方がリアル防衛関連株への投資マネー攻勢を促している。

やや短期的な視点では、日本株が米国株離れできるかどうかが一つのカギを握る。日本も米国もテクニカル的には売られ過ぎの水準だが、リバウンドのタイミングをピンポイントで捉えるのが難しく、また安値を拾ってもそのままホールドして報われる環境かどうかも定かではない。ただ現在、世界的に株式市場の流れを支配するほとんどの材料は米国から発生している。相変わらずトランプ大統領の発言で振り回される状況が続いているが、直近のカナダに対する追加関税25%上乗せ(計50%)をSNSで表明した後、通商・製造業上級顧問のナバロ氏が火消しに動き、その後にトランプ氏本人も撤回するという結末となった。カナダ側(オンタリオ州)が折れたということだが、この朝令暮改のトランプ発言が茶飯事となれば、もはやカオス状態に近くマーケットは何を信じていいのか分からない。

あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に財務省から発表されるほか、午後取引時間中に2月の投信概況が開示される。海外では1月のユーロ圏鉱工業生産指数が発表され、米国では2月の生産者物価指数(PPI)にマーケットの関心が集まる。このほか週間の米新規失業保険申請件数も注目される。なお、米債券市場では30年国債の入札が予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

株探ニュース

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