【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─TOPIX型優位も、ハイテク株の押し目に注目
「TOPIX型優位も、ハイテク株の押し目にも注目」
●日本株全体では既に上昇基調に
4月の東京株式市場は、比較的堅調な値動きが予想される。トランプ米政権の関税政策は引き続き警戒要因だが、相当程度織り込まれてきている。4月は新年度入りで国内の新規資金の流入が期待されるほか、外国人投資家が買うというアノマリーなどもあって需給が改善する公算が大きい。
日経平均株価の予想レンジは、3万6000円~3万8500円。
日経平均株価は2月に概ね3万8000円~4万円のボックス圏を下放れたことで、サポートだった3万8000円が抵抗ラインになっている。一方、主要銘柄の値動きを加重平均で算出するTOPIX(東証株価指数)は3月26日には24年7月以来の高値を付け、一時的にせよボックス圏を上抜ける格好となっている。三菱重工業 <7011> [東証P]に代表される防衛関連や三菱商事 <8058> [東証P]などの商社、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]といった金融株など時価総額が大きく、流動性の高い銘柄の上昇が牽引していることが要因だ。日経平均株価への寄与度が高い値がさの半導体関連株などを除き、日本株全体としては既に上昇基調にあることを示している。日経平均株価で3万6000円前後はPER面で割安感が強い。
注目スケジュールは、米国では1日のISM製造業景気指数、4日の雇用統計、10日の消費者物価指数(CPI)、16日の小売売上高、23日の製造業PMI(購買担当者景気指数)など。米雇用統計については、市場予想を下回ると景気鈍化懸念が浮上する可能性がある。
日本では、1日の日銀短観で大企業製造業の業績見通しや設備投資動向が注目される。また、4月下旬から25年3月期の決算発表シーズンを迎える。各社が26年3月期について、どのような見通しを出してくるのかへの関心が高い。トランプ関税の行方もあり、慎重になる可能性が高い。
なお、FOMC(米連邦公開市場委員会)は4月の開催はなく、次回は5月6日~7日に予定されている。日銀金融政策決定会合は4月30日~5月1日の開催予定となっている。
●テーマでは欧州、銅関連に目配りを
物色としては、引き続きTOPIX型の銘柄に優位性があるものの、相対的に出遅れ感が浮上しているハイテク株の押し目にも注目しておきたい。半導体では東京エレクトロン <8035> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]などの主力銘柄の決算が反転の契機となるかがポイントだ。銀行や保険、海運などのバリュー銘柄では、26年3月期の配当政策への関心が高い。
4月13日に、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開幕する(開催期間は10月13日までの半年間)。曲がる太陽電池であるペロブスカイト太陽電池を実用化する積水化学工業 <4204> [東証P]、「iPS心臓」をパソナグループ <2168> [東証P]のパビリオンに出展する創薬ベンチャーのクオリプス <4894> [東証G]、人工光合成技術を展示する飯田グループホールディングス <3291> [東証P]、実物大のガンダム像などを展示するバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]など。また、周辺の経済活性化では阪急百貨店を擁するエイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]、鉄道では南海電気鉄道 <9044> [東証P]、京阪ホールディングス <9045> [東証P]、ホテルのロイヤルホテル <9713> [東証S]などにメリットがありそうだ。
テーマとしては、欧州関連に注目したい。米国が関税問題により国内物価上昇の懸念や景気失速観測が浮上する中で、欧州では株価が比較的堅調に推移している。その要因は大きく分けて4つある。(1)盟主ともいえるドイツの財政拡大政策への転換(2)ウクライナ支援のために欧州に「再軍備」化の動きが台頭している(3)ウクライナの和平が実現すれば、復興需要も含め、それ自体が欧州経済の活性化につながる(4)経済的なつながりが深い中国が全人代で景気浮揚策を打ち出している――ことだ。
自動化機械世界大手で、2016年にドイツ企業と経営統合しているDMG森精機 <6141> [東証P]、同業の英ピルキントン社を2006年に買収し板硝子世界大手となった日本板硝子 <5202> [東証P]のほか、欧州でブランド力の強いミニショベルの竹内製作所 <6432> [東証P]、欧州向けの電動工具で強みのあるマキタ <6586> [東証P]、競技用シューズのアシックス <7936> [東証P]、複合機のブラザー工業 <6448> [東証P]なども追い風になりそうだ。
銅価格が上昇基調にある。直近ではトランプ大統領が銅に関税をかけるとの見方を手掛かりに最高値圏にある。中期的には風力発電などの再生可能エネルギーや、AI(人工知能)の普及も銅需要を加速する要因になるとの見方が多い。関連銘柄としては、チリなどで銅鉱山の権益を有する日鉄鉱業 <1515> [東証P]、半導体用スパッタリングターゲットと圧延銅箔で世界首位のJX金属 <5016> [東証P]、銅加工などの三菱マテリアル <5711> [東証P]、銅精鉱の住友金属鉱山 <5713> [東証P]、リサイクルのDOWAホールディングス <5714> [東証P]、アサカ理研 <5724> [東証S]などが挙げられる。
(2025年3月27日 記/次回は5月4日 配信予定)
株探ニュース