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ステップ Research Memo(3):質の高い学習指導に定評、神奈川県内の公立トップ高校で圧倒的な合格実績(2)

特集
2019年12月12日 15時33分

■会社概要

2. ステップ<9795>の特徴と強み

同社の特徴と強みは、「教師のプロ化による質の高い学習指導」「ドミナント展開と口コミ情報による効果的なマーケティング戦略」「高い収益性・安定性」に集約することができる。

(1) 教師のプロ化による質の高い学習指導

同社は「教師は学習指導のプロでなければならない」との考え方のもと、教師を正社員化し、授業内容の専門化・高技術化に努め、その学習指導力によって高い進学実績を積み上げ成長基盤としてきた。2019年10月末時点で中高全教師670名中、正社員教師641名、専任講師20名、非常勤講師9名(うち4名は小中学部の英語科ネイティブ講師)の構成となっており、正社員率で95.7%、専任比率では98.7%に達するなど、ほぼ100%がプロの教師と呼べる指導体制となっている。同業他社では、大学生や大学院生などアルバイト講師を採用しているケースも多いが、同社は個別指導部門を除き、学生アルバイトは一切採用していない。また、教師が生徒獲得のため電話勧誘やポスティングなどの勧誘活動を行うこともなく、学習指導に専念できる体制を整えていることも特徴となっている。

各教師においては「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人ひとりの生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」ことを基本方針として、研修活動なども定期的に行いながらスキルアップに努めている。具体的には、新人・2年目研修を毎週火曜日に4時間実施しているほか、地域別研修を毎週金曜日に3時間、必要に応じてフォローアップ研修を毎週水曜日に2時間実施し、教務力の向上に努めている。

こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2019年春は神奈川県内の公立高校トップ19校で2,266名(前年比137名増)と過去最高の合格者を輩出、うち14校(前年は10校)で塾別の最多合格者数を出している。また、公立トップ校のうち特色検査※(記述型)を実施している9校のうち、7校で塾別最多合格者数を出すなど、特色検査対策でも圧倒的な実績を誇っており、神奈川県内の公立トップ校を目指す学習塾としての地盤をさらに強固なものとしている。学習指導の質の高さもさることながら、過去入試問題の分析・対策能力や適確な進学指導力なども高い合格実績につながっている。県内の競合大手としては、湘南ゼミナール、臨海セミナーなどがあるが、いずれも公立トップ19校の合格者数では、同社の半分以下の水準となっている。さらに、STEP生の通学圏内で男女共学校としては最難関と位置付けられる東京学芸大附属高校(国立)への合格実績でも、正規合格66名(外部進学生。同校の正規合格者総数160名のうち41%)と、11年連続で全塾中トップの合格者を出している。

※特色検査:神奈川県公立高校受験において、共通試験や面接とは別に行う学力検査のこと。主に進学校が導入しており、試験内容は、問題を解決する思考力・判断力・表現力や創造力等を把握するための記述型中心の試験。

一方、現役高校生向けの高校生部門に関しても、難関大学の合格者実績が着実に増加傾向にある。2019年春の国公立大学への合格者数は168名(前年比12名減)となったものの、早慶上智大学が267名(同43名増)、MARCH及び東京理科大の合格者数が1,123名(同120名増)と私立大学については順調に増加した。定員数厳格化の影響で他塾が苦戦したなかで、私立大学の合格者数を伸ばせたことは評価される。高校生部門については、2020年度の入試改革へ向けた準備に注力し、その成果として各専門科目の教師陣の層が厚くなってきており、「部活動等の高校生活の充実と志望大学への現役合格の両立」を目指す同社の教育方針が成果に結び付いてきたと言える。

また、合格実績が上がってきた要因として、チューター制度が機能していることも挙げられる。チューターとは、学生の学習や進路、悩みなどの相談を受け、個々人に合わせた学習計画や合理的な受験作戦を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフのことを指す。同社では高校部の各校舎に専任のチューターを1校当たり3名弱配属している。チューターと積極的にコミュニケーションを取る生徒も年々増加傾向にあり、難関大学への合格実績アップにつながっているようだ。同社はチューターの機能を、小中学生部門の校舎でも導入し始めており、校舎で窓口業務とチューターの機能を果たすスクールキャストと呼ばれる正社員スタッフをさらに増員していく計画となっている。

(2) ドミナント戦略と口コミ情報を活用したマーケティング戦略

同社は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立しており、今後は競争激戦区である横浜北部や東部、川崎市で教室数を展開し、シェアを拡大していく方針を打ち出している。教室の展開は、地域集中型のドミナント戦略を基本としている。また、生徒の募集活動に関して過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つとなっている(一部折込チラシを活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は、業界平均が7%程度であるのに対して2%弱と圧倒的に低く、高い収益性を維持している要因の1つとなっている。

(3) 高収益性・安定性

3つ目の特徴としては、業界の中でも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えていることが挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて、進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で4~5校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。教室によっては定員に達し、募集を止めている教室もあるほどだ。顧客満足度の客観的評価としては、2019年のオリコン顧客満足度調査において、「小学生 集団塾 首都圏」部門で4年連続1位、「高校受験 集団塾 首都圏」部門で3年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」部門で2年連続1位をそれぞれ獲得していることからも、高い評価を受けていることがうかがわれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

提供:フィスコ

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