概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR

マーケット&北陸経済動向(10/01)【今村証券アナリストレポート】

市況
2026年10月1日 12時02分

(1)マーケット動向

日本株は上値の重い展開が続いている。人工知能(AI)・半導体関連の活況を背景に6月に7万2366円まで上昇した日経平均株価は足元で6万3000~6万6000円前後で推移している。8月に過去最高値を付けた東証株価指数(TOPIX)も上値が重い。ナスダック総合株価指数が9月22日に、台湾加権指数が9月23日に最高値を更新したのとは対照的だ。

【タイトル】

(注) グラフの上限は今年高値

出所:ブルームバーグデータより今村証券作成

足かせとなっているのは世界的な金利の上昇だ。インフレ圧力の高まりに加え、世界的な政府債務の拡大、企業の旺盛な設備投資に伴う資金需要が金利上昇に拍車をかける。日本の長期金利は30年ぶりに3%台に乗せ、米長期金利は5.2%台と2007年以来の高水準となった。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が発行したドル建てとユーロ建ての社債の利率は最大9.75%の高さだ。金利上昇によって株式には相対的な割高感が意識されやすい。景気への影響も懸念され、日本株の上値は重い。

【タイトル】

殊にAI・半導体関連銘柄の調整は日本株の重荷となっている。金利上昇による割高感のみならず、急増するデータセンター投資の収益性に対する懸念や、米新興アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)らがAIの開発ペースを遅らせるべきだと主張したこともAI・半導体の成長鈍化懸念となった。米国の主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6月の高値から15%程度安い水準にあり、韓国総合株価指数(KOSPI)の低迷も日本株の足を引っ張っている。

とはいえ、株式市場の下値は堅い。支えとなるのは好調な企業業績だ。東証プライム市場に上場する3月期決算企業の2027年3月期純利益は8月時点では前期比14%の増益見通しとされたが、半導体需要の急増により半導体関連企業の業績が好調なうえ、多くの業種で価格転嫁が進む中で2割超の増益を予想する声も聞かれる。日米協調介入などによって1ドル=153円近辺まで円高・ドル安が進んだ場面では輸出企業の採算悪化を懸念する声も聞かれたが、足元の円相場は1ドル=157円台で推移し業績悪化懸念は後退している。トランプ米大統領が円安進行に懸念を示すなど円安是正の動きには注意が必要だが、輸出企業の今期の想定為替レートは対ドルで1ドル=145~155円が中心とされる中で日本企業の業績上振れ期待は強く、10月下旬から本格化する4~9月期決算の発表が注目される。

【タイトル】

10月最終週の日米欧の金融政策決定会合も注目材料だ。9月の会合では日米欧がそろって利上げを決定したが、堅調な米経済がインフレ圧力を強めるとの警戒は根強く、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まっている。日本でも植田日銀総裁が9月の金融政策決定会合後の記者会見で物価の上振れリスクを抑える方向に「政策の局面が変化した」と語っており、円安がもたらす国内のインフレ懸念が日銀の利上げ観測を高める。市場では欧米の利上げ観測の高まりにつれて、日銀の政策金利の到達点(ターミナルレート)が高まるとの観測も聞かれる。日米欧の金融政策をめぐる高官発言などは注目されそうだ。

【タイトル】

【タイトル】

市場の注目はやはり原油価格を左右する中東情勢だ。トランプ米大統領はイランとの戦闘終結について、11月3日の米中間選挙の後になるとの見通しを示している。戦闘終結に向けて米国とイランの交渉が進展するかを見守らざるを得ないが、戦闘終結に向けた道筋が見えてくれば、原油価格の下落、インフレ懸念の後退、金利低下によるグロース株への資金流入が期待できそうだ。そうした局面では再びAI・半導体関連などに資金が向かうと考える。

不安定な相場環境の中では好業績銘柄への投資が有効であろう。「木を見て森を見ず」の相場格言を実践したい。

【タイトル】

(2)北陸経済動向

北陸経済は緩やかに持ち直している。需要面では個人消費が堅調なうえ、設備投資も増加が見込まれる。住宅投資も4月以降前年を上回っており、下げ止まっている。

【タイトル】

個人消費では7月の商業動態統計小売6業態販売額(全店ベース)が前年同月比1.7%増と2カ月ぶりに前年を上回った。百貨店では宝飾などの高額品が好調で、スーパーでは物価上昇に伴い販売額が増加した。エアコン等の販売が好調なことから家電大型専門店の販売額も増加し、ドラッグストアの販売も好調だ。

注)小売6業態:百貨店、スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア

生産は持ち直している。中部経済産業局が発表した7月の鉱工業生産指数(速報値、季節調整済)は前月比で2.6%減と5カ月ぶりに低下したものの、前年同月比では6.7%増と8カ月連続で前年を上回った。殊に生産用機械工業や電子部品・デバイス工業などでは海外向けを中心に回復している。

【タイトル】

【タイトル】

【タイトル】

企業の景況感の改善もみられる。北陸財務局が発表した2026年7-9月期の北陸の法人企業景気予測調査では、全産業の景況判断指数(BSI)がマイナス4.2と4-6月期と比べ6.6ポイント改善した。BSIは自社の景況感が前四半期より「上昇」と答えた割合から「下降」とした割合を差し引いた値で、中東情勢の影響が懸念された4-6月期に製造業の景況感が悪化したが、中東情勢の影響は限定的として改善がみられた。価格転嫁や代替調達によって影響が想定ほどではなかった様子だ。人工知能(AI)・半導体、自動車、建設機械の3分野で受注が上向いていることも改善につながった。

北陸経済は総じて堅調だが、中東情勢など国際情勢、為替、エネルギー・原材料価格などによる影響には注意したい。

(参照:日銀金沢支店発表資料「北陸の金融経済月報」、「北陸短観」、国土交通省発表資料、経済産業省及び経済産業省中部経済産業局発表資料、財務省北陸財務局発表資料、内閣府発表資料より今村証券作成)

--------------------------------------------------------------------------------------
今村証券株式会社
  金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
  加入協会:日本証券業協会、一般社団法人資産運用業協会
--------------------------------------------------------------------------------------
【アナリストによる証明】
本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。
--------------------------------------------------------------------------------------
【免責・注意事項】
本資料は投資判断の参考となる情報提供を目的とし、信頼できると思われる各種データに基づき作成したものですが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に記載された意見・予測等は、作成時点における今村証券の判断に基づくもので、今後、予告なしに変更されることがあります。本資料は投資結果を保証するものではございませんので、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもありませんし、本資料に依拠した結果として被った損害または損失について今村証券は一切責任を負いません。投資に関する最終決定はご自身の判断で行ってください。今村証券は本資料に関するご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。

今村証券及びその関連会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品について、自己売買または委託売買取引を行うことがあります。

本資料は今村証券の著作物であり、著作権法により保護されております。今村証券の事前の承認なく、また電子的・機械的な方法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。
――――――――――――――――――――――――――――――――-

今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集