檜和田浩昭氏【高値圏“横ばい”東京株式市場は「どっちに動く?」】(2) <相場観特集>
―ドル円「高止まり」も全体相場頑強、真冬のマーケットが向かう先―
22日の東京株式市場は、米連邦政府の暫定予算失効に伴う一部政府機関閉鎖の影響や、外国為替市場で円相場が1ドル=110円台後半に高止まりしていることを嫌気して売り先行の推移が続いていたが、日経平均株価は大引けに掛けてプラス圏に浮上した。個別銘柄への押し目買い意欲が旺盛で、底堅さを感じさせる地合いとなっている。第一線で活躍するマーケット関係者2人に、今後の株式相場見通しを聞いた。
●「決算内容を織り込み2万4000円台後半目指す」
檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)
今週後半から発表が本格化する10-12月期の決算発表の内容を評価しながらの株価推移となりそうだ。来週の31日が決算発表前半のピークとなるが、このあたりまでで1株利益の水準が上方修正されるようであれば、日経平均は徐々に切り上がる可能性もある。18年3月期通期の業績見通しは当然ながら、銘柄によっては来期(19年3月期)業績の輪郭も判明しつつ、株価に織り込まれることになる。
今後、2月末までの日経平均の想定レンジは、2万3400~2万3500円水準を下値とし、上値は2万4000円台後半を目指すことになりそうだ。一方、米株式市場では、これまでの35%を21%に引き下げる法人税減税や、所得税率の低減など税制改革が、企業業績や実体経済に好影響をもたらし、これを背景に年前半は適度な調整を挟みながら堅調な推移が予想される。これが、海外投資家の日本株への継続買いにもつながる。
今後の物色対象としては、工作機械の受注好調に象徴されるように、設備投資関連の機械株やFA関連の重電機系メーカー、来期の好業績に期待が集まっている半導体製造装置関連に代表されるハイテクセクターに注目している。内需系では、しっかりと値上げを浸透させながらも好業績が維持できている大手リゾート関連、居酒屋チェーン、食品、専門量販店、百貨店といったセクターに関心が向きそうだ。
リスク要因としては、予想が困難で突発的に発生する地政学リスクに加え、日銀金融政策決定会合の内容に対して、市場参加者が少しでも“緩和縮小方向”のニュアンスを感じ取るような流れとなった場合、想定外の動揺が広がる懸念もある。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。
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