【植木靖男の相場展望】 ─ 当面中小型材料株の乱舞続く
「当面中小型材料株の乱舞続く」
●米株は買い転換接近か?
年初から大きく凋落した東京株式市場だが、首都圏で桜が散り始める頃からようやく収束の段階に入ってきたかにみえる。
急落した日経平均株価の軌跡を辿ると、ひとつは日柄で3ヵ月、下落率でおよそ15%だ。長い日柄の割には、いわゆる調整の範囲内だ。20%を超えるようであれば世界景気の腰折れが迫っていると判断されるが、この程度の下落であれば、先行き高値奪回の余地は十分と予想されよう。
ふたつ目の特徴は、日米ともここへきての安値(終値ベース)は3月23日、米国株はここへきてようやく3日連騰をみせた。買い転換が近いことをうかがわせる。しかし、日本株は安値後に3日連騰のチャンスが2回あったが市場に裏切られている(5日現在)。
通常、底値圏からの戻りは1~2回裏切られることがあるが、次回は果たしてどうか。
ところで材料面から、米国株の急落、円高・ドル安、米中貿易摩擦の懸念と悪材料が相次ぎ、結果として現物・先物とも海外勢の売りが嵩んで株価が崩落した。
こうした不安材料は、今後もなお残るとみられ、その度に一喜一憂する局面は続こう。ただ、底値圏では同じような警戒材料であっても、それに対する株価の反応は小さくなる。
●戻り上値メドは2万2400~2万2700円
さて、今後株価はどう展開するのか。近々、3日連騰するか、もしくは直前の戻り高値2万2000円処を突破すれば、上昇基調に復帰することになろう。
通常、戻り相場は下落幅の60~70%、またその近辺での戻り高値は2万2400円処だ。
だとすれば、4月中に2万2400~2万2700円処が上値の目標となろうか。
この間の物色対象はどうなるのか。ここへきて新たに上昇が目立つのは15年の高値を更新した丸井グループ <8252> に代表される個人消費関連株だ。エービーシー・マート <2670> 、ビックカメラ <3048> 、ペッパーフードサービス <3053> などの動意が著しい。昨年後半大きく活躍したIoT、半導体、自動運転、ロボットなどのハイテク関連は、なお休養を余儀なくされている。
こうした主役に代わる柱となり得るかどうか。4月の賃上げ分が今後実際に支払われる時期も近い。見守りたい。
目先の妙味株はどうか。中小型材料株の乱舞が続いているが、次の3銘柄に注目したい。美人投票で当選する銘柄である。
仮想通貨絡みの銘柄はマネックスグループ <8698> の急騰に刺激されやすくなるセレス <3696> だ。掲示板監視、投稿監視等のアウトソーシングサービスのイー・ガーディアン <6050> 、そして無線通信サービスを主に家電量販店や携帯電話販売店を通じて提供しているワイヤレスゲート <9419> などに注目したい。
2018年4月6日 記
株探ニュース