話題株ピックアップ【夕刊】(2):コマツ、ソニー、Vテク

注目
2018年4月10日 15時19分

■コマツ <6301>  3,542円  +101 円 (+2.9%)  本日終値

コマツ<6301>、日立建機<6305>がいずれも3日ぶり反発となった。制裁関税に対し報復関税でやり返す米中間での貿易摩擦の激化が、中国関連株に位置づけられる両銘柄にもネガティブ材料として覆いかぶさっていたが、きょうのアジアフォーラムでの習近平国家主席の発言を受け足もとの流れが変わった。グローバルマクロなどの海外ヘッジファンドの買い戻しが観測されるなか、目先リバウンド局面に移行している。

■ソニー <6758>  5,328円  +108 円 (+2.1%)  本日終値

ソニー<6758>が続伸、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが接近しており上値指向を強めてきた。市場では「前日あたりから大型優良株に外国人投資家の買いが観測されるようになった」(準大手証券ストラテジスト)という。そのなかソニーは、きょう寄り付きから次第高の展開にあり、海外筋とみられる継続的な実需買いが流入したもようだ。業績はエレクトロニクス事業が好調なほか、金融分野や音楽分野も収益を後押ししており、18年3月期は本業のもうけを示す営業利益が前期比2.5倍の7200億円と急拡大を見込んでいる。

■ブイ・テクノロジー <7717>  28,810円  +500 円 (+1.8%)  本日終値

ブイ・テクノロジー<7717>、平田機工<6258>、日新電機<6641>、タツモ<6266>、シャープ<6753>、出光興産<5019>、住友化学<4005>など有機EL関連が軒並み高に買われた。米国株市場で半導体関連株に買い戻しが入るなど電機セクターへの売りが一巡、その流れが東京市場にも波及しているが、次世代ディスプレーとして市場が急拡大している有機EL分野に積極展開する企業群に物色の矛先が向き始めた。米アップルのiPhoneXの販売不振が伝わるなか有機EL関連株は一時期調整色を強めたが、4月に入り韓国LGディスプレーが2021年に有機ELパネルの生産を昨年実績比で6倍となる1000万枚体制にすることが伝わり、これが関連銘柄への見直し買いにつながった。

■スクリン <7735>  9,390円  +150 円 (+1.6%)  本日終値

SCREENホールディングス<7735>、ディスコ<6146>がともに続伸で底入れの兆しをみせているほか、東京エレクトロン<8035>も4日続伸と底値離脱の動きを強めている。前日の米国株市場ではアプライドマテリアルズ、インテル、ザイリンクス、エヌビディアなどの半導体関連が軒並み上昇、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反発した。これを受けて、東京市場でも半導体製造装置メーカーへの買い戻しが目立つ。朝方は上値が重くマイナス圏で推移する時間帯もあったが、その後、中国の習近平国家主席がきょうの演説で輸入関税の引き下げなどに言及したことが伝わったこともあって、輸出株全般は徐々に買いが厚くなった。

■トヨタ自動車 <7203>  6,838円  +97 円 (+1.4%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が底堅さを発揮。前日の米国株市場では主要株価指数が反発したものの、終盤上げ幅を縮小し安値圏で引けるなど場味の悪さが残った。また、外国為替市場では1ドル=106円台後半の推移と前日と比べ円高水準で推移しており、これが為替感応度の高い自動車株にとって輸出採算悪化の思惑が浮上するところ。しかし、ここ自動車株は株価調整に一巡感が出ており、円高でも押し目買いが厚い。きょうも前日終値近辺で売り物をこなしている状況。

■キーエンス <6861>  61,500円  +760 円 (+1.3%)  本日終値

キーエンス<6861>が満を持して7日ぶりに反発、ファナック<6954>、安川電機<6506>も買い優勢となるなどFA関連株を買い戻す動きが顕在化。ここ最近は米中貿易摩擦が貿易戦争に発展するのではないかとの懸念が世界景気減速リスクを想起させ、企業の設備投資意欲が反映されるFA関連株にとって逆風環境にあった。キーエンスは前日までの6日間で5300円も値を下げ2月初旬の年初来安値に急接近していた。しかし、きょうのアジアフォーラムでの中国の習近平国家主席による“輸入関税引き下げ”発言が風向きを一気に変え、これまで売り込まれた電機・機械セクターなどに買い戻し急となった。

■ロート製薬 <4527>  3,210円  +10 円 (+0.3%)  本日終値

ロート製薬<4527>が6日続伸し連日の年初来高値更新。東海東京調査センターが9日付で投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を3570円から3770円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、同社の収益環境はインバウンド需要やアジア向けを軸とするアイケア関連などを軸に引き続き良好と判断。18年3月期第3四半期累計(17年4~12月)営業利益は156億700万円(前年比25.9%増)となり、18年3月期通期計画(168億円)に対する進捗率は92.9%であることから、同センターでは会社計画を上回る営業利益192億円(前年比24.3%増)を予想している。また、続く19年3月期は前年比13.0%営業増益を見込んでいる。

■ライク <2462>  1,931円  -298 円 (-13.4%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

ライク<2462>が急落。9日の取引終了後に発表した第3四半期累計(17年6月~18年2月)連結決算は、売上高336億7400万円(前年同期比15.7%増)、営業利益16億100万円(同20.4%増)、純利益8億9600万円(同90.7%増)となったものの、12~2月期では25.6%営業減益となっており、足もとの業績悪化懸念から売られたようだ。第3四半期累計では、モバイル・アパレルなどのサービス業界やコールセンターや物流業界、保育・介護業界を中心に事業の拡大を図った総合人材サービスが伸長。また、新規施設の開園効果と認可保育園における運営補助金などの加算が発生した子育て支援サービスが大幅増収増益となった。一方、今年1月からテレビCMを開始したことで広告宣伝費が膨らんだことなどで販管費が増加した。なお、18年5月期通期業績予想は売上高470億円(前期比17.3%増)、営業利益17億8000万円(同16.7%増)、純利益14億円(同72.8%増)の従来見通しを据え置いている。

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