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2018年5月17日 19時30分
特集

東京五輪へと続く成長ロード 走り出す“シェアサイクル関連株” <株探トップ特集>

―国策後押し、「自転車活用推進法」が関連マーケット拡大の起爆剤に―

最近、カーシェアリングならぬシェアサイクル(コミュニティーサイクル)がよく目につくようになった。IT技術の進化やスマートフォンの普及で、運営者・利用者ともに使い勝手の良いシステムが普及し始めたことに加えて、17年5月に、「自転車活用推進法」が施行されたことがきっかけとなり、シェアサイクルに取り組む自治体が増加していることも背景にあるようだ。

この自転車活用推進法は国が中心となって自転車の活用を総合的・計画的に推進することを目的としている。これにより自転車専用道路などの整備が進めば、自転車市場そのものの拡大にもつながるとみられる。自転車関連市場は、ビジネスチャンスが多い分野といえそうだ。

●自転車活用推進法とは

自転車活用推進法は、基本理念として「自転車は二酸化炭素などを発生せず、災害時において機動的」「自動車依存の低減により、健康増進・交通混雑の緩和など、経済的・社会的な効果」「交通体系における自転車による交通の役割の拡大」「交通安全の確保」などを掲げており、この理念のもと、自転車専用道路の整備や路外駐車場の整備、シェアサイクル施設などを重点的に検討・実施するとしている。

特に2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを契機として、政府では「東京を自転車フレンドリーな先進都市へと変貌させることにより、全国各地に対して自転車まちづくりの先鞭をつける好機」としている。東京都では既に自転車専用の走行レーンを作る「東京都自転車走行空間整備推進計画」で20年までに約100キロメートルのスペースを整備するとしているが、今後は都だけではなく、さまざまな都市で自転車利用拡大を推進する各種施策が具体化してくるとみられる。

自転車の利用が拡大すれば、自転車販売店大手のあさひ <3333> への恩恵が大きい。また、義務化に向けた動きが強まっている、自転車保険を手掛けているKDDI <9433> やMS&Consulting <6555> [東証M]などにもメリットがあろう。

●ドコモはコミュニティーサイクルで先行

一方、シェアサイクルの普及については、今後さらに拡大の余地がある。シェアサイクルは海外では利用が進んでいるサービスだが、国土交通省によると、16年10月1日時点で87都市で本格導入されているに過ぎない。同法の施行により今後、サイクルポート(シェアサイクルのための自転車専用置場)の設置拡大とともに、普及が加速しそうだ。

NTTドコモ <9437> 子会社でエヌ・ティ・ティ都市開発 <8933> やエヌ・ティ・ティ・データ <9613> などが出資するドコモ・バイクシェアでは、自治体から委託を受ける形で、コミュニティーサイクルのサービスやシステムを提供しているほか、マンションなどの民間施設や他のシェアサイクル運営事業にもシステムやコンサルティングを提供している。現在は約5000台の自転車がシェアされており、コミュニティーサイクルで先行しているといえよう。

●ソフトバンクはセブンイレブンと連携

一方、ソフトバンクグループ <9984> 傘下のOpenStreetは、あさひやシナネンホールディングス <8132> 傘下のシナネンサイクルなどと連携し、「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」のブランドでシェアサイクル事業を展開している。前述のドコモ・バイクシェアが展開するコミュニティーサイクルの多くが専用の電動アシストを使用しているのに対して、「ハローサイクリング」では一般的な自転車にスマートロックとロック用バッテリーを取り付けた自転車で展開しているのが特徴。昨年11月にはセブン&アイ・ホールディングス <3382> 傘下のセブン-イレブン・ジャパンと協業すると発表しており、今年度末までに首都圏など1000店舗で5000台の自転車を提供する方針だ。

NTTドコモとソフトバンクという、大手通信キャリア同士でのシェアサイクルでの激突が注目されているが、このほかにもLINE <3938> が昨年12月、中国のシェアサイクル大手であるモバイク社の日本法人モバイク・ジャパンと資本・業務提携を締結したことも注目された。国内月間利用者数7100万人の豊富なユーザーベースの活用のほか、官公庁・自治体・企業などとのネットワークを生かしたインフラベースの整備サポートなどを行うことで、日本国内における「Mobike」のサービス展開を拡大・加速するとしている。

●シェアサイクル向けシステム開発に商機

さらに、こうしたシェアサイクルをシステム面で支える企業にも注目したい。

日本コンピュータ・ダイナミクス <4783> [JQ]は、パーキングシステムに強みを持っており、時間貸し無人駐輪場 管理事業「EcoStation21」を展開し、各自治体が管理運営する駐輪場の指定管理者として全国の自治体や鉄道事業者などを顧客としている。また、パーキングシステム事業の一環として「ecoport」コミュニティーサイクル事業を展開。「EcoStation21」で多くの実績を有することから、コミュニティーサイクルの普及でも恩恵を受けるとみられている。

IHI <7013> は、子会社IHIエスキューブが、大容量のゲート式ポートと個別ロック式ポートの併用管理ができるコミュニティーサイクル・シェアサイクルシステムを展開している。同社では駐輪場システムも手掛けており、駐輪場とシェアサイクルを共存させたシステムも提供している。さいたま市などに納入実績があることから、今後の展開にも注目したい。

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