7月IPOと中小型株の行方、自動運転関連「ティアフォー」登場に期待 <株探トップ特集>
―スタンダードやグロース指数は反発基調、上場企業数は減少も大型化の流れ続く―
7月相場に突入するとともに、物色の方向性に変化が見え始めた。足もとでは、AI・半導体関連株への一極集中相場に緩和傾向が出ている。これとともに、出遅れていた内需株にも反発機運が台頭しており、同時に中堅・中小型株にも再浮上期待が強まっている。そんななか、7月IPOが始まる。市場では、自動運転関連の「ティアフォー <593A> [東証G]」などの動向が注目されている。
●「脱AI・半導体株依存」は追い風に
東京市場では、AI・半導体関連株への物色の一極集中の影響もあり、特に春先以降はハイテク株比率の高い日経平均株価の上昇率がTOPIXなどの指数を大きく上回る状態が続いた。ただ、足もとでは「脱AI・半導体株依存」の動きも台頭し、6日にTOPIXは最高値を更新し物色に広がりが見え始めた。そんな流れのなか中小型株を見直す動きが出ている。東証スタンダード市場指数は、2月には終値ベースで1765.34まで上昇し最高値をつけた。ただ、その後、6月中旬まで約11%下落したが、足もとでは1640近辺に値を戻している。東証グロース市場250指数も5月に843.39の高値をつけた後には6月下旬まで約20%下落したが、足もとでは730前後と約1カ月ぶりの水準に上昇している。
健闘する中堅・中小型株も少なくない。具体的には、スタンダード市場では、時価総額上位にも顔を出す上村工業 <4966> [東証S]やフクダ電子 <6960> [東証S]、沖縄セルラー電話 <9436> [東証S]、東洋合成工業 <4970> [東証S]などが上昇基調にある。また、グロース市場では、同じく時価総額上位のMTG <7806> [東証G]や技術承継機構 <319A> [東証G]、HUMAN MADE <456A> [東証G]、QDレーザ <6613> [東証G]、Finatextホールディングス <4419> [東証G]などが堅調な値動きとなっている。
●東証グロース市場改革で新規上場は減少基調
そんななか、 7月IPOが始まる。7月は4社の新規上場が予定されており、昨年と同水準となる。スタンダード市場に1社、グロース市場に3社が登場する。今年に入ってからの新規の上場銘柄数は7月までで21社と昨年同期に比べ11社減少する見込みだ。東証グロース市場改革で「上場5年経過後に時価総額100億円以上」という上場維持基準が2030年から適用されることの影響が出ているようだ。今年の年間上場銘柄数も50~60社程度との予想もあり、昨年の66社を下回り、13年の54社を意識する水準となる可能性も指摘されている。
ただ、新規上場企業数は減少傾向にあるが、以前のような小粒IPOも減っている。6月に新規上場した配車アプリ最大手のGO <581A> [東証G]は、上場時の時価総額が1800億円台と今年最大だった。また、26年のIPOの初値は年初から7社連続で公開価格を下回ったが、4月のソフトテックス <550A> [東証S]以降は公開価格を上回っており、直近の6月ではLiNKX <584A> [東証G]が上場2日目以降、5日連続ストップ高を演じるなど注目を集めた。
●ティアフォーは「自動運転」の世界競争を勝ち抜けるか
7月IPOでの第1号となるのが15日に上場するチャットプラス <598A> [東証G]だ。同社は問い合わせ対応を支援する「ChatPlus」、「AI AgentPlus」といったチャットボットシステム、それにFAQシステム「FAQPlus」の開発・提供を手掛けている。資金吸収額は約14億円、時価総額は50億円程度の見通しだ。
22日には7月IPOの目玉となるティアフォーが登場する。同社はオープンソース型の自動運転ソフト「Autoware(オートウェア)」を活用した自動運転車両の開発・販売、実証・導入支援などを手掛ける。「自動運転の民主化」をビジョンに掲げ15年に設立されており、自動運転技術の専門会社としては初の上場企業となる。
世界的に自動運転の社会実装への取り組みが進み、「ロボタクシー」などへの展開が期待されるなか、同社はトヨタ自動車 <7203> [東証P]やスズキ <7269> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]などの出資も受けている。仮条件から弾いた資金吸収額は260億円前後、時価総額は約690億円と今年2番目の大型上場となる。26年9月期の連結純損益は67億3600万円の赤字見通し。自動運転は、海外大手企業との競争も激しい分野であり、同社に対する市場の評価が高い関心を集めている。
●ビーエイブルやアイ・グリッド・ソリューションズに期待
29日にはビーエイブル <604A> [東証S]とアイ・グリッド・ソリューションズ <603A> [東証G]が登場する。ビーエイブルは、原子力発電所の建設・保守・廃炉工事、再生可能エネルギー事業などを手掛ける。福島県大熊町を本拠としており、福島第一原子力発電所における廃炉関連を主力としている。資金吸収額は25億円前後、時価総額は約70億円の見通し。アイ・グリッド・ソリューションズは、商業施設などの屋根上へ太陽光発電を設置・売電する「オンサイトPPA(電力購入契約)」などGXソリューション事業とエナジートレーディング事業を2本柱としている。資金吸収額は90億円前後、時価総額は約250億円の見通しだ。
■7月IPO一覧
コード
上場日 ・上場市場 企業名 主幹事
7月15日 598A・東G チャットプラス 丸三
22日 593A・東G ティアフォー 三菱UFJ、SMBC日興
29日 604A・東S ビーエイブル みずほ
29日 603A・東G アイ・グリッド
・ソリューションズ 野村
(注)東Sは東証スタンダード、東Gは東証グロース
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