来週の株式相場見通し=米中貿易摩擦で方向感に乏しい推移に、メルカリのIPOに関心
来週(18~22日)の東京株式市場は、重要イベントが相次いだ今週が経過したことで、手掛かり材料不足が際立つ地合いとなり、方向感に乏しい推移が予想される。そのなかで、トランプ米大統領が、課税対象となる中国からの輸入製品について改定版ともいえるリストを、早ければ現地15日にも公表するとの観測が浮上しており、米中貿易摩擦を巡る懸念が株式相場の重荷となりそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは2万2500~2万3200円とする。
19日に東証マザーズ市場に新規上場するメルカリ<4385>への投資家の関心は極めて高いようだ。フリーマーケットアプリで抜群の知名度持ち、海外投資家からの株式購入希望も根強いという。メルカリの人気の高さがきっかけとなって、その後の新規上場銘柄を含めて新興市場全般が見直される可能性もある。
市場関係者からは「欧州中央銀行(ECB)が14日に開催した理事会で、量的金融緩和を年内で終了すると決めた一方で、少なくとも来年夏までは利上げしない方針が示された。これを受けて、金融引き締め影響に対する過度な懸念が後退して、きょうは日本株にも買い戻しが流入した。外国為替市場で、1ドル=110円台後半へと円安・ドル高が進行したことも買い支援材料となった。ただ、株価指数先物主導の色彩が強く、指数への寄与度の高いファーストリテイリング<9983>、TDK<6762>、太陽誘電<6976>の3銘柄の上昇で、合計80円分の日経平均を引き上げた」との見方が出ていた。
日程面では、5月の貿易統計(18日)、4月26・27日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、5月の訪日外国人客数(20日)、5月の消費者物価指数、4月の全産業活動指数(22日)に注目。
海外では、ドラギ総裁がECBフォーラムで講演、米5月の住宅着工件数(19日)、米1~3月期の経常収支、米5月の中古住宅販売件数(20日)、英中央銀行が金融政策発表、米5月のCB景気先行総合指数(21日)、石油輸出国機構(OPEC)総会(22日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)