今週の【早わかり株式市況】 TOPIX上昇・中小型株物色で全体相場堅調も、日銀政策見直し観測で日経平均低調

市況
2018年7月28日 6時40分

今週の株式市場は、日銀の金融政策見直し観測で日経平均株価は横這いも、TOPIX は上昇、中小型株も物色され相場全体は薄商いながらも堅調だった。

週初の23日はトランプ米大統領の発言で米中貿易摩擦への警戒感が一段と高まったうえ、日銀の金融緩和策の修正観測から為替市場で円高を誘ったことが嫌気され日経平均は大幅に3日続落した。

翌24日は前日に中国政府が財政政策積極化の方針を示したことを受け中国関連株が買われ日経平均は4日ぶりに反発した。為替が円安方向に振れたことも追い風となった。25日は前日のNYダウ が急反発したことに加え、政策期待を背景とした中国の景気減速懸念が後退し終始買い優勢となり続伸した。ただ、東証1部の売買代金は2兆円割れと薄商いでまさに夏枯れ状態。26日は前日の米国とEUの首脳会談を受けて貿易摩擦への懸念が後退したことから寄り付きこそ高かったものの、その後は日銀のETF購入配分見直し観測で値がさの日経平均採用銘柄が売られ小幅ながら3日ぶりに反落した。そうした中、中小型株を中心に物色意欲は旺盛で東証1部の値上がり銘柄数は8割を超えた。

週末の27日は米通商問題の懸念後退で前日のNYダウが3日続伸したことを受けて終始買い優勢の展開。円安基調や前日売られた値がさ株の買い戻しもあって日経平均は反発した。

日経平均株価は、前週比14円(0.07%)高の2万2712円と小幅ながら3週続伸して取引を終えた。日銀の金融政策見直し観測で日経平均はほぼ横這いだったものの、TOPIXは1.76%高と上昇。中小型株への物色意欲も旺盛で全体相場は薄商いながらも堅調だった。週間の値幅は375円と、前週の407円から縮小した。

来週も日経平均は不安定な値動きが続きそうだが、TOPIX は上値を追う展開が期待される。重要イベントが目白押しだけに、相場が大きく動く可能性は残る。

重要イベントとしては、国内では30日-31日に開催される日銀金融政策決定会合や31日朝に発表される6月鉱工業生産が注目される。特に、日銀金融政策決定会合は今週に政策見直し観測報道で相場が乱高下しただけに注目度が高い。海外では31日発表の中国7月製造業PMIや7月31日-8月1日に開催されるFOMC、3日発表の米国6月貿易収支と米国7月雇用統計に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(7月23日~27日)

【↓】   7月23日(月)―― 3日続落、円高や日銀金融政策を巡る思惑で波乱含み

日経平均 22396.99( -300.89)  売買高13億9961万株 売買代金 2兆1640億円

【↑】   7月24日(火)―― 4日ぶり反発、中国関連買われ全体相場を押し上げる

日経平均 22510.48( +113.49)  売買高12億4650万株 売買代金 2兆0392億円

【↑】   7月25日(水)―― 続伸、NYダウ急反発や中国の景気減速懸念の後退で買い優勢

日経平均 22614.25( +103.77)  売買高11億3815万株 売買代金 1兆9846億円

【↓】   7月26日(木)―― 3日ぶり小反落も、実態は強くTOPIXは3日続伸

日経平均 22586.87(  -27.38)  売買高12億5281万株 売買代金 2兆3957億円

【↑】   7月27日(金)―― 反発、円安追い風に後場買い直され高値引け

日経平均 22712.75( +125.88)  売買高13億8133万株 売買代金 2兆1679億円

◆セクター・トレンド(7月23日~27日)

(1)全33業種中、30業種が上昇

(2)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株が大きく買われた

(3)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、オリックス <8591> などその他金融が大幅高も

野村 <8604> 、マネックスG <8698> など証券株はさえない

(4)日立 <6501> など電機、HOYA <7741> など精密といった輸出株は堅調

(5)ソフトバンク <9984> など情報・通信、ファストリ <9983> など小売りといった内需株の一角は低調

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