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2018年8月20日 19時30分
特集

夏バテ相場に喝! 「外食三羽烏」カツ・スシ・ヤキニクに妙味あり <株探トップ特集>

―秋相場視界に仕込み好機、業界の現状と今後の展開は―

激しい貿易摩擦にきしむ世界経済、東京株式市場も身動きが取れない状況に方向感なき展開を強いられている。国際情勢に影響される主力株には手掛けにくさもあり、どうもパッとしない。夏バテ相場の様相を呈しているが、こういう時こそもりもり食べてスタミナ回復といきたいところ。まさに妙味ありの「外食三羽烏」といえば、「かつ丼・とんかつ」、「寿司」に「焼肉」、手ごろな価格と気取らぬ味が客を呼び、市場の拡大が続く。「外食三羽烏」の現状と今後の展開を探った。

●とんかつ攻勢、一気に頭角を現す

外食業界は、幅広いジャンルと商品戦略でしのぎを削り、優勝劣敗が鮮明となる厳しい世界だ。そうしたなかでも、回転寿司焼肉業態は市場の急拡大で株式市場においても折に触れ注目を集めてきた。そして、ここ一気に頭角を現してきたのが、かつ丼・とんかつ業態だ。ただこれら三羽烏は、ここ株式市場において注目度は決して高いとはいえず、下値を模索する銘柄も少なくはない。どこで切り返しに転じるのかは難しいところだが、今は上昇転換へのタイミング待ちの状況ともいえそうだ。

まずは、成長著しい「とんかつ・かつ丼」業態だが、ここ数年は従来の専門チェーン店よりもリーズナブルな価格で味わえる新規参入組の店舗が急増、手軽にとんかつを味わう機会が増えている。

市場調査会社の富士経済が5~7月に実施した「外食産業の国内市場の調査」によると、とんかつ・かつ丼は、「2016年はかつや、松のや・松乃屋の好調や豚屋とん一の積極的な新規出店、とんから亭やかつ庵の新規参入などにより、前年比18.1%増となった。17年は上位チェーンの積極的な新規出店により、市場は前年比17.8%増の530億円となった。18年も引き続き市場が活性化しているのを受けて、参入各社はとんかつ・かつ丼を注力分野と位置付けて展開しており、新規出店や期間限定メニューなどの商品施策により、市場は前年比14.2%増の605億円が見込まれる」とし、19年には670億円と大幅な伸びになるとみている。「とんかつ・かつ丼を手軽に喫食できるため需要獲得が進んでおり、今後も市場拡大が期待される」(同)と分析する。

●迎え撃つかつや、トリドールHDは「豚屋とん一」でジワリ

とんかつ・かつ丼市場では、牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズ <9887> が、「松のや」と「松乃家」でここ急速に出店攻勢をかけている。牛丼に次ぐ第2の柱への成長期待もあり、その勢いは止まらない。もはや老舗ともいえる「とんかつ濱かつ」を展開するリンガーハット <8200> 、すかいらーくホールディングス <3197> は「とんから亭」、さらに「丸亀製麺」のトリドールホールディングス <3397> が「豚屋とん一」、「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングス <3085> などが勝ち残りをかける。また、ダスキン <4665> もファミリーでの利用を唱えるとんかつレストラン「かつアンドかつ」を展開するなど、“とんかつ・かつ丼戦線”において各社一歩も引かない状況だ。

そうしたなか、「かつや」のALサービスは早くからリーズナブルな価格で攻勢に出ており、急増する新規参入組を迎え撃つ。同社は、7月27日に18年12月期第2四半期累計を発表、営業利益が前年同期比6.4%増の19億8300万円、連結経常利益は同5.1%増の20億円と好調。ただ、株価は7月12日に1981円まで売られ年初来安値を更新、現在は2000円近辺での攻防が続いている。

また、「豚屋とん一」を展開するトリドールHDからも目が離せない。同社では、「(豚屋とん一について)今期は出店ペースをゆるめ収益改善、ブランドの構築に注力していく。商品のブラッシュアップ(食材、パン粉、油、揚げ時間の変更)、メニューのラインアップ変更、売れ筋メニューの販売強化などをおこなう方針だ」(広報)としており、「既に実施店舗においては効果が出ている」(同)という。同社は、13日に19年3月期第1四半期(4-6月)連結決算を発表しており、営業利益が前年同期比5.8%増の22億3800万円と好調。「丸亀製麺」を7店舗出店したほか、「豚屋とん一」など新たな業態の展開を進め、その他の業態で20店舗を国内で出店したことが業績を牽引。積極的な商品施策やテレビCMの放映などで認知度向上を図ったことも寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高1532億1300万円(前期比31.5%増)、営業利益98億6500万円(同29.2%増)、純利益65億1500万円(同39.7%増)の従来見通しを据え置いている。

激しさを増すとんかつ・かつ丼業界、火蓋は切られたばかりでここからの動向に注目が集まる。

●スシロー好調、元気寿司は虎視眈々

飽和状態が囁かれる回転寿司も、順調に市場の拡大が継続する見通しだ。前述の富士経済の調査によると、回転寿司の市場について「近年は年率3~4%台の伸びを続けている。2017年後半は上位チェーンの積極的な出店により好調で、市場は前年比4.5%増となった。18年も、積極的な出店が進められており、引き続き市場拡大が見込まれる」と指摘、市場規模は17年の6325億円から19年には6790億円と拡大基調の継続を予測している。

回転寿司では、くらコーポレーション <2695> 、スシローグローバルホールディングス <3563> 、傘下企業による「はま寿司」を展開するゼンショーホールディングス <7550> 、カッパ・クリエイト <7421> といった、いわゆる“四天王”に加え元気寿司 <9828> がしのぎを削る状況だ。

スシローは8月8日に18年9月期通期の連結業績予想の上方修正を発表。売上収益を1693億6100万円から1750億円(前期比11.9%増)へ、営業利益を99億3900万円から116億円(同26.0%増)へ、最終利益を66億2000万円から78億円(同12.3%増)へそれぞれ増額した。既存店売上高が好調であることや、コスト削減への取り組みにより、営業利益、最終利益が大幅に増加した。同社の株価は、6月14日に7010円まで買われ年初来高値を更新、その後は上下に荒い値動きをみせるなか、きょうは6000割れ寸前にまで売られている。

四天王を追う元気寿司の株価は、ここ上げ足を速めており注視が必要だ。同社は、7月31日取引終了後に19年3月期の連結業績予想について、売上高を422億2000万円から424億4000万円(前期比6.1%増)へ、営業利益を18億1000万円から26億円(同50.6%増)へ、純利益を11億1000万円から18億7000万円(同3.5倍)へ上方修正、これを受けて翌日には急騰、その後も全体相場の軟調地合いをものともせず上値追いを続けている。回転寿司戦国時代、虎視眈々と四天王を追う。

●焼肉市場、19ヵ月連続で前年上回る

焼肉業態の好調が異彩を放っている。日本フードサービス協会が7月25日に発表した「外食産業市場動向調査・6月度結果報告」によると、「週末需要の大きい『焼肉』は、売り上げが7%増と19ヵ月連続して前年を上回った」という。「ここ数年続く好景気が、プチ贅沢の代表格といえる焼肉に足を運ばせているのではないか」(業界関係者)との見方が大勢だ。

焼肉関連企業は、あみやき亭 <2753> 、物語コーポレーション <3097> 、安楽亭 <7562> [東証2]に加え、「牛角」を傘下企業のアスラポートが展開するJFLAホールディングス <3069> [JQ]があるが、出来高流動性の乏しい銘柄も多く、株式市場の人気度はいまひとつといえる。

なかで、物語コーポは7月度既存店売上高が前年同月比1.6%減と2ヵ月ぶり前年を下回るなど、こうした足もとの状況を受けて、株価は下値模索の展開が続いている。ただ、10日に発表した18年6月期の連結経常利益は前の期比26.4%増の38億6500万円になり、19年6月期も前期比13.8%増の44億円の伸びを見込んでおり、14期連続で過去最高益を更新する見通しだ。成長再評価の機運が高まれば、株価は反転攻勢に出る可能性もありそうだ。

しょせん日本の株式市場にサマーラリーは似合わない。“天高く株肥ゆる秋” そして年末高へ向けて、いまはまさに仕込み好機とみたい。酷暑の夏を越え、食欲の秋がそろり視界に入るいま、「外食三羽烏」の出番到来に期待がかかる。

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