「iPS細胞」に人気化機運、医療分野に革命起こす万能細胞<注目テーマ>

特集
2018年9月25日 12時20分

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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「iPS細胞」が6位にランキングされている。

8月中旬を境にバイオ関連株が動意含みとなっている。前週にそーせいグループ<4565>がアルツハイマー病など認知症治療薬の開発の中断を発表、同社株は急落し周辺のバイオ関連株やマザーズ指数の足を引っ張る格好となったが、それも一巡し戻り足に転じるものも増えている。その背景にはiPS細胞の実用化に向けた期待感があり、新興市場を中心とするバイオベンチャー企業の株価を刺激している。

iPS細胞とは人工の多能性幹細胞で、人間の皮膚などの体細胞に、わずかな数の因子を導入して培養し、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力と無限に近い増殖能力を有する多能性幹細胞に変化させるという技術だ。今から遡ること約12年前の2006年、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めてマウスを使って作製に成功、07年にはヒトの細胞でも作製を果たし、12年に山中氏はノーベル生理学・医学賞を受賞した。iPS細胞は再生医療を支える万能細胞として、今後も脚光を浴び続ける可能性が高い。

当然ながらiPS技術で日本は世界の先頭集団を走っているわけだが、製品化ではオーストラリア企業に先行を許している状況で、これにキャッチアップするべく関連企業の注力姿勢が強まっている。日本では再生医療分野においてiPS細胞に特化した布陣が敷かれており、最近、京大がiPS細胞を用いて血小板の再生医療の臨床計画を国に提出したが、これは目の難病や心臓病、パーキンソン病などに続き、再生医療による治療の対象が血液にも広がりをみせてきたという点で注目を集めた。既に京大はパーキンソン病で治験をスタートさせているほか、大阪大学が角膜の病気、慶応大学は脊髄損傷や心臓病の再生医療を計画している。

民間企業では富士フイルムホールディングス<4901>が武田薬品工業<4502>と提携して同分野に傾注している。富士フイルムは、18年度にも国内でiPS細胞を活用した移植医療についての治験を申請する構えで、米国などでも治験申請の計画にあることが伝わっている。また、同分野の研究開発や製造で先駆するのが大日本住友製薬<4506>。そして、新興市場では同社を大株主に有するヘリオス<4593>iPS細胞関連技術を使ったバイオ創薬に力を注いでおり、目の難病に対する治験を18年度中にも開始する方針にあることからマーケットの注目度も高い。

このほか、関連有力銘柄としてはタカラバイオ<4974>、テラ<2191>、新日本科学<2395>、アイロムグループ<2372>、カイオム・バイオサイエンス<4583>、JCRファーマ<4552>、塩野義製薬<4507>、アステラス製薬<4503>、テルモ<4543>、第一三共<4568>、東和薬品<4553>などが挙げられる。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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