話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、日本CMK、小野薬
■東京エレクトロン <8035> 14,920円 +520 円 (+3.6%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置メーカーやSUMCO<3436>など半導体材料メーカーは買い優勢の展開。前週末の米国株市場で米画像処理半導体大手のエヌビディアが19%近い下落をみせた。これが、ネガティブ要因として半導体セクターには逆風として意識されるが、前週エヌビディアは取引開始前に時間外で急落していたこともあって、東京市場でも関連銘柄は織り込みが進んでおり影響は限定的となっている。半導体業界の先行き見通しについては強弱感が対立しており、年末にむけても見切り売りと押し目買いが入り乱れ、不安定な展開が想定される。
■日本CMK <6958> 864円 +29 円 (+3.5%) 本日終値
日本CMK<6958>が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1050円から1100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、車載PCB(プリント配線板)に経営資源を集中し、品質を重視した生産体制整備を進める戦略を評価。これにより収益性改善が見込めるとして、19年3月期の営業利益予想を42億円から43億円へ、20年3月期を同55億円から56億円へ、21年3月期を同71億円から72億円へそれぞれ上方修正している。
■小野薬品工業 <4528> 2,737.5円 +63 円 (+2.4%) 本日終値
小野薬品工業<4528>が後場一段高。この日、東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野の相場節也教授、東北大学病院皮膚科の藤村卓講師らの研究グループが、根治切除不能悪性黒色腫治療薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ)を用いた免疫療法において、その治療効果を予測する検査法を開発したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の開発は、ニボルマブを用いた悪性黒色腫の治療において、血清中の治療効果予測因子を世界で初めて発見し、その治療効果を予測する検査法を開発したというもの。これにより、ニボルマブ単剤で治療効果が出るかどうか治療早期に判断することができるため、無効な治療の継続回避や、不必要な副作用発症の回避、効率的な治療薬の使用などの免疫療法の最適化につながるとしている。
■メガチップス <6875> 2,443円 +56 円 (+2.4%) 本日終値
メガチップス<6875>が反発。16日の取引終了後、セキュリティー・モニタリング用途向け映像監視システムの開発・生産などを手掛けるシステム事業部門を、19年1月1日付で、豆蔵ホールディングス<3756>子会社のセンスシングスジャパンに譲渡すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。メガチップスを吸収分割会社、センスシングスジャパンを吸収分割承継会社として、同事業に関して有する権利義務を承継させる吸収分割方式で譲渡する。これによりメガチップスは、車載、産業機器分野や5G通信インフラ分野など、今後市場が拡大する分野に経営資源を集中し、グローバル有力顧客とのビジネス拡大を図すとしている。なお、同件に伴いメガチップスはセンスシングスジャパンから対価として8億円を受け取るが、19年3月期業績への影響は現時点では軽微としている。
■インソース <6200> 2,541円 +58 円 (+2.3%) 本日終値
インソース<6200>が3日続伸。中期トレンドの分水嶺である75日移動平均線が2400円近辺を横に走っているが、前週にここを上回り、なお上値慕いの動きを強めている。講師派遣や教室形式もしくはウェブを使った講義などで社会人研修ビジネスを展開している。「働き方改革」も絡め企業の人材育成ニーズを取り込むことに成功しており、業績は19年9月期に24%営業増益を見込むなど好調、機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測される。
■リゾートトラスト <4681> 1,833円 +37 円 (+2.1%) 本日終値
リゾートトラスト<4681>は4日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を2600円から2850円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、富裕層顧客向けのホテル開発や成長分野のメディカル事業の拡大により、中期的に増益基調が続くという見方を堅持。今上期営業利益は61億円(前年同期比11%増)で、計画比2億円未達となったが、台風の影響を除けばホテルは回復に向かっているほか、メディカルの新商品投入・拠点拡大も評価できるとしている。
■村田製作所 <6981> 16,280円 +205 円 (+1.3%) 本日終値
村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>が3日ぶり反発。上げ幅は小さいものの目先下げ止まる動きをみせている。大手電子部品メーカーは新型iPhoneの売れ行き鈍化懸念を背景とした米アップル株の急落が重荷となっていたが、目先は売り飽き気分が出ている。前週末の米国株市場でアップル株は続伸、前週14日に底値をつけリバウンドに転じている。これに連動する形で、有力サプライヤーである村田製なども買い戻しが優勢となった。ただ、足もとは為替のドル安・円高の影響もあって新規の買いが入りにくく上値も重い。
■伊藤忠テクノ <4739> 2,045円 +17 円 (+0.8%) 本日終値
伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が3日続伸。この日、慶応義塾に対して、各種オンラインサービスでSNSのアカウントを利用した会員登録やログインを可能とするID管理システム「CTC B2C ID基盤」を提供したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。CTC B2C ID基盤は、Webサイトやモバイルアプリに対して、LINEやフェイスブックなどのSNSアカウントを利用した会員登録やログインを可能にし、ユーザーごとのSNS環境に応じて必要な情報の通知を行えるID管理システム。マイクロソフトのクラウド型ID管理ソリューション「Microsoft Azure Active Directory B2C」をベースとしてCTCが開発した基盤で、なりすましによる不正なログインを防ぐCapy(東京都中央区)の「Capy リスクベース認証」を組み込み、SNSアカウントによるログインについて安全性を向上したのが特徴としている。なお、慶応義塾は18年11月から同システムでのID管理の運用を開始するという。
■日立物流 <9086> 3,135円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
日立物流<9086>が4日続伸。16日の取引終了後、グループ会社の日立物流ソフトウェアと共同で、物流センターにおけるバーコードラベルの読み取り処理を短縮できる「映像検品認識装置」の特許を取得したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同技術は、台車に積まれた複数の検品対象の全体画像からラベル情報を読み取り、さらにこのラベル情報からバーコード部分のみの画像を高精度に読み取ることで、高速かつ正確な情報処理を実現するというもの。検品結果は即時にシステムモニター上に表示されるので、検品作業の効率化を図ることができるとしている。
■石油資源開発 <1662> 2,405円 +13 円 (+0.5%) 本日終値
石油資源開発<1662>や国際石油開発帝石<1605>が高い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は16日、両社の目標株価を引き上げた。石油資源はレーティングの「オーバーウエート」を継続するとともに、目標株価は2940円から2950円に見直した。19年3月期の連結純利益は従来見通しの111億円から120億円(会社予想123億9300万円)に修正した。主に、持ち分法利益と為替差損を見直したため。国際帝石の19年3月期連結純利益も530億円から600億円(会社予想600億円)に増額した。ブレント原油価格の年間平均の前提を引き上げたことを主な要因としている。
株探ニュース