話題株ピックアップ【夕刊】(2):バロック、SUMCO、オリエンタルランド

注目
2018年12月17日 15時21分

■バロック <3548>  1,043円  +22 円 (+2.2%)  本日終値

バロックジャパンリミテッド<3548>は4日続伸。前週末14日の取引終了後に発表した第3四半期累計(2~10月)連結決算が、売上高477億6700万円(前年同期比0.2%増)、営業利益28億200万円(同2.9倍)、純利益16億200万円(同9.2倍)と大幅増益だったことが好感された。「MOUSSY」「ENFOLD」「STACCATO」などのブランドが売り上げを牽引する一方、「AZUL BY MOUSSY」などが重石となり、売上高は微増にとどまった。ただ、セールの抑制や仕入れ原価率の改善による売上総利益率の改善、デジタルマーケティングの活用による広告宣伝費の抑制、人員の効率化による人件費コントロールなどで販管費が抑えられ、大幅増益を達成した。なお、19年2月期通期業績予想は、売上高720億8600万円(前期比6.1%増)、営業利益40億9200万円(同60.1%増)、純利益27億円(同2.2倍)の従来見通しを据え置いている。

■東京都競馬 <9672>  3,025円  +29 円 (+1.0%)  本日終値

東京都競馬<9672>はしっかり。14日の取引終了後、19年12月に創立70周年を迎えるのを記念して、18年12月期の期末配当で記念配当10円を実施すると発表しており、これが好感された。これにより普通配当と合わせた期末配当は30円となり、年間配当は50円(従来予想40円)となる予定。前期実績に対しては実質10円の増配になる。

■SUMCO <3436>  1,396円  +12 円 (+0.9%)  本日終値

SUMCO<3436>、東京エレクトロン<8035>など半導体関連株に買いが先行。前週末の米国株市場では、半導体関連株は総じて軟調で半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズは3%超の下落、エヌビディアやインテルなども下げており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落となった。ただ、東京市場では前週末に半導体セクターは米株市場に先んじて大きく調整を入れた銘柄が多く、足もとは買い戻しが優勢となっている。2019年は4年ぶりに半導体製造装置の世界販売が減少に転じる公算が大きいものの、東エレクなど株価的には既に織り込んでおり、今後は20年の成長トレンド回帰を織り込みに行くとの見方もある。

■オリエンタルランド <4661>  11,350円  +95 円 (+0.8%)  本日終値

オリエンタルランド<4661>が5日続伸。全体相場とは軌道を異に75日移動平均線を上回る水準で下値を切り上げている。東京ディズニーリゾート(TDR)は35周年記念イベントなどの開催が寄与する形で、入園者数は増勢が続いている。18年4~9月期は1550万人を超え、上期として過去最高を記録した。19年3月期営業利益について会社側は前期比3%増の1134億7000万円を見込むが上振れ濃厚との見方が市場では強まっている。海外市場や為替の影響などを受けにくい内需のレジャー関連で、好業績を拠りどころに国内外機関投資家によるハイテク株からの資金シフトなども誘導しているもよう。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,540円  +44 円 (+0.5%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が朝安後に買いが優勢となった。売買代金は東証1部上場銘柄のなかで断トツ。今週19日に同社の通信子会社ソフトバンク<9434>の新規上場を控えており、調達資金が約2兆6000億円という過去最大規模のIPOで、その成否がマーケットでも注目されている。一時、換金売りによる全体相場への下げ圧力も意識されたが、既に一巡している。そうしたなか、ソフトバンクグループについては、目先空売りポジションの巻き戻しが株価の値動きに反映されているようだ。

■日本CMK <6958>  701円  -150 円 (-17.6%) ストップ安   本日終値  東証1部 下落率3位

日本シイエムケイ<6958>がストップ安。前週末14日の取引終了後、製造工程に関する未承認変更が判明したと発表しており、これを嫌気した売りが出た。同社グループでは、製品の製造工程を変更する場合には、事前に納入先に対して、その変更にかかる承認申請を行うことが顧客との間で取り決められていたが、一部の顧客について承認申請を行わずに製造工程の変更を行っていたことが判明したという。なお、同件に関する製品については、同社の規定に従った検査を実施しており、品質に疑いを生じさせる具体的な問題は現時点で確認されていないとしている。

■西松屋チェーン <7545>  882円  -83 円 (-8.6%)  本日終値

西松屋チェーン<7545>は大幅続落で年初来安値を更新。前週末14日の取引終了後、19年2月期の単独業績予想について、売上高を1460億円から1398億500万円(前期比1.8%増)へ、営業利益を82億8300万円から49億9700万円(同27.1%減)へ、最終利益を57億700万円から33億3000万円(同30.1%減)へ下方修正したことが嫌気された。紙おむつ、ベビーフードなどの消耗品が好調に推移している一方、ベビー・マタニティ用品や子供衣料が伸び悩み、売上高が計画未達となる見通しであることが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(2月21日~11月20日)決算は、売上高1056億700万円(前年同期比0.2%減)、営業利益47億1300万円(同29.6%減)、最終利益30億9900万円(同33.2%減)だった。

■アスクル <2678>  2,720円  -188 円 (-6.5%)  本日終値

アスクル<2678>が急落し新安値。14日に発表された、第2四半期累計(5月21~11月20日)の連結営業利益は前年同期比55%減の10億2900万円と大きく落ち込み、19年5月通期計画の60億円(前期比43%増)に対する進捗率は17%にとどまったことが嫌気された。減益の主な要因には、大手配送会社からの段階的な値上げを受け入れた配送運賃の増加が挙げられている。下期については、基本配送料が無料となる注文金額の改定による販売単価の上昇と配送コスト低減策による増益を見込んでおり、通期計画は据え置いている。

■国際石油開発帝石 <1605>  1,116円  -19 円 (-1.7%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>が軟調なほか、JXTGホールディングス<5020>なども下値を探る展開。世界景気減速への懸念が高まるなか、原油市況も軟調な値動きで前週末のWTI原油先物価格は1ドル38セント安の1バレル=51ドル20セントと急反落した。原油価格に連動しやすい資源開発関連や石油元売り企業の株価に逆風となっている。

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