「バイオテクノロジー関連」が脚光浴びる、需給改善で個人投資家資金が再び集結<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「バイオテクノロジー関連」が4位にランクインしている。
8日の東京株式市場は日経平均が買い先行で始まったものの、前日の大幅高の反動もあって上値の重い展開にある。主力株の戻り足は鈍っているが、一方でマザーズなどの新興市場は上値指向が強く、その強調地合いを牽引しているのがバイオテクノロジー関連だ。
バイオ関連は再生医療分野や遺伝子治療薬及び核酸医薬分野などで、新しい動きが相次いでおり、株価の刺激材料に事欠かない。世界的な流れとしてメガファーマが、その資本力を生かし、有力な新薬開発の技術を有するバイオベンチャーとの資本提携やM&Aなどで業容を拡大するケースが増えている。希少疾患領域への経営資源シフトの動きも強まり、国内では、武田薬品工業<4502>がアイルランド製薬大手シャイアーの巨額買収に動いたことが話題となった。
個別銘柄に目を向けると、昨年のバイオ相場の象徴となったサンバイオ<4592>は脳神経再生細胞薬「SB623」への期待が株価を押し上げた。開発費負担が先行しており、同社の収益黒字化は4~5年後とみられているが、日米の潜在的な市場規模の大きさが“夢を買う”相場を作り上げた。これが、他のバイオ関連株にも資金を呼び込む導火線となった。サンバイオは年明けから上昇エンジンが再始動、上場来高値9880円の奪回から1万円大台も意識される段階に入っている。
また、きょうは昨年1年間にわたり下げ一辺倒だったそーせいグループ<4565>がアストラゼネカ社から1500万ドルのマイルストンを受領する見込みとなったことを好感し、ストップ高で大底離脱の動きをみせたことが、バイオ株人気を後押ししている。マイルストン対象のAZD4635はがん免疫療法候補薬で第2臨床試験開始前の段階だが、それでもそーせいはストップ高カイ気配に張りついており、好材料に敏感に反応する今の地合いを象徴する形となった。
昨年12月に日本株市場は米国株主導のリスク回避ムードから急速に下値を模索する格好となったが、特に新興市場の下げがきつかった。信用買い残が高水準だったバイオ関連株も投げ売りの対象となったが、売り玉が出切ったことで株式需給関係が大きく改善したことが大きい。国内ネット証券では「個人の信用取引の買い残高は昨年11月時点と比較して約15%程度低い水準にある」としており、当面は戻り売り圧力も限定的で値運びの速いバイオ関連株は物色ターゲットとして改めて脚光を浴びている。
目先的には薬物デリバリーシステムに強みを持つナノキャリア<4571>、医療用細胞シート開発のセルシード<7776>、間葉系幹細胞を使った「テムセル」で収益成長途上にあるJCRファーマ<4552>、重症虚血肢治療薬「コラテジェン」が早期承認見込みとなっているアンジェス<4563>、遺伝子解析を手掛けるジーエヌアイグループ<2160>、キナーゼ酵素の生産を手掛け、キナーゼ阻害剤による創薬分野にも展開するカルナバイオサイエンス<4572>なども注目となる。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)
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