今週の【早わかり株式市況】6週ぶり急反発・2万円回復、パウエルFRB議長発言で投資家心理改善
■今週の相場ポイント
1.日経平均は6週ぶりに急反発、2万円大台回復
2.良好な米雇用統計とパウエルFRB議長発言で投資家心理が急改善
3.米株高を受け日経平均は大きく切り返す
4.米中貿易摩擦の緩和期待や円高一服も上昇を後押し
5.世界景気の減速懸念が底流にあり上値重い
■週間 市場概況
今週の株式市場は、日経平均株価が前週末比797円(4.08%)高の2万0359円と6週ぶりに急反発し、2万円大台を回復して取引を終えた。良好な米雇用統計で米景気の減速懸念が後退したうえ、米連邦公開市場委員会(FRB)のパウエル議長が金融引き締めに慎重姿勢を示したことを受け、投資家心理が大きく改善して米株市場が急反発した。これを受け、日経平均も大きく切り返した。昨年12月にFRBによる利上げ継続方針が嫌気され米株が急落した経緯がある。また、米中貿易協議が進展したとの観測で貿易摩擦の緩和が期待されたほか、為替の円高一服も上昇相場を後押しする格好となった。ただ、中国をはじめとする世界景気の減速懸念が底流にあるだけに週後半は伸び悩んだ。
■来週のポイント
今週後半は上値が重かっただけに、来週は海外の重要イベントをにらみ2万円台固めのもみ合う展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される11月機械受注や18日朝に発表される12月全国消費者物価指数が注目される。海外では14日発表の中国12月貿易収支や15日に実施される英議会によるEU離脱案の採択、17日発表の米国12月住宅着工件数に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月7日~11日)
【↑】 1月 7日(月)―― 急反発、米株高に追随し2万円大台を回復
日経平均 20038.97( +477.01) 売買高14億2427万株 売買代金 2兆4634億円
【↑】 1月 8日(火)―― 続伸、米株高や円安を追い風に3週間ぶり高値
日経平均 20204.04( +165.07) 売買高15億5257万株 売買代金 2兆6752億円
【↑】 1月 9日(水)―― 3日続伸、米株高に加えアジア株上昇で買い継続
日経平均 20427.06( +223.02) 売買高13億0751万株 売買代金 2兆3104億円
【↓】 1月10日(木)―― 4日ぶり反落、米株高も円高進行で利益確定売り
日経平均 20163.80( -263.26) 売買高13億0892万株 売買代金 2兆2968億円
【↑】 1月11日(金)―― 反発、米株高や円安を追い風に買い優勢
日経平均 20359.70( +195.90) 売買高12億9595万株 売買代金 2兆5029億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が上昇
(2)コマツ <6301> など機械、商船三井 <9104> など海運、古河電 <5801> など非鉄といった景気敏感株が買い戻し急
(3)トヨタ <7203> など自動車、日立 <6501> など電機といった輸出株は大幅反発
(4)武田 <4502> など医薬、東電HD <9501> など電力・ガスといったディフェンシブ株の一角は堅調
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株も買われた
(6)原油高で国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株も上昇
(7)イオン <8267> など小売りが唯一下落したほか、味の素 <2802> など食品、大東建 <1878> など建設といった内需株は上値重い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 人工知能(AI) ─ 新年3大テーマ 2019年は“AI&バイオ”がマーケットを席巻 2(2) 5G(第5世代移動通信システム)
3(9) バイオテクノロジー ─ 「バイオテクノロジー関連」が脚光浴びる
4(3) キャッシュレス決済
5(4) 円高メリット
※カッコは前週の順位
株探ニュース