話題株ピックアップ【夕刊】(1):千代建、サイバダイン、安川電
■千代田化工建設 <6366> 344円 +51 円 (+17.4%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
千代田化工建設<6366>が急反騰。前日に出来高を急増させ大きく売り込まれたが、きょうは一段と活況商いのなか、その下げ幅を上回る急反発に転じ注目を集めている。米国のLNGプラント工事の遅れを背景とした追加費用計上で足もとの業績は低迷している。そのなか、前日はメディアを通じて総額1000億円規模の金融支援要請が伝わったが、増資に伴う株式価値の希薄化などが嫌気される形で売り優勢を余儀なくされた。しかし、経営再建に向けた前向きな材料とも捉えられ、一転してきょうは買い戻される展開に変わっている。信用取組は売り買い拮抗で信用倍率1.22倍と需給相場に発展する余地も内包している。
■CYBERDYNE <7779> 591円 +53 円 (+9.9%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が後場急伸。同社はきょう、自社で開発製造販売を行っている心電脈波検査装置 「VS-AS01」を用いた血管伸展性検査が公的な医療保険適用になったと発表。この製品は、脈波伝播速度を計測することで、動脈硬化を捉えるための動脈の伸展性を検査する装置。昨年12月には厚生労働省から医療機器としての製造販売承認を受けたことを明らかにしていた。
■安川電機 <6506> 3,015円 +152 円 (+5.3%) 本日終値
安川電機<6506>が反発。メカトロ製品のトップメーカーでモーションコントロールや産業ロボット分野で高い競争力を誇る。売り上げ依存比率の高い中国の景気減速による影響を受けており、今月10日に19年2月期の連結営業利益を従来計画の590億円から530億円に下方修正した。しかし、株価はその後戻り足を鮮明とした。きょうは前日に日本電産<6594>が中国での需要減を理由に19年3月期業績予想の大幅下方修正、株価を下落させたが、それを横目に堅調な値動きを続けている。トランプ米政権の姿勢変化で米中貿易摩擦の緩和期待が浮上しており、これが買い優勢の背景となっている。
■東京エレクトロン <8035> 14,155円 +520 円 (+3.8%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置関連株が堅調。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合指数ともに続伸したが、インテルやエヌビディア、ザイリンクスなど半導体セクターも総じて上値指向となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反発した。足もと外国為替市場でも1ドル=109円台前半の推移と円安傾向にあり、これをフォローの風に東京市場でも関連主力銘柄は買い戻しが優勢となった。
■インフォマート <2492> 1,139円 +38 円 (+3.5%) 本日終値
インフォマート<2492>が5日続伸。同社はきょう、「BtoBプラットフォーム請求書」が三桜工業<6584>に採用されたことを明らかにした。「BtoBプラットフォーム請求書」は、電子請求書のプラットフォームとして“発行する請求書”だけでなく、“受け取る請求書”や“支払金額の通知”など、さまざまな請求業務の電子化に対応可能なクラウドサービス。現在、全国約27社が利用している。
■コマツ <6301> 2,736.5円 +63.5 円 (+2.4%) 本日終値
コマツ<6301>、日立建機<6305>など建機株が上昇。前日の米国株市場ではトランプ米政権が対中関税の引き下げを検討していると伝わり、キャタピラーなど中国関連株が買われ全体指数に寄与した。米中貿易摩擦問題に対する懸念が後退していることで、東京市場でもキャタピラーに追随する形で両銘柄に買いが優勢となった。一方、前日に日本電産<6594>が中国での需要減少を理由に今期業績予想を大幅に下方修正しており、これを横目に建機株をはじめ中国関連株は当面神経質な展開を強いられる可能性がある。
■JCRファーマ <4552> 6,150円 +140 円 (+2.3%) 本日終値
JCRファーマ<4552>が10連騰と気を吐いているほか、サンバイオ<4592>、セルシード<7776>など再医療分野に展開するバイオベンチャーの上値追いが続いている。再生医療に関連する市場規模は金額ベースで2012年の2400億円から30年には5兆2000億円に20倍以上に拡大するとの試算を経済産業省は示している。関連企業も同分野への経営資源投入を急ぐ動きが強まっており、19年は商用化の段階に入る見通し。きょうは、北大と連携するバイオベンチャーのジーンテクノサイエンス<4584>が歯髄幹細胞を用いた再生医療事業を展開する企業を傘下に収めると発表し物色人気化したことも、再生医療関連銘柄全般の株価を刺激する格好となった。
■グローリー <6457> 2,690円 +61 円 (+2.3%) 本日終値
グローリー<6457>は反発。株価は昨年12月25日に、昨年来安値2322円で底打ちして以降、順調な反転上昇トレンドを継続。25日移動平均線に続いて、75日移動平均線の突破も視野に入ってきた。ただ、株価指標面では、PER13倍台、PBR0.8倍台と依然として割安水準にある。同社は昨年11月6日、第2四半期累計(4~9月)連結決算を発表した。売上高は1095億8700万円(前年同期比5.0%増)、経常利益は69億1300万円(同45.3%増)、純利益は38億2200万円(同87.3%増)の大幅増益となった。金融市場で「オープン出納システム」や、窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売が好調なことに加えて、流通・交通市場でコンビニエンスストア向け「レジつり銭機」や警備輸送市場向け「売上金入金機」の販売が順調に推移していることが業績向上を牽引している。
■任天堂 <7974> 33,850円 +700 円 (+2.1%) 本日終値
任天堂<7974>の戻り足が鮮明、きょうで5連騰となった。市場では「前週末発行のバロンズ誌で米アップルによる任天堂の買収をはやす記事が出ており、これが株価の刺激材料となっている可能性がある」(国内ネット証券)としている。足もとの業績も“ニンテンドースイッチ効果”で会社側の想定を上回る推移となっており、昨年の年末商戦好調も伝わるなか見直し機運が台頭している。ただ、「個人投資家はきょうは売り越しで、外資系ファンド筋の買い戻しなどが株価の戻りを後押ししているとみられる」(同)とも指摘されていた。
■日本郵船 <9101> 1,809円 +27 円 (+1.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>などをはじめ海運株の上昇が目立つ。トランプ米政権が対中関税の一部もしくはすべてについて引き下げを検討していると伝わったことが、米中貿易摩擦に対する懸念後退につながっている。中国景気の動向に海運セクターの業況も連動しやすいが、株価は足もとの実勢を織り込みつつ、今後の中国政府の経済対策に期待する流れとなった。為替の円高警戒感がひと頃よりも和らいでいることも、運賃ドル建て決済の海運業界にはプラス材料として意識されている。
株探ニュース