今週の【早わかり株式市況】3週続伸・1ヵ月ぶり高値、週末に海外短期筋の買い戻し膨らむ

市況
2019年1月26日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週続伸、週末大きく上値を伸ばし約1ヵ月ぶり高値に浮上

2.中国の経済指標に警戒感、市場参加者も少なく低調商いが続く

3.日銀の金融政策決定会合は織り込み済みで全体への影響は軽微

4.週半ばは上値の重さを意識する展開、ジリ安を強いられる

5.週末は海外短期筋の買い戻しが入り、半導体関連株など広範囲に買われムード一変

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比107円高(0.52%高)の2万0773円と3週連続で上昇、昨年12月19日以来約1ヵ月ぶりの高値水準に達した。

2月末を期限とする米中貿易交渉の行方が依然として不透明ななか、週明け21日は前週末に米国株市場が大幅高で4日続伸と強さを発揮したこともあって、その地合いを引き継ぐ形で日経平均は強調展開で始まった。しかし、中国の経済指標の発表を絡め買い手控えムードは拭い切れず、売買代金が2兆円を割り込むなど低調で株価も伸び悩む格好に。この“閑散商い”は今週のひとつのポイントで週後半まで継続することになる。

22~23日は日銀の金融政策決定会合が開催され、その結果金融政策は現状維持だったが、今回は3ヵ月に1回の展望リポート付きで物価見通しの引き下げが行われた。もっともこれらについては織り込み済みでインパクトに乏しく、市場参加者不足のなか22日火曜日から24日木曜日にかけて日経平均は上値の重い展開でジリ安を強いられた。

地合いに変化が出たのは週末の25日だ。24日の米国株市場では決算発表を契機に半導体関連が大きく買われる展開となったが、この流れが東京市場にも押し寄せ、東京エレクトロン <8035> やSUMCO <3436> などをはじめ半導体関連株が広範囲に買われて全体指数を押し上げた。先物を絡め海外ヘッジファンドの買い戻しが入り前日までの3日間で下げた分を1日で大きく上回り、日経平均は一時2万0800円台を回復。後半は手仕舞い売りに伸び悩んだものの昨年12月19日以来の高値圏に浮上し、昨年のクリスマスにかけて遭遇した暴落相場のトラウマは半分程度解消されたような結果オーライの着地となった。

■来週のポイント

来週は海外勢の買い戻しが続けば2万1000円台乗せが期待される。また、4-12月期決算発表が本格化するが、市場では業績減速は織り込み済みとの見方もあり、どう反応するか注目される。海外で相次ぐ重要イベントの動向次第では株価は大きく振れる可能性がある。

重要イベントとしては、国内では本格化する決算発表や31日朝に発表される12月鉱工業生産指数が注目される。海外では29日-30日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や29日の英議会によるEU離脱代替案採択のほか、30日発表の米国10-12月GDPや31日発表の中国1月製造業PMI、2月1日に発表される米国1月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(1月21日~1月25日)

【↑】   1月21日(月)―― 続伸、米株高や円安好感も上値の重い展開

日経平均 20719.33(  +53.26)  売買高11億2774万株 売買代金 1兆9432億円

【↓】   1月22日(火)―― 3日ぶり反落、手掛かり材料難で見送りムード

日経平均 20622.91(  -96.42)  売買高10億1093万株 売買代金 1兆7310億円

【↓】   1月23日(水)―― 小幅続落、米国株急落を受け買い手控えムード

日経平均 20593.72(  -29.19)  売買高11億5188万株 売買代金 1兆9222億円

【↓】   1月24日(木)―― 3日続落、企業決算発表の本格化を前に上値重い

日経平均 20574.63(  -19.09)  売買高11億4943万株 売買代金 1兆8897億円

【↑】   1月25日(金)―― 4日ぶり反発、海外勢の買い戻しで1ヵ月ぶり高値圏

日経平均 20773.56( +198.93)  売買高13億3094万株 売買代金 2兆2071億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、21業種が上昇

(2)スクリン <7735> 、東エレク <8035> など半導体・電子部品関連株に見直し買い

(3)商船三井 <9104> など海運、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株への買い続く

(4)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行株が上昇も

大和 <8601> など証券、芙蓉リース <8424> などその他金融、ソニーFH <8729> など保険は低調

(5)リクルート <6098> などサービス、ユニファミマ <8028> など小売りといった内需株は総じて軟調

(6)JR東日本 <9020> など陸運、東ガス <9531> など電力・ガスといったディフェンシブ株もさえない

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G(第5世代移動通信システム) ─ 官民を挙げて5G商用化に前進 

2(2) 人工知能(AI) ─ 立教大が国内初の“AI特化”大学院を開設へ

3(4) サイバーセキュリティ

4(3) バイオテクノロジー

5(6) 全固体電池

※カッコは前週の順位

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