今週の【早わかり株式市況】大幅続伸、米国株連動でリスク選好の地合い続く
■今週の相場ポイント
1.日経平均は大幅続伸、週初に大幅高演じリスク選好の流れに傾く
2.2万1000円大台を回復した後、2万1500円を突破する場面も
3.週末は初の調整となったが、利益確定売り圧力は弱く下げ幅も限定的
4.売買代金は低調で、19日と22日の2回にわたり2兆円台割り込む
5.東京市場は米国株連動だが、2月以降の上海総合指数の強さにも着目
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比524円高(2.51%高)の2万1425円と大幅に続伸した。
今週は米中貿易協議が進展することへの期待を底流にリスク選好の地合いが続いた。週明け18日(月)に日経平均は一時400円超の上昇をみせ、再び2万1000円大台に乗せ、週後半の21日(木)の取引時間中には次の心理的フシ目とみられていた2万1500円ラインを突破するなど強気相場に拍車がかかった。週末22日(金)こそ利益確定売りに押されたが、下げ幅は限定的であり、今が日経平均2万1000円台固めのタームにあることを印象付けた。もっとも今の東京株式市場に高揚感は乏しい。売買代金は19日(火)と週末に活況の目安とされる2兆円大台を割り込んだ。閑散相場のなか、指数だけが舞い上がった印象もある。今後は外国人が先物のショートカバーではなく、現物市場での買い越し転換がいつになるかに注目が集まる。
なお、今の日本株の上昇は、年初から一貫した上値指向をみせる米国株の強さに追随している要素が大きいことは間違いないが、それだけではない。米国と通商摩擦の只中にある中国の上海株市場が2月に入ってから急勾配の戻り相場に入っていることが大きな影響を与えている。実態が見えていないはずの米中貿易協議に対し、楽観的な観測が強いことに違和感を覚える投資家もいると思われるが、これは米中両国の株価動向が言わせている部分もある。したがって米国だけでなく、上海総合指数の動向も注視しておく必要がある。
■来週のポイント
来週は最大イベントである3月1日に交渉期限を迎える米中貿易協議の動向次第では相場が大きく動く可能性がある。
重要イベントとしては、国内では28日朝に発表される1月鉱工業生産指数や3月1日朝に発表される10-12月期法人企業統計調査が注目される。海外では米中貿易協議交渉のほか、27日に行われる英議会でのEU離脱協議方針の採択と米朝首脳会談、28日に発表される中国2月製造業PMIと米国10-12月期GDP、3月1日発表の米国2月ISM製造業景況指数などイベントが目白押しだ。
■日々の動き(2月18日~2月22日)
【↑】 2月18日(月)―― 急反騰、米株高に追随し一時400円強上昇
日経平均 21281.85( +381.22) 売買高11億9024万株 売買代金 2兆0425億円
【↑】 2月19日(火)―― 小幅続伸、朝安も下値抵抗力発揮しプラス圏着地
日経平均 21302.65( +20.80) 売買高10億6605万株 売買代金 1兆8570億円
【↑】 2月20日(水)―― 3日続伸、ドル高・円安追い風に買い継続
日経平均 21431.49( +128.84) 売買高11億6836万株 売買代金 2兆0922億円
【↑】 2月21日(木)―― 4日続伸、米中貿易摩擦の緩和期待で買い継続
日経平均 21464.23( +32.74) 売買高12億0320万株 売買代金 2兆2414億円
【↓】 2月22日(金)―― 5日ぶり反落、米株安で利益確定売り優勢
日経平均 21425.51( -38.72) 売買高 9億8867万株 売買代金 1兆8245億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種が上昇
(2)住友鉱 <5713> など非鉄、国際石開帝石 <1605> など鉱業といった資源関連が大幅高
(3)楽天 <4755> などサービス、JR東海 <9022> など陸運、JT <2914> など食品といった内需株が買われた
(4)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株も堅調
(5)大和 <8601> など証券、東京海上 <8766> など保険といった金融株も上昇
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(2) 人工知能(AI)
3(50) iPS細胞 ─── 再生医療の中核担うテクノロジーに光
4(4) バイオテクノロジー
5(3) キャッシュレス決済
※カッコは前週の順位
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