今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反落、世界景気の減速警戒でリスク回避強まる

市況
2019年3月9日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は4週ぶりに大幅反落、世界景気の減速警戒でリスク回避モード

2.週明けは前週末の余韻で強い地合いを継続したが、翌日から流れ変わる

3.ルネサスの工場停止がサプライズとなって、半導体関連中心に売り誘導

4.内閣府の景気判断引き下げや北朝鮮リスクも再燃し、全体相場の重荷に

5.週末は400円を超える急落で一時2万1000円台を割り込む場面も

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比577円安(2.67%安)の2万1025円と4週ぶりに大幅反落となった。

今週は週末にメジャーSQ算出を控え警戒感はあったものの、下値リスクはそれほど意識されていなかった。ところが実際は、米国株市場の後を追う格好で日経平均は下落基調となり、世界的な景気減速懸念が投資家心理を支配する形となりベアマーケットの様相を呈した。

週明けの4日(月)こそ前週末の地合いを引き継ぐ形で日経平均は上昇し、昨年10月高値から12月安値までの半値戻し水準である2万1700円台をクリアしたことから、マーケット心理も強気に傾いたかに見えた。しかし皮肉にも歯車の順回転はここで止まった。5日開幕した中国の全人代で今年の経済成長率目標が引き下げられたが、これ自体は事前に織り込まれており、事実、この日の上海株式市場は政府の経済対策期待で上値追いを継続した。しかし、日米株式市場は既に変調をきたしており、米国株安に追随する形で日本株も5日(火)以降、一貫して軟調な地合いを強いられた。SQ週の“魔の水曜日”である6日(水)は売買代金も2兆円割れ。7日(木)には内閣府が1月の景気動向指数の基調判断を引き下げたことで、買い手控えムードを助長。ルネサスエレクトロニクス <6723> の工場の生産停止もネガティブサプライズとなり、半導体関連株中心に大きくバランスを崩す銘柄が相次いだ。また、北朝鮮リスクも一部の防衛関連株を除き相場の重荷となった。

そして、週末8日(金)はSQ算出後に、待っていたかのような先物主導の売り攻勢で日経平均は400円を超える下げとなり、一時フシ目の2万1000円大台を割り込む場面もあった。ここまで強さをみせていた上海株も急落、中国を震源地とする日米欧を巻き込んだ世界景気減速シナリオが動き出したかにもみえる、先行き不安を残す週末となった。

■来週のポイント

来週は2万1000円大台を巡る攻防となりそうだ。ただ、中国を起点とした世界景気減速への警戒が強まっているだけに、2万1000円割れから下値を模索する展開となる可能性もある。

重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される1月機械受注や14日-15日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。海外では12日に実施される英議会のEU離脱協議方針の採択や14日に発表される中国2月鉱工業生産指数と米国1月新築住宅販売件数、15日発表の米国2月鉱工業生産指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月4日~3月8日)

【↑】   3月 4日(月)―― 続伸、米株高と円安受け約3ヵ月ぶりの高値水準

日経平均 21822.04( +219.35)  売買高11億2781万株 売買代金 2兆1536億円

【↓】   3月 5日(火)―― 3日ぶり反落、米株安でリスク回避の売り優勢

日経平均 21726.28(  -95.76)  売買高11億0642万株 売買代金 2兆0252億円

【↓】   3月 6日(水)―― 続落、米株安と中国経済への警戒感から買い手控え

日経平均 21596.81( -129.47)  売買高10億1677万株 売買代金 1兆9688億円

【↓】   3月 7日(木)―― 3日続落、米株安受けフシ目の2万1500円割れ

日経平均 21456.01( -140.80)  売買高12億5443万株 売買代金 2兆2475億円

【↓】   3月 8日(金)―― 急落、世界景気の減速懸念で一時2万1000円割れ

日経平均 21025.56( -430.45)  売買高16億7283万株 売買代金 2兆9252億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、30業種が下落

(2)郵船 <9101> など海運、三井金 <5706> など非鉄といった景気敏感株が売られた

(3)東京海上 <8766> など保険、みずほFG <8411> など銀行といった金融株が大幅安

(4)日産自 <7201> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株も軟調

(5)内需株はセブン&アイ <3382> など小売りが大きく売られたが、

三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運といったは下げ限定的

(6)日水 <1332> など水産・農林、JXTG <5020> など石油、HOYA <7741> など精密機器が辛うじて値を保つ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G ─── 最強テーマ「5G」「バイオ」「人材」で選出! 今が旬“急騰前夜5銘柄” 

2(2) バイオテクノロジー

3(3) 人工知能(AI)

4(4) キャッシュレス決済

5(88) ホテル ─── 10連休・ラグビーW杯・東京五輪と追い風強力 

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.