【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 春風相場の回復トレンドに乗る!
「春風相場の回復トレンドに乗る!」
●中国の景気浮揚策で投資家心理が改善
東京市場は「強い」という言葉を使うほど強烈高をしているわけではない。しかし、時々急反落したりするものの、すぐに反発、回復トレンドをキープしている。
これは素直に好評価できる展開だ。
米中貿易協議はまだ続いていて両国トップの会談は4月に先送りされる見通しであることに加え、英国のEU離脱問題もなかなか落としどころが分からない。
こんな状況にもかかわらず、東京市場だけでなく米国市場、そして上海市場も堅調な値動きになっている。
背景にあるのは、中国が全人代(全国人民代表大会)で打ち出した景気刺激策と見てよい。
中国は今年の目標経済成長率を6.0%~6.5%に引き下げたが、一方で、景気浮揚策も発表している。
その中身が、中国経済の失速を懸念している投資家にとっては安心感につながるものだった。もちろん100%安心させてくれるものではなく、50~70%程度ではあるが…。どんな内容だったか、振り返っておこう。柱になるのは、次の3項目だ。
(1) 2019年に2兆元(約33兆円)規模 の減税を実施する。
(2) 社会保険料を引き下げる。
(3) 大手国有銀行の中小向け融資を30%以上増やす。
以上であり、企業減税が中心で、税収の柱の増値税(付加価値税)を製造業で16%から13%に、公的年金保険料の企業負担分を18~20%から16%まで下げるとした。
●ビッグデータ関連株などに注目
企業減税が経済の成長に効果があることは、トランプ政権が実施した減税で実証済みであり、中国もそれに倣ったものと見てよい。金利引き下げや政府支出の増加などを行わなくても経済の失速が緩和されたり、浮揚に転じたりする可能性が高いことを実証しようとしているとも考えられる。
市場もそれに期待する動きに入っている。こう見るのが自然な状況となっているため、ここは引き続き春風相場に素直に乗っていきたい。
そこで注目銘柄は、まずは ビッグデータの分析、活用に強いブレインパッド <3655> 、そしてダブルスタンダード <3925> だ。ビッグデータの活用は今後ますます重要性が高まることを考えると、関連株としていずれも魅力的だ。
会計や販売管理などの業務ソフトに強いピー・シー・エー <9629> も、株価は高値圏ながらさらなる高値が見込める状況にある。Windows7からの切り換え需要による特需が発生している上に、勤怠管理ソフトも好需要が続いている。
主力製品の道路機械の受注が排ガス規制特需の剥落により減少していた酒井重工業 <6358> だが、インフラ投資に積極的な米国での販売が拡大中となっていることから、株は長期低迷を脱しそうだ。
私の大好きな銘柄も紹介させてもらうと、放送局、ホールなどの音響機器に強いヒビノ <2469> [JQ]、そしてラーメンチェーン「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングス <7554> がある。
2019年3月15日 記
株探ニュース