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2019年3月16日 19時30分
特集

発車ベルが鳴り響く! 最強テーマで選ぶ材料株「上昇特急10銘柄」 <株探トップ特集>

―懐疑の中で相場は崩壊せず、材料株“適温相場”で輝きを放つ5テーマ10銘柄―

●ハイボラティリティでも相場は崩れず

15日の東京株式市場はリスク選好ムードが再び強まり、主力株をはじめ広範囲に買い優勢に傾いた。しかし、まだ疑心暗鬼に囚われている投資家も少なくないだろう。海外ヘッジファンドなど短期筋が全体相場の流れを支配、CTAによるトレンドフォローの先物売買が日経平均のボラティリティを高め、特に2月中旬以降は上にも下にも不安定な地合いが続いている。国内機関投資家の決算対策売りなどが重荷となっているとの観測もあるが、一方で弱気論を振り撒きながら外国人投資家が買い戻しを急いでいるとの見方もある。日替わりで目まぐるしく地合いが変わり、AI取引の後を追って人間がそれらしく講釈を入れている、そんな相場である。

しかし、ひとつ言えることは強弱感が対立している相場は容易に崩壊しないという原理である。株価の上昇トレンド崩壊は、常に投資家のセンチメントが楽観のなかで爛熟の度合いを強めるプロセスで起こるものだ。「相場は懐疑の中で育つ」とはよく言ったもので、何処を向いても強気が闊歩するような環境より、半信半疑でやや及び腰の状態の方が、実は上昇相場にとって遥かに心地がよい。今は、外部環境を見渡す限り買い方が楽観に染まる要素には乏しく、だからこそ全体相場はバランスを保っているという見方もできる。

●有力5テーマで次の“特急銘柄”を探す

“閑散に売りなし”というが、薄商いで適度にブレーキの利いた相場は長続きする。そして、それは材料株人気の地合いを担保するものでもある。現在、東京市場で投資資金を引き寄せる強力なテーマがいくつかあるが、そのテーマごとに際立った上昇パフォーマンスを上げる銘柄が出てくると一気にその誘引力が増す。5Gやバイオ関連人気は、ひと頃のアンリツ <6754> やアンジェス <4563> [東証M]が象徴株の役割を担った。裏を返せば、投資戦略上の心得として、大商いのなかで値を飛ばす“特急銘柄”が登場しているテーマを探すという作業は非常に有効といってよい。

今回は殿堂入りともいえる投資テーマ「 5G 」と「 バイオ 」のほか、ここから人気素地を再び開花させそうな有力テーマとして、「サイバーセキュリティー」、「 量子コンピューター 」、「キャッシュレス決済」の3つを加え、それぞれのテーマから2銘柄ずつ、新たな“特急候補”計10銘柄を厳選した。

その1<5G>

【理経は新波動入り、アンリツ向けに部品供給】

理経 <8226> [東証2]は要マークだ。2月に入ってから直近までの1ヵ月半にわたり強力な下値切り上げ波動を形成しているが、こうした動きはここ数年来見られなかった。今後株価の居どころを大きく変える可能性がある。IT機器商社で電子通信機器関連に強く、ドローン防衛関連分野、更に人工知能(AI)分野のシステムにも長じている。次世代通信規格5Gでは同規格に対応したMIMOアナライザーのメンテナンスで実績があるが、更に見逃せないのは同テーマのシンボルストックであるアンリツとの絡みだ。「当社はマイクロ波通信関連の部品を取り扱っており、アンリツなどをはじめ複数の通信関連機器メーカーに部品を販売している」(会社側)という事実。業績は19年3月期に営業損益の黒字化が見込まれ、20年3月期も続伸見通しと回復色を強める見込み。トップラインは既に18年3月期に23%増、19年3月期も19%増予想と急回復トレンドにある。<急騰性4・中長期的上値余地4>

【精工技研は光コネクターで5G需要取り込む】

精工技研 <6834> [JQ]は2月中旬に大きく上放れ、踊り場を形成した後に大勢2段上げの色を強めている。株価は既に17年6月の高値2375円を上回り、戻り売り圧力のない実質青空圏を舞い上がる局面にある。同社は金型技術を得意とし、光関連部品やセンサーなどを製造している。5G関連では、光コネクターが海外で光通信インフラに絡む旺盛な需要を捉え始めている。また、5G対応の光電界センサーを開発済み。会社側では「(光電界センサーは)5Gの基地局アンテナの性能をテストするための装置で、足もとは光コネクターのような収益への貢献はないが、今後5Gインフラが進む過程で、国内外での需要発現に期待している」という。19年3月期の営業利益は前期比45%増の13億5000万円と高変化を見込むが、第3四半期までの進捗率から更に上方修正される公算が大きい。<急騰性4・中長期的上値余地4>

その2<バイオテクノロジー

【ラクオリア創薬は真空地帯で大相場の気配】

ラクオリア創薬 <4579> [JQG]は流動性が高く、なおかつ値運びも軽いバイオ関連株として要マークだ。2月に入ってから大きく株価の居どころを変えているものの、滞留出来高の多い1500~1700円どころを既に上抜いており大相場の気配を漂わせる。疼痛疾患分野に強みを持つ創薬ベンチャーで、前身はファイザー日本法人の中央研究所。新規開発化合物の知的財産導出により収益を得る。消化器系の開発ラインアップが充実しているほか、動物薬にも注力。胃食道逆流症治療薬「テゴプラザン」や犬の変形性関節症を改善する「ガリプラント」などが株価の評価材料として注目度が高い。19年12月期は初の営業黒字化が見込まれている。昨年1月下旬に3320円の上場来高値をつけている。時価2000円未満はかなりの値ごろ感がある。<急騰性5・中長期的上値余地3>

【カイオムは自社開発品を成長ドライバーに】

カイオム・バイオサイエンス <4583> [東証M]は値運びこそ地味ながら、もみ合い圏離脱の動きを見せ始めている。理研発のバイオベンチャーで独自技術である「アドリブシステム」を使った抗体医薬品の研究開発で優位性を持ち、中外製薬 <4519> を主要取引先に創薬支援 を手掛ける。昨年10月にはストップ高で351円の戻り高値を形成、この時は小野薬品工業 <4528> との創薬支援を目的とした追加業務委受託の契約締結が材料となった。このほか協和発酵キリン <4151> や田辺三菱製薬 <4508> とも契約を結んでいる。会社側では「創薬支援を収益基盤に今後の成長ドライバーとして新薬開発(自社開発)にも力を入れている」とし、そのなかで、がん治療用抗体の2020年の臨床を目指す状況にある。「抗体作製技術をはじめ当社が有する統合的な技術は、創薬支援及び新薬開発いずれの分野においても強みを発揮できることが特長」(会社側)としており、アドリブシステムにとどまらない同社の将来性を示唆している。<急騰性3・中長期的上値余地5>

その3<サイバーセキュリティー

【ソリトンはサイバー防御のスペシャリスト】

ソリトンシステムズ <3040> は今月11日を境に切り返しが鮮明だ。2月の戻り高値水準を既に上回り、昨年8月以来7ヵ月ぶりとなる1100円台に突入、ここから13週・26週移動平均線のゴールデンクロス示現も予想され、戻り足が加速する可能性がある。同社はセキュリティー対策ソフトやシステム開発などを展開し、その独自技術に定評がある。サイバー犯罪による個人情報漏洩が深刻化するなか、同社は防御する側のスペシャリストとして存在感を高めている。サイバー攻撃を受けてしまった場合に、そのインシデントによる組織へのダメージを可能な限り最小化する「CSIRT」体制の構築・運用支援サービスを開始。なお、「建機の遠隔操作でコマツ <6301> 、自動運転分野では豊田通商 <8015> と5G対応の同社独自の映像伝送技術で連携している」(会社側)としており、これも強力な評価材料となる。業績は好調で、19年12月期最終利益は前期比2.7倍の高変化を見込む。<急騰性4・中長期的上値余地5>

【SIGはセキュリティーの守備範囲広い】

SIG <4386> [JQ]の700円近辺は買い場となっている可能性が高い。官公庁向けを主力にシステム開発を展開し、15年3月期以降大幅増益基調を継続。また、セキュリティー分野で極めて高い実力を持っている点が特長。サイバーセキュリティーでは、顧客の課題に総括的に対応するセキュリティーコンサルをはじめ、セキュリティー監視サービス、マルウェア解析サービス、このほか指紋認証ソリューションなどにも幅広く展開している。昨年12月末に1株を3株にする株式分割を実施、分割後は値動きが鈍いようにもみえるが、信用買い残などをみても需給面に重さはなく、いったん見直し買いに火がつけば時価総額50億円未満の小型株だけに一気に株価ポジションが切り上がりそうだ。<急騰性3・中長期的上値余地4>

その4< 量子コンピューター

【ユビキタスAIは抜群の快足発揮も】

ユビキタス AIコーポレーション <3858> [JQ]は年初から上下に荒い値動きをみせているが、週足ベースでみれば三角もち合いが煮詰まった状態で、700円台は仕込み場と判断される。動き出した時の足の速さは群を抜いている。同社はネットワーク対応の組み込みソフト開発を手掛け、IoT関連分野のソリューションに強い。米オンボード・セキュリティ社と公開鍵暗号技術(NTRU)の国内販売総代理店契約を締結しており、そのなかで、量子コンピューターによる解析を防ぐ暗号化技術の展開を強化している。現状は量子コンピューターに関する商用案件は国内では立ち上がっていないものの、近い将来に市場が形成される公算は大きい。同社ではこの耐量子コンピューター暗号化技術だけでなく、「機が熟せば量子コンピューター関連製品の輸入販売で商機を捉えることも念頭に置いている」(会社側)としている。<急騰性5・中長期的上値余地3>

【フィックスターズは量子アニーリング大本命】

フィックスターズ <3687> は再浮上のタイミングが近づいている。1月15日にマドを開けて買われた後、1200円台を下限ゾーンとするボックス相場を形成しているが、休養十分で早晩2月5日の戻り高値1470円奪回に動き出す公算が大きい。世界で初めて量子コンピューターの商用化に成功したカナダのDウェーブ社と提携関係にあり、各種アニーリングマシンを活用して量子コンピューター導入支援ビジネスを展開する同分野の本命企業だ。アニーリングマシンを普及させるために、共通ソフトウェアの開発にも力を入れている。業績面でも自動運転分野などを軸に、企業向け高速化ソリューションビジネスが好調、19年9月期営業利益は前期比7%増の11億7300万円を見込むが上方修正含みだ。<急騰性3・中長期的上値余地5>

その5<キャッシュレス決済

【ウェルネットはコンビニ決済代行で活躍本番】

ウェルネット <2428> は1000円トビ台で売り物をこなす展開だが、75日移動平均線を足場に再浮上のタイミングが近い。日足一目均衡表でも雲の上で推移し、ここでの株価保ち合い局面は買いに分がある。コンビニなどでの代金決済や収納代行を手掛け高いシェアを誇るが、政府主導のキャッシュレス化の流れは同社の収益機会拡大につながる。少子高齢化が進む日本にとって構造的に回避しにくい人手不足の問題は、インフラ面からキャッシュレス化の進展を担保するものであり、中長期的なテーマとなり得る。同社の業績は、足もとこそ注力する「バスもり!」や「支払秘書」などの先行投資負担が収益の重荷となっているが、20年6月期以降は回収期に入り、業績は再び成長軌道を取り戻しそうだ。<急騰性3・中長期的上値余地3>

【電算システムは楽天との連携で新境地開拓】

電算システム <3630> は3000円ラインを軸としたもみ合いにあるが、次の上昇ステージに向けて期待が大きい。情報処理・システム開発を手掛けるほか、払込票決済などコンビニでの収納代行でも高いシェアを有している。直近では2月下旬に、楽天銀行アプリで提供する「楽天銀行コンビニ支払サービス」による収納代行サービス導入を発表し株価を急動意させたが、今月8日には大阪市が同サービスを導入したことを発表するなど、株価の刺激材料に事欠かない。トップラインの伸びが顕著で19年12月期で連続10期にわたる増収を達成する見込み。営業利益も16年12月期以降増益基調を継続。今月6日に上場来高値3240円をつけ、その後は調整を入れているが、早晩最高値圏に再突入しそうだ。<急騰性4・中長期的上値余地3>

◇最強テーマで選ぶ「上昇特急10銘柄」◇

銘柄 <コード>       急騰性  中長期的上値余地

ウェルネット <2428>    ☆☆☆   ◆◆◆

ソリトン <3040>      ☆☆☆☆  ◆◆◆◆◆

電算システム <3630>    ☆☆☆☆  ◆◆◆

フィックスターズ <3687>  ☆☆☆   ◆◆◆◆◆

ユビキタスAI <3858>   ☆☆☆☆☆ ◆◆◆

SIG <4386>       ☆☆☆   ◆◆◆◆

ラクオリア創薬 <4579>   ☆☆☆☆☆ ◆◆◆

カイオム <4583>      ☆☆☆   ◆◆◆◆◆

精工技研 <6834>      ☆☆☆☆  ◆◆◆◆

理経 <8226>        ☆☆☆☆  ◆◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中長期的上値余地は◆が多いほど大きい

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