いったんディフェンシブ系にシフト/オープニングコメント

市況
2019年4月10日 8時29分

10日の日本株市場は海外株安の流れを受けて、利食い優勢の展開になろう。9日の米国市場ではNYダウが190ドル安と下落した。トランプ政権が、欧州連合(EU)による航空機大手エアバスに対する補助金を巡る対抗措置として、関税措置を検討していることが報じられ、米欧の貿易摩擦が強まるとの懸念が嫌気された。また、国際通貨基金(IMF)は、米国と中国の貿易摩擦の影響などから、今年の世界経済の成長見通しをこれまでの年率3.5%から3.3%に引き下げたことも嫌気されている。これを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の21615円。円相場は1ドル111円10銭台と円高に振れて推移している。

この流れからインデックス売買中心に、主力大型株には売りが先行することになりそうだ。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>やファナック<6954>などが、日経平均の重石になろう。また、ゴールドマンサックスが半導体メモリー市場の悲観的な見通しを示していることから、半導体関連株なども手掛けづらくなり、景気敏感株への売りに対して、ディフェンシブ系に資金が向かいやすくなると考えられる。

日経平均は足元でもち合いレンジ(21000-21800円)上限レベルでの底堅さが意識されていたが、景気敏感株への利食い優勢の展開により、上値の重さが意識されることになろう。もっとも、週初に200日線レベルに迫る局面で利食い売りに跳ね返されていたこともあり、下値を売り込む流れにはなり難いと考えられる。出来高も低水準である他、何より10連休前で積極的なポジション取りはなく、底堅い値動きながらもポジションがロングに傾いていることはないだろう。

そのため、指値状況が薄い中でインデックスに絡んだ売買に振らされやすいものの、売り一巡後は次第に底堅さも意識されてくると考えられる。また、午後は日銀のETF買い入れによる思惑も高まりやすいだろう。その他、米中通商協議については、トランプ米大統領は「4週間のうちに」といった見解を示しており、月内合意の可能性は低い。英国のEU離脱についてメイ首相は、10日の首脳会談で再び、6月30日までの延期を要請する考えである。再延期ともなれば警戒されていた日本の10連休中の波乱懸念が若干和らぐ格好となるため、売り方にとってはポジション圧縮が迫られる局面もあるだろう。

物色としては、短期的な値幅取り狙いとはいえ、決算のほかバイオ関連や新札関連、5G関連などへの物色が活発であり、目先は個人主体の材料株物色が継続しやすいだろう。

《AK》

提供:フィスコ

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