絶好調の20年3月期【連続最高益】リスト〔第1弾〕 33社選出 <成長株特集>

特集
2019年5月23日 20時16分

3月期決算企業の本決算発表がほぼ出そろった。本特集では、20年3月期に経常利益が連続で過去最高益を更新する見通しを示している銘柄にスポットライトを当てた(5月23日現在)。最高益更新の連続期数が多い銘柄は、利益を創出する競争力の強い商品やサービスを持つ企業が多く、今後も利益成長による最高益更新が期待される。

下表では、時価総額1500億円以上の3月期決算企業を対象に、20年3月期の経常利益が4期以上連続で最高益更新を見込み、かつ同利益が前期と比べて3%以上伸びる見通しを示している33社を選び出し、「増益率が大きい」→「最高益の連続期数が多い」順に記した。

増益率トップとなったのは産業ガス国内トップの大陽日酸 <4091> 。同社は頭打ち状態の国内市場から成長余地の大きい海外市場へ軸足を移し、事業規模を拡大させている。20年3月期は昨年12月に米プラクスエアから買収した欧州ガス事業と今年2月に産業ガス大手の独リンデから買収した米HyCO事業が通期寄与し、経常利益は前期比39.3%増の865億円と5期連続で最高益を更新する見通しだ。この2件の大型買収を踏まえ、2月に中期経営計画の21年3月期売上高目標を従来の8000億円から9100億円に上方修正した。長期経営ビジョンで掲げる売上高1兆円突破を目前に捉えている。

2位に入ったアズワン <7476> は研究用理化学機器のカタログ販売を主力とし、産業機器や病院・介護用品も取り扱う総合商社。足もとでは自社の電子カタログを顧客購買システムに直接組み込むeコマース型集中購買サービスが絶好調だ。20年3月期も成長分野のeコマース事業の拡大などで、経常利益は4期連続の最高益更新を見込む。同社は配当性向50%を目標としており、今期配当は前期比26円増の167円と9期連続増配を計画する。好決算を背景に株価は青空圏を走る展開となっている。

3位はパソナグループ <2168> 子会社で福利厚生代行サービスを展開するベネフィット・ワン <2412> 。福利厚生代行サービスは働き方改革の進展を追い風に会員数の増加が続いている。20年3月期は主力事業との連携強化で健康診断や保健指導の運営を代行するヘルスケア事業の収益も拡大し、9期連続で経常最高益を更新する見通しだ。

4位の寿スピリッツ <2222> は前期に引き続き今期も空港免税エリアでの販売や海外展開に重点を置く。事業別では出店拡大やブランド認知度の向上で好調が続く洋菓子店「シュクレイ」が収益を牽引する形で、経常利益は5期連続の最高益更新を目指す。5位に入った中古住宅の買い取り・再販で最大手のカチタス <8919> は空き家問題に対する国家施策の後押しを背景に、今期も中古住宅販売件数の2ケタ伸長を維持する。

最高益連続期数の多い銘柄に目を向けると、エムスリー <2413> が19期連続でトップ、次に16期連続のエスエムエス <2175> 、14期連続のカカクコム <2371> と続く。エムスリーの20年3月期は前期に実施した積極的な先行投資の効果で、主力の製薬会社向けマーケティング支援サービスの成長が再加速する。また、医師・薬剤師向け転職支援や海外事業も拡大し、今期も2ケタ増収増益を継続する計画だ。

エスエムエスは深刻な人手不足が続く介護職向け人材紹介の好調が継続するほか、看護師などの医療向け人材紹介も伸び、キャリア分野の売上高は前期比26%も増える見通しだ。また、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」も会員数の増加を背景に成長を続ける。

カカクコムは食べログ部門で従量料金が発生する“新料金プラン”の導入企業が拡大するうえ、求人情報サイト「求人ボックス」の高成長継続を見込む。今期はオフィス増床費用が発生する予定だが増収効果で吸収し、経常利益の最高益と増配の連続期数を14に伸ばす。

選出リストでは、人手不足を背景とする旺盛なシステム投資需要の追い風を受けるITサービス関連が目立つ。上場来高値圏を快走するオービック <4684> を筆頭に、システナ <2317> 、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> 、SCSK <9719> 、日鉄ソリューションズ <2327> 、TIS <3626> といずれの株価も全体軟調相場に逆行し、頑強な動きを続けている。

※26日(日)19時30分に、時価総額時価総額400億円以上1500億円未満の銘柄を対象とする「絶好調の20年3月期【連続最高益】リスト〔第2弾〕」の配信を予定しています。併せてご覧ください。

┌─── 経常利益 ───┐  最高益  予想

コード 銘柄名     増益率 20年3月期 19年3月期 連続期数  PER

<4091> 大陽日酸    39.3   86500   62083    5  16.0

<7476> アズワン    17.7   9120   7751    4  27.7

<2412> ベネ・ワン   17.4   9050   7707    9  54.2

<2222> 寿スピリッツ  16.4   7000   6012    5  38.2

<8919> カチタス    15.5   10094   8740    5  22.2

<2175> エスエムエス  14.6   6854   5979   16  42.5

<4974> タカラバイオ  13.9   6450   5665   10  64.8

<2317> システナ    13.7   7622   6706    5  30.1

<2413> エムスリー   13.1   35000   30942   19  67.1

<7564> ワークマン   10.5   16300   14755    5  39.9

<8088> 岩谷産     10.2   33000   29952    5   8.7

<2269> 明治HD     9.3  109000   99709    7  17.4

<2181> パーソルHD   9.1   48000   43982    7  19.7

<4739> CTC      8.9   39500   36286    4  23.5

<2127> 日本M&A    7.7   13500   12533   10  52.3

<8830> 住友不      7.7  220000  204257    7  14.0

<4684> オービック    7.6   45100   41927    8  36.8

<9616> 共立メンテ    7.5   15400   14321    8  21.6

<2371> カカクコム    6.7   26500   24839   14  26.9

<8111> ゴルドウイン   6.3   13800   12982    7  38.2

<2531> 宝HLD     6.2   19500   18359    4  25.0

<9719> SCSK     6.1   41000   38650    9  19.0

<2327> NSSOL    5.4   27500   26103    6  16.9

<6436> アマノ      5.0   16900   16090    5  19.4

<3626> TIS      4.9   40500   38603    5  16.9

<1925> 大和ハウス    4.6  376000  359462    9   8.7

<6750> エレコム     4.4   12600   12074    7  17.7

<6005> 三浦工      3.9   17800   17130    6  29.2

<4206> アイカ      3.5   22000   21249    8  17.3

<7701> 島津       3.4   47000   45462    7  23.7

<7575> 日本ライフL   3.3   11167   10808    4  18.1

<8439> 東京センチュ   3.1   89000   86337   11   9.2

<2201> 森永       3.0   21400   20767    5  17.3

※経常利益の単位は百万円。2018年1月以降に上場した企業は除いた。

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