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2019年5月18日 19時30分
特集

令和相場“反撃のシナリオ”、爆速上昇!「AI」隠れ有望株5銘柄 <株探トップ特集>

―ブレインパッドに続く出世株を探せ、株価を突き動かす恐るべき成長力の源泉―

人工知能(AI)はさまざまな形であらゆる産業にリンクし、時に融合してイノベーションを巻き起こす。これはもはや常識ともいえるが、実際にAIがその存在感を高めたのはほんの数年前のことである。

人間の感性とはアナログ的な知力の集成ながら奥が深く、推論をいかに積み重ねてもたどり着けぬ領域に直感の一撃を持って鮮やかに到達することを可能とする。例えばこれは運に左右されない「完全情報ゲーム」である将棋や囲碁で、人間のトップが演算能力ではケタ違いのAIに決して負けないという現実が裏付けていた。しかし、それも幻想に過ぎなかったことが数年前に証明されている。

2016年3月、当時囲碁のトップ棋士だった韓国のイ・セドル氏に圧勝したのはグーグル傘下のディープマインド社が開発した「アルファ碁」だ。この時を境に歴史は大きく動き出した。そしてAIの進化スピードは人間の理解をはるかに超える。人類を震撼させたアルファ碁は自己完結型の学習を経て、更にレベルアップを果たし、わずか数日後にはイ・セドル氏に完勝したときの「自分」を歯牙にもかけない強さを身につけた。当然のごとく、その後も“光速の進化”を続けるわけだが、AIにとってのライバルはあくまでAIであるという構図が鮮明となり、完全情報ゲームにおける人間という競争相手は、もはや記憶の片隅にも形を残さない何光年も後方の忘れ去られたメルクマールに過ぎなくなっている。

●AIを制するものが世界を制する

この事実はAIが持つ恐るべきキャパシティーと、それを扱う人間サイドの主導権争いが今後激しさを増すことを強烈に暗示している。ロシアのプーチン大統領がいみじくも述べた「AIを制するものが世界を制す」という言葉は、警鐘を鳴らすという本来の意図に反し、皮肉にも世界が怒涛のAI開発競争に向かう号砲ともなった。

世界を舞台に、国を代表するような大資本企業や国家自らがAI分野での主導権争いで鎬(しのぎ)を削っている。国際間ではAI大国ナンバーワンの座を死守しようとする米国と、それを抜き去らんとする中国の間で熾烈な争いが繰り広げられており、これが両国間で先鋭化の一途をたどるハイテク摩擦の本質といってもよい。

巨大資本のグローバルIT企業、いわゆるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に代表されるプラットフォーマーが、AIという魔法の杖を手にして影響力を一段と大きくしている。後塵を拝している日本も官民を挙げてこの流れにキャッチアップしていく必要に迫られているのはいうまでもない。

●動き出す日本政府、色褪せることのない究極テーマ

日本政府はAI人材を年間25万人育成する計画を公表、民間企業の間でもデジタル人材の争奪合戦となっており、昨年までの直近2年間でAI関連の中途採用の求人需要は3倍に激増したという。また、10兆円ファンドの別称を持つ「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で世界のスタートアップに投資するソフトバンクグループ <9984> は「AI群戦略」を前面に押し出し、AI関連への資本投下を加速させている。今期はビジョン・ファンドを通じて行った画像処理半導体大手エヌビディアへの出資で4500億円という巨額の評価損を計上したが、これ以外で積極的に投資した未上場のAI関連ベンチャー企業の価値増大がその損失を相殺した。まさに金の卵とはこのことを言う、AI恐るべし、である。

最近ではAIの思考プロセスのブラックボックス化が懸念されるなか、根拠が見えやすい「X.AI(エクスプレイナブルAI=説明可能な人工知能)」など人間に優しいAIや、画像生成分野などを中心にAI同士が切磋琢磨して創造性を獲得し“教師なし学習”でレベルアップを図る「GAN(敵対的生成ネットワーク)」などが注目されている。しかし、これらもまたAIが我々の想像を超えた進化を遂げる過程での一里塚に過ぎない。

株式市場でも、AIは投資テーマとして色褪せることなく投資マネーを誘導し続けることは必至だ。時流を捉えるべくAI分野へ積極的に資本投下する企業も増えてきた。裏を返せば、今の東京市場はAI関連として現時点では見落とされている出世株の宝庫ともいえる。これは投資家にとってチャンスだ。

●ブレインパッドが切り開いた黄金ロード

今週の株式市場では、何といってもAI関連の代表的銘柄に位置付けられるブレインパッド <3655> のパフォーマンスが圧巻だった。全体地合い悪のなか貸株注意喚起をものともしない鮮烈な上げ足はマーケット関係者の耳目を驚かせた。17日は大幅高で6連騰と最高値街道をまい進、9000円大台ラインも突破した。同社はAIを活用したビッグデータ分析などアナリティクス事業を手掛け、案件の大型化や長期化が収益変貌をもたらしている。5月10日に発表した19年6月期第3四半期の営業利益は8億9100万円と前年同期比で倍増、これを受け通期見通しも7億5000万~9億円の従来予想から11億3000万円(前期比93.5%増)に大幅上方修正したことが急騰劇の発端だ。市場では「AI分野に傾注している企業で、現時点でこれだけ収益を伸ばしている企業は珍しく、M&A戦略による事業基盤の拡大で更なる飛躍を目指していることが、投資マネーの琴線に触れた」(国内ネット証券アナリスト)としている。

このブレインパッドに続く銘柄が夏場にかけて、数多く輩出される可能性をマーケットは感じ取っている。今回は新たな上値の可能性を内包し、静かに輝きを放ち始めたAI関連の隠れ有望株を5銘柄エントリー。令和相場はスタートラインでつまずいたものの、本領発揮はこれからであろう。次代を担うAIをテーマに描き出される反撃のシナリオに夏相場を託したい。

●ここから要注目のAI隠れ有望株はこれだ

【都築電はAI・IoTへの全社的注力で成長加速】

都築電気 <8157> [東証2]は極めて上値指向が強く、ここから一段の水準訂正余地を内包している。5月に入り、7日と13日の2回にわたりマドを開けて買われ、令和相場で最強のパフォーマンスを演じた銘柄として投資家の記憶に刻まれそうだ。

富士通グループに属し情報ネットワークソリューションサービスを展開する同社は、企業のIT投資需要を取り込み業績拡大路線をまい進している。19年3月期営業利益は前の期比31%増の33億1800万円と急拡大、20年3月期は伸び率こそ鈍化するものの前期比6%増の35億円と利益成長を継続する見込み。株主還元にも前向きで19年3月期年間配当は前の期比10円増配の39円と大幅増配し、配当利回りは3.5%を超える。更に、8倍前後のPERと0.6倍台のPBRは株価指標面から注目で、マーケットの視線が集まるほどにその割安感が際立つ。今から約30年前につけた2309円(分割修正後株価)の最高値奪回を視野に入れた壮大な上昇相場も現実味を帯びそうだ。

AIとIoT、エッジコンピューティングに経営の重心を置く方針を同社社長が明確に言及しており、これが埋もれていた成長期待を一気に引き出した。同社が高齢化社会の到来を見据えて力を入れる介護分野では、「今はまだ実証実験段階だが、富士通の『ロボットAIプラットフォーム』と協業する形で需要を開拓していく計画」(会社側)としている。このほか「RPA分野に注力するほか、生産設備のスマート監視システムなど広義のAI関連分野の展開を強化していく」(同)との方針を示している。

【C&R社はAI関連子会社の展開力に期待大】

クリーク・アンド・リバー社 <4763> は75日移動平均線をサポートラインに1200円近辺でもみ合っているが、早晩ここを上放れる公算が大きい。4月17日につけた年初来高値1395円を通過点に上値追い態勢を強めそうだ。

同社は映像や出版分野のコンテンツ制作代行を主力とし、テレビ番組やウェブコンテンツ、ゲームなどのクリエイター派遣や請負で安定的な需要を捉えている。クリエイティブ分野の人材ニーズは旺盛であり、中期的に収益成長トレンドが加速する余地は大きい。19年2月期はトップラインが2ケタ伸長したものの、グループ拠点の移転・集約コスト、人員コスト増、新規事業への先行投資負担などが反映され減益決算となった。しかし、20年2月期についてはクリエイティブ分野が牽引する形で利益も急回復が見込まれ、会社側では営業利益段階で前期比5割増の23億5000万円を予想している。

AI分野に経営資源を投下し事業育成に傾注する構えをみせている。同社のプロフェッサー事業部ではAIなど最先端の研究に従事する学生や研究者のスタートアップ支援(起業支援)を本格的に開始している。また、昨年1月にAI関連子会社のアイドラシスを設立しており、「台湾のAIベンチャー、インツミット社が手掛けるチャットボットの独占販売代理店契約を皮切りに、同子会社を通じてAI分野の案件を獲得していく方針。足もとは投資負担が先行しているものの、(AI関連事業は)当社の中期的な成長を担う部門として期待が大きい」(会社側)としている。

【シグマクシスはAIのノウハウが成長エンジンに】

シグマクシス <6088> は年初から一貫して下値切り上げ波動を継続、約1年半ぶりとなる13週・26週移動平均線のゴールデンクロスを4月に示現しており、時価は中期上昇波動の入り口と判断される。業績は16年3月期以降大幅増収増益路線をひた走る展開で、19年3月期最終利益は前の期比46%増と急拡大、20年3月期も16%増益と2ケタ成長を継続する見通し。高成長期待を背景に見直し買いが進めば、昨年4月につけた高値2388円奪回も決して高すぎるハードルとはいえない。

同社は戦略立案から開発・実行に至るまでワンストップで対応できる強みを有する経営コンサルティング会社で、AIを活用したデジタルサービスで優位性を持つことからAI関連の有力株として早くからマーケットでも認知されてきた。

コンサルティング業務は秘密保持契約のもとで進められるためAIが具体的にどういう形で関わっているかは公表できないものも多いようだが、会社側が開示しているものではドキュメント自動入力プラットフォームの「ディープシグマDPA」がある。会社側によれば「文書の自動作成の際に、これまではOCR(画像読み取りシステム)で行うにしても、最終的には人間が手を入れる必要があった。『ディープシグマDPA』はAIが人間の作業を代行し精度が高い仕上がりを可能とする。大量の文書を扱う金融機関向けなどで高いニーズが見込まれ、潜在需要は大きい」と期待を示す。メガバンクなどでは厳しい収益環境のもと人的コストをいかに抑えるかが課題となっているだけに、同社にとって同商品をはじめとするAI分野のノウハウは強力な成長エンジンとなりそうだ。

【サイバネットはAI搭載の診断ソフトで脚光】

サイバネットシステム <4312> は足が軽く、上値への期待が膨らんでいる。同社は電子回路などの実験ソフトを主力に手掛けており、富士ソフト傘下でAI・セキュリティー分野の製品開発に戦略的に資金を投入している。株価は19年12月期第1四半期(1-3月)の決算発表を受け9日にストップ高に買われ、10日に上ヒゲをつけていったん調整を入れたが、600円台は本格上昇トレンド突入に向けた踊り場となる可能性が高い。

同社がAI分野で注力しているのはマシーンラーニングを利用した内視鏡診断支援システム「エンドブレイン」だ。「同ソフトは17年2月に特許を取得し、昨年12月に薬機法(医薬品医療機器等法)承認を受けた。これはAIを活用して内視鏡を大腸ポリープに接触させるだけでポリープの病理を高精度に予測するもので、オリンパス <7733> が開発した超拡大内視鏡『エンドサイト』が撮影した高精細画像と連携させる。販売元はオリックスで3月初旬から販売開始、当社にとっても今後の業績に反映される可能性が高く期待している」(会社側)としている。AI診断に対する注目度は高いが、サイバネットが開発した製品はその先駆けといえるもので、株式市場で今後脚光を浴びる公算が大きい。

足もとの業績も絶好調だ。主力のCAEソリューション事業はライセンス販売が好調、ITソリューション事業ではセキュリティー関連が収益に貢献し、1~3月期はトップラインが2ケタ伸長、本業のもうけを示す営業利益は6億6400万円と前年同期実績から3.7倍に急拡大した。今12月通期の営業利益見通しは15億2000万円を計画するが大幅に上振れする可能性が意識されている。

【キューブシステムはデジタル人材育成で頭角】

キューブシステム <2335> の800円台前半は上放れ前夜とみられる。時価は5日・25日・75日移動平均線が収れんする水準にあり動意含み。加えて日足一目均衡表の雲抜けから前方は晴れ間が広がっており、上値追いに勢いがつく可能性がある。

同社はシステム開発やデータベースの構築を手掛け、銀行などの金融業界やスーパーなど流通小売業界、通信キャリア向けなどで高い受注実績を持つ。企業の旺盛なIT投資需要を背景に、とりわけニーズの高いRPAクラウドサービスといった成長分野への注力で時流を捉えている。19年3月期営業利益は前の期比14%増の9億7300万円と好調、20年3月期も前期比12%増の10億9000万円と連続2ケタ増益で初の10億円台に乗せる見込み。中期成長力を考慮すれば時価予想PER16倍は割安といえ、株価は早晩4ケタ大台を地相場とする展開に移行しよう。

AI関連ビジネスでは提携戦略を足場に業容拡大を図っており、昨年8月にAI・IoTベンチャーで世界屈指の囲碁AI開発でも知られるトリプルアイズ(東京都千代田区)と資本・業務提携を締結している。これについて会社側では「(トリプルアイズとの協業により)AIに対応したデジタル人材の育成を行っているほか、AIを取り入れたシステム構築で旺盛な顧客ニーズを取り込んでいく方針。現在、実績を積んでいる状況で、今期以降、提携による業績への貢献が見込まれる」としている。デジタル人材の不足はAI普及のアキレス腱ともされており、同社の戦略が株式市場で認知されれば株価の居どころは変わりそうだ。

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