話題株ピックアップ【夕刊】(2):ベクトル、ラクス、ファストリ
■ベクトル <6058> 1,055円 +17 円 (+1.6%) 本日終値
ベクトル<6058>は続伸。この日の午前中、ソニーネットワークコミュニケーションズ(東京都品川区)と合弁会社「SoVeC(ソベック)」を設立し、人工知能(AI)を活用した動画自動作成エンジンを提供すると発表しており、これを好感した買いが入った。SoVeCの設立は、ソニーグループの技術を活用した先進的なサービス事業における知見と、ベクトルグループのコミュニケーション戦略実行力を活用し、「テクノロジーの力でコミュニケーションを進化させる」のが狙い。第1弾として提供するAIを活用した動画自動作成エンジンは、動画制作の専門的な知識を必要とせず、手間なく簡単にハイクオリティな動画コンテンツを生成することができるのが特徴。多くのコンテンツを抱えるメディアや、動画でのタイムリーな情報発信が必要なシーンをはじめとして、幅広い用途での利用が見込まれるとしている。
■ラクス <3923> 2,784円 +41 円 (+1.5%) 本日終値
ラクス<3923>が大幅続伸し上場来高値を更新。前週末の14日取引終了後に発表した5月度月次全社売上高が前年同月比31.6%増と4月の29.9%増から引き続き高成長を維持していることが好感された。なかでも、成長のけん引役である「楽楽精算」の5月売上高は同59.3%増の高水準となっている。
■光通信 <9435> 23,210円 +330 円 (+1.4%) 本日終値
ここ、東京株式市場では光通信<9435>が大株主に入っている銘柄に物色の矛先が向いており、市場関係者の間でも話題になっている。きょうは光通信が第3位株主の日本テレホン<9425>がストップ高、第4位株主に入っているフリービット<3843>が大幅高となった。両銘柄については資本提携や好決算発表などの好材料が買いを誘導している形だが、それ以前から既に株価は動意含みだった。また、きょうはイーレックス<9517>やエムティーアイ<9438>、オリコン<4800>など同様に光通信を上位株主に擁する銘柄に物色の矛先が向いている。このほか商いは薄いもののアクトコール<6064>や幼児活動研究会<2152>、巴工業<6309>なども同関連株に位置付けられる。
■ファーストリテイリング <9983> 66,930円 +870 円 (+1.3%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が上場来高値を更新した。同社株1銘柄で前引け間際に、日経平均に30円程度プラス寄与しており、足もと日経平均の上昇幅を上回る押し上げ効果をもたらしている。市場では「6月から日本事業のCEOに初の女性起用が報じられ、これが株価を刺激した面もないとはいえないが、実態は指数売買の影響が大きそうだ。きょうは半導体関連が売られるなか、アルゴリズム売買を通じ全体のボラティリティを低める方向で日経平均寄与度の高い同社株に買いが入っている」(国内ネット証券アナリスト)という声が聞かれた。
■日本郵船 <9101> 1,598円 +10 円 (+0.6%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運株が買い優勢の展開。前週はホルムズ海峡付近でのタンカー攻撃の報道が嫌気材料となって海運セクターは値を下げる銘柄が目立ったが、やや思惑先行の売りで、きょうは空売り筋のショートカバーが先行している。中国景気の先行き不透明感は重荷ながら、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も前週末14日は5営業日ぶりに反発しており、これもプラスに働いた。
■ジャパンディスプレイ <6740> 53円 -4 円 (-7.0%) 本日終値 東証1部 下落率7位
ジャパンディスプレイ<6740>が3日続落。この日の寄り前、出資を予定していた台湾・中国の3社企業連合のうち、台湾のTPKホールディングス(出資予定額2億3000万ドル)から出資見送りの通知を受けたと発表しており、これを嫌気した売りが出た。また、残り2社のうち台湾CGLグループ(同1億3000万ドル)からは現時点で内部の機関決定の内容の通知を受けていないほか、中国ハーベスト・テック・インベストメント・マネジメントは出資予定額を1億9000万ドルから2億ドルに変更したうえで、27日までに出資の実行に必要とされる内部の機関決定に諮るとの報告を受けたとした。更に、新たな出資予定候補として、香港オアシス・マネジメントから、1億5000万ドルの出資について、27日までに出資の実行に必要とされる内部の機関決定に諮るとの報告を受けたとしている。
■ペッパーフードサービス <3053> 1,891円 -66 円 (-3.4%) 本日終値
ペッパーフードサービス<3053>は3日続落。前週末14日の取引終了後、米ナスダック取引所における米国預託証券(ADR)の上場廃止を申請したと発表しており、これが売り材料視された。同社は18年9月にナスダック市場にADR上場したが、米国事業の苦戦とADR取引高の伸び悩みを受けて、上場継続の経済合理性が低下したと判断したという。また、同社は同日、5月度の売上高を発表したが、主力の「いきなり!ステーキ」の既存店売上高は前年同月比26.6%減と14カ月連続で前年実績を下回っており、これも嫌気されているようだ。
■東京エレクトロン <8035> 14,265円 -365 円 (-2.5%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>なども大幅下落となるなど半導体製造装置の下げが際立っている。前週末の米国株市場では中国の低調な経済指標が半導体市況の回復を遅らせるとの思惑を呼び、半導体セクターが大きく売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2.6%の下げとなった。東京市場でもこれに追随する動きとなっている。
■キーエンス <6861> 61,970円 -970 円 (-1.5%) 本日終値
キーエンス<6861>、安川電機<6506>、ダイフク<6383>、SMC<6273>など設備投資関連株に総じて売りがかさんでいる。前週14日に中国国家統計局から発表された5月の鉱工業生産や都市部固定資産投資など重要経済指標が軒並み事前の市場コンセンサスを下回ったことで、米国株市場ではハイテクなど世界景気に敏感なセクターに売りがかさんだ。東京市場でも中国向け売上依存比率高いFA関連セクターは業績先行きに対する警戒感からポジションを軽くする動きが顕在化している。
株探ニュース