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2019年6月20日 19時30分
特集

「高齢ドライバー事故対策」、走り出した関連株を追え <株探トップ特集>

―自動車用品販売店や逆走対策技術を有する企業群に評価機運高まる―

高齢ドライバーによる交通事故が社会問題になっている。東京・池袋で今年4月に母子が死亡した事故や、福岡市で6月4日に起きた交差点突入事故など死亡事故が相次いだことから、その対策が急務となっている。

こうした高齢ドライバーによる事故多発を重視し、東京都の小池百合子知事は6月11日、アクセルとブレーキを踏み間違えた際に急発進を防ぐ装置の取り付け費用を9割程度補助する方針を表明。これを受けて、株式市場ではオートウェーブ <2666> [JQ]やバッファロー <3352> [JQ]、カーメイト <7297> [JQ]などが急動意したが、今後政府の対策強化などで息の長いテーマとなる可能性が高く、落ち着きを取り戻した関連銘柄には改めて注目が必要となろう。

●新免許制度創設の動き加速

高齢ドライバーによる事故への対策を求める世論を受けて、政府も新しい運転免許の創設に動き出している。伝えられたところによると、新免許制度では75歳以上を対象に、自動ブレーキなどの安全機能が付いた車種のみ運転できるようにする方針だという。

警察庁の「運転免許統計 平成30年版」によると、2018年末の75歳以上の高齢ドライバーは18年末で563万8309人を数え、ドライバー全体の6.8%に達する。一方、免許人口10万人当たりの75歳以上の高齢者による死亡事故件数は18年では8.2件で、10年前の08年の13.5件から減少しているが、死亡事故件数では08年の410件から460件に増加している。今後、社会の高齢化が更に進展することを考慮すると、新たな制度が必要となるのもうなずけよう。

新免許制度は、早ければ20年以降にも実現される見通しとされる。ただ、義務付けを見送り、選択制を軸にする方針とされ、新たな制度がすぐに事故の抑制につながるかどうかは、まだ課題が多いといえそうだ。

●「後付け」で先行するトヨタ

こうした行政側の対策が進められる一方、自動車メーカーでも高齢ドライバーの事故防止に向けた動きを加速させている。

トヨタ自動車 <7203> は5月29日、アクセルとブレーキの踏み間違いなどによる事故を防ぐ後付けシステムの対象車種を、19年内に従来の5車種から12車種に拡大すると発表した。同社では、後付けの安全システム「踏み間違い加速抑制システム」をデンソー <6902> と開発し、18年12月から販売しているが、同システムは車につけたセンサーが前後にある3メートル以内にある障害物を検知するとブザー音を鳴らす。その状態でアクセルを強く踏み込むと加速を抑える。また、後退時は障害物を検知していなくても、約時速5キロメートル以上の強さでアクセルを踏むと加速を抑えるようになっている。

同様のシステムは同業他社でも新車への搭載が進むが、完成車メーカーとして後付けで販売するのは他社に先駆けてのこと。ただ、当然ながら他メーカー車へは対応していないことから、メーカーに左右されない後付けの装置が注目されている。

●オートバックスは「ペダルの見張り番」好調

後付け装置は、カー用品店などがオリジナル商品として販売しており、完成車メーカーのものに比べて機能は限定的となるが「春先以降、売り場における問い合わせが急増している。高齢者というよりは、その家族とみられる人からの問い合わせが多い」(大手カー用品店売り場担当者)と、足もとで関心が高まっているようだ。

オートバックスセブン <9832> は、急発進防止装置「ペダルの見張り番」を販売している。停止時や徐行時において、アクセルペダルが急激に踏み込まれた際に車両側の車速信号とブレーキ信号を検知し、アクセル開度を電気的に制御してキャンセルすることで急発進を抑制する装置で、取り付け工賃を含め3万円台で販売している。「今年1月に発売した高機能モデルも合わせた数字で、『ペダルの見張り番』は4月度で前年比約14倍、5月度で前年比約26倍の売れ行きとなっている。6月に入ってからも引き続き多くの問い合わせがある」(IR・広報部)としており、同社だけではなく、フランチャイジーであるバッファローなどの業績への貢献が期待されている。

同じようなシステムは業界2位のイエローハット <9882> を含めてカー用品販売各社で売られており、同様に販売状況は良好なもよう。イエローハットのフランチャイジーであるホットマン <3190> [JQ]、前述のカーメイトなどでも販売増による恩恵を受けよう。

●逆走事故にも注目

また、高齢ドライバーによる事故に関しては、交通事故と並んで逆走問題も報道などで取り上げられやすく、要注目だろう。

アスカネット <2438> [東証M]は、東日本・中日本・西日本高速道路が行った逆走対策技術の公募で、同社らが提案した「空中浮遊映像表示による逆走警告」が、実道検証技術として選定された28社の一つに残った。17年から18年に行われた実道での検証の結果、実用の域に達していないとして最終的な選定には至らなかったが、同社のエアリアルイメージング技術の応用の一つとして注目されている。

一方、同公募事業で、逆走対策として有効と認められた18件の一つに選定されたセフテック <7464> [JQ]の技術は、マイクロ波センサーを用い、対象車両の距離、角度、速度を解析して逆走車両を検知し、逆走車両と順行車両に対する注意を喚起するシステム。表示部及び現地に合わせた仕様の検討が必要とされたが選定されており、今後の展開が期待されている。

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