話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本オラクル、村田製、東エレク
■日本オラクル <4716> 8,500円 +630 円 (+8.0%) 本日終値
日本オラクル <4716> が3日続伸。6月28日大引け後に発表した19年5月期の経常利益(非連結)が前の期比11.3%増の622億円に伸び、8期連続で過去最高益を更新したことが買い材料視された。データ利活用や業務効率化ニーズが高まるなか、クラウド関連の大型案件を複数獲得するなど、クラウド&ライセンス部門が2ケタ増収を達成したことが寄与。併せて、従来未定としていた前期の期末一括配当を136円実施(前の期は121円)する方針としたことも好感された。なお、20年5月期の業績見通しと配当予想は開示しなかった。
■ゲオホールディングス <2681> 1,473円 +93 円 (+6.7%) 本日終値
28日、ゲオホールディングス <2681> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.51%にあたる154万株(金額で20億2000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月1日から20年3月24日まで。
■JBR <2453> 1,518円 +88 円 (+6.2%) 本日終値
ジャパンベストレスキューシステム<2453>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろ、クレディセゾン<8253>が発行するセゾンカード・UCカード会員向けに、7月1日から生活サポートサービス「くらしセゾン」の提供を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同サービスは、月額利用料金300円(税抜)で水回りのトラブルやカギのトラブル、ガラスのトラブルなどの生活トラブルサポートや、ハウスクリーニングサービス、家事代行サービスなどの家事サポートサービスを会員価格で提供するもの。JBRでは、約2700万人のセゾンカード・UCカード会員に、生活サポートサービスの提供を行うことで、新規顧客の拡大を見込んでいるとしている。なお、同件による19年9月期業績予想には変更はないとしている。
■村田製作所 <6981> 5,080円 +240 円 (+5.0%) 本日終値
村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>など電子部品株が軒並み人気となった。6月29日に行われた米中首脳会談ではトランプ米大統領が対中追加関税の見送りのほか、中国ファーウェイとの取引禁止措置の緩和を表明、これが東京市場でもハイテクセクターにポジティブに働いている。ここ電子部品メーカーの株価は戻り歩調をみせていたが、中国向けスマートフォンのデバイス需要減退に歯止めがかかるとの思惑から、関連銘柄には買い戻しが加速した。
■オプトホールディング <2389> 1,765円 +81 円 (+4.8%) 本日終値
オプトホールディング<2389>が続伸。午前10時ごろ、韓国子会社のeMFORCE社について、保有する全株式をデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(東京都渋谷区)に譲渡すると発表。これに伴い、特別利益を計上すると発表したことが好感された。譲渡価額は7億7400万円で、19年12月期第2四半期において約2億2200万円の特別利益を計上するとしている。なお、今回の株式譲渡により、eMFORCE社はオプトHDの連結の範囲から除外される。
■東京エレクトロン <8035> 15,840円 +720 円 (+4.8%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株が一斉高に買われた。G20大阪サミット2日目に行われた米中首脳会談では、両国が貿易協議の再開で合意、トランプ米大統領は中国に対する追加制裁関税第4弾を見送ることを表明したほか、中国通信機器大手ファーウェイとの取引禁止措置を一部緩和することも示した。貿易摩擦の余波で中国経済が停滞色を強め半導体市況も改善が遅れるとの見方があったが、その懸念が足もと後退し、半導体設備投資意欲の回復に期待した買いや空売り筋の買い戻しを呼び込んでいる。
■日本セラミック <6929> 3,020円 +132 円 (+4.6%) 本日終値
28日、日本セラミック <6929> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.37%にあたる10万株(金額で3億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月1日から7月31日まで。
■ゼンリン <9474> 1,979円 +77 円 (+4.1%) 本日終値
ゼンリン<9474>が反発。6月28日の取引終了後、JR九州<9142>及びイームズロボティクス(福島県福島市)と共同で、準天頂衛星「みちびき」を利用して空のインフラ構築に向けたドローンによる効率的な空域利用の実証実験を行い、従来のGPSよりも空域の有効活用の可能性を見出すことに成功したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の取り組みは、内閣府による実証実験の公募に基づき実施されたもので、熊本県阿蘇郡南阿蘇村のJR立野駅周辺で実施された。飛行ログによると、みちびきの最大誤差は2.40メートルで、GPSの最大誤差3.00メートルに比べて誤差が小さく、正確かつ安定して飛行していたことが確認でき、空域の有効活用の可能性を見出すことができたとしている。
■アルゴグラフィックス <7595> 2,468円 +95 円 (+4.0%) 本日終値
アルゴグラフィックス<7595>が切り返し急。きょうは85円高の2458円まで買われ、分割修正後高値2572円を視界に入れる展開。同社はCAD・CAMシステムの販売を手掛けSCSK<9719>が筆頭株主。自動車向けを中心に3次元CADシステムが好調で収益を牽引している。自動車向けはコネクテッドカーなどIoT化の流れも同社の商機獲得を後押ししており、中期成長期待も強い。19年3月期の営業3割増益に続き、20年3月期も増益基調は確保される見通し。
■キーエンス <6861> 68,520円 +2,390 円 (+3.6%) 本日終値
キーエンス<6861>が2400円弱の上昇をみせ、一気に6万8000円台半ばに歩を進めたほか、ファナック<6954>、安川電機<6506>、ダイフク<6383>など設備投資関連株の上昇が目を引く。きょうは米中首脳会談の結果を好感する形で東京市場は全面高に買われているが、特にトランプ米大統領が中国通信機器大手ファーウェイに対する制裁措置の緩和に言及、これが中国関連株への買いを誘導している。スマートフォン向けデバイスを納入する電子部品メーカーが象徴的に買われたほか、中国の省人化投資需要を捉えるFA関連株の物色人気も盛り上がった。
株探ニュース