今週の【早わかり株式市況】年初来高値更新、米中貿易協議の部分合意で買い戻し膨らむ
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週連続で上昇、週間では700円近い大幅高となった。
2.米中貿易協議が部分合意に至ったことで空売り筋の買い戻しを誘発
3.日経平均は4月の年初来高値を更新し、10ヵ月ぶり高値圏に浮上
4.米企業の業績に対する期待感や為替市場の円安基調も追い風材料に
5.週末は一時200円近い上昇をみせるも後場上げ幅を縮小する展開
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比693円(3.18%)高の2万2492円と大幅に続伸した。
空売り筋の踏み上げにより想定外の上昇がもたらされた週だった。3連休明けとなった15日に日経平均は先物を絡めた買いで大きく押し上げられ、これがリスクオン相場を象徴する形となり翌16日に年初来高値を更新、約10ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。
15日(火)は前週末の11日まで開催された米中閣僚級貿易協議で部分合意に至り、対中追加関税が先送りとなったことを好感した買いが勢いを増した。米中協議前に先物に空売りをかけていた筋のショートカバーが全体の上げ足を加速させ、日経平均は400円を超える上昇をみせた。16日(水)は米企業業績への期待感や為替の円安進行も味方してリスク選好の流れが続き、日経平均は4営業日続伸。4月につけた2万2307円の年初来高値(終値ベース)を大幅に上回り、昨年12月以来の高値圏に浮上した。17日(木)は前日までの大幅高で目先筋の利益確定の売りも出て上昇一服。ただ、下げ幅はわずか21円にとどまった。18日(金)は中国政府の景気テコ入れ思惑などを背景に日経平均が一時200円近く上昇する場面もあった。ただ、週末ということもあり、後場は手仕舞い売りが表面化し上げ幅を縮小、結局40円高で着地している。
■来週のポイント
来週はここ2週間で1100円近く上昇しているだけにスピード調整する可能性がある。ただ、過熱感があまりなく地合いも強いことから下値は限られそうだ。
重要イベントとしては、国内では21日朝に発表される9月貿易統計が注目される。25日からは19年9月中間期の決算発表が本格化する。なお、22日は「即位礼正殿の儀」で祝日となる。海外では24日に発表されるECBの政策金利や米国9月新築住宅販売件数に注視が必要だろう。そのほか、本格化している米企業の7-9月期決算にも注目したい。
■日々の動き(10月15日~10月18日)
【↑】 10月15日(火)―― 大幅に3日続伸、米中対立懸念の後退で買い優勢
日経平均 22207.21( +408.34) 売買高12億8408万株 売買代金 2兆3125億円
【↑】 10月16日(水)―― 4日続伸、米株高と円安で年初来高値を更新
日経平均 22472.92( +265.71) 売買高14億2731万株 売買代金 2兆4997億円
【↓】 10月17日(木)―― 4日ぶり小反落、前日までの上昇の反動が顕在化
日経平均 22451.86( -21.06) 売買高11億1478万株 売買代金 1兆9233億円
【↑】 10月18日(金)―― 小反発、半導体・電子部品が買われ年初来高値
日経平均 22492.68( +40.82) 売買高10億8228万株 売買代金 1兆9968億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、27業種が上昇
(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が2週連続で業種別上昇率トップ
(3)東海カ <5301> などガラス・土石、SUMCO <3436> など金属製品も大幅続伸
(4)ソニー <6758> など電機、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株が買われた
(5)金融株は第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、クレセゾン <8253> などその他金融株が上昇も
大和 <8601> 、松井 <8628> など証券株はさえない
(6)内需株はまちまち
鹿島 <1812> など建設、菱地所 <8802> など不動産、ファストリ <9983> など小売り株は堅調も
NTT <9432> など情報・通信、JR東日本 <9020> など陸運株は低調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(8) 台風対策
2(48) 水害対策 ── 台風19号による甚大な被害で課題が浮き彫りに
3(22) 防災
4(2) 5G
5(65) 復興関連 ── 相次ぐ自然災害で建設関連に資金向かう
※カッコは前週の順位
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