利益成長【青天井】銘柄リスト〔6-8月期〕 25社選出 <成長株特集>
2月期決算企業を中心とする6-8月期(3ヵ月決算)の決算発表が先週までに出そろった。本特集では、6-8月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が"青天井"状況になっている銘柄にスポットライトを当てた(10月24日現在)。
下表では、本決算月にかかわらず、19年6-8月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している25社を選び出し、6-8月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったSHIFT <3697> の19年6-8月期(第4四半期)は経常利益が6.5億円に拡大し、過去最高だった直前の3-5月期実績を60.4%も上回って着地。主力のソフトウェアテスト業務で保険業界やSAP関連などの新規顧客開拓が進んだうえ、稼働率の向上や販管費の抑制も利益を押し上げた。あわせて発表した20年8月期の経常利益は前期比55.4%増の24億円と3期連続の最高益更新を見込む。
2位に入った北の達人コーポレーション <2930> の6-8月期(第2四半期)は針状に固めた美容成分を直接肌に刺す“刺す化粧品”シリーズが大ヒットし、売上高が前年同期比30.6%増の26.6億円、経常利益は同67.1%増の8.3億円といずれも四半期ベースの過去最高を達成した。収益源となる定期購入客数が集客体制の強化によって堅調に推移しており、安定成長につながっている。
3位にリスト入りしたのは、店舗メンテナンス業界トップのシンメンテホールディングス <6086> [東証M]。6-8月期(第2四半期)はサービス対象業界の拡大に取り組むなか、サービス店舗数とメンテナンスの種類が増加した。また、原価低減を進めたことも奏功し、経常利益は過去最高だった前年同期を36.5%上回る3.4億円に膨らんだ。
4位に入ったパイプドHD <3919> の6-8月期(第2四半期)は業務効率化ニーズの高まりを追い風に、主力のデータ管理プラットフォーム「スパイラル」のアカウント数が増加したうえ、アフィリエイトASP一括管理サービスが好調だった広告事業の収益も大きく伸びた。今期の経常利益は前期比3.1倍の11.9億円と3期ぶりの最高益を狙うが、上期(3-8月)はほぼ計画通りの着地となり、順調な進捗をみせている。
5位の技研製作所 <6289> は防災・減災対策需要の拡大を背景に、主力の杭圧入引抜機の販売が伸び、6-8月期(第4四半期)経常利益は前年同期比28.3%増の35.2億円に伸びて着地。圧入工事では自然災害が多発するなか、災害復旧工事や防災・減災工事で同社のインプラント工法の採用が拡大している。政府が注力する国土強靱化政策の恩恵を受ける企業として成長期待は大きい。
8位のストライク <6196> は事業承継ニーズを中心にM&A市場が拡大するなか、M&A仲介業務で大型案件の成約が好調だったうえ、成約単価が上昇し、6-8月期(第4四半期)の経常利益は5四半期ぶりに過去最高益を更新した。続く20年8月期は豊富な案件状況を背景に成約件数を伸ばし、経常利益は前期比18.4%増の22.3億円と6期連続で最高益を更新する見通しだ。
競争が激化しているドラッグストアでは、売上高で業界トップを争うツルハホールディングス <3391> とウエルシアホールディングス <3141> が選出リストの13位と14位に並んだ。ツルハHDの6-8月期(第1四半期)は食品売場を中心に既存店改装を進めるなか、食品、医薬品、日用雑貨、化粧品がいずれも前年比プラスを達成した。
一方のウエルシアは、調剤薬局の併設を進めたことで利益率の高い調剤売上高が増えた。また、化粧品専門店MASAYAの買収効果なども寄与し、6-8月期(第2四半期)の経常利益は四半期ベースで初の100億円大台乗せを達成した。株価は24日に約1年ぶりとなる上場来高値更新を果たしている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 6-8月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3697> SHIFT 60.4 656 409 55.4 2400 1544 66.4
<2930> 北の達人 51.4 837 553 45.2 2703 1861 48.5
<6086> シンメンテ 36.5 344 252 15.2 742 644 18.3
<3919> パイプドHD 30.7 336 257 37.7 1190 864 17.7
<6289> 技研製 28.3 3528 2750 2.1 6900 6761 21.9
<8028> ファミマ 22.5 25665 20959 15.6 60000 51888 29.1
<6199> セラク 21.8 296 243 5.8 780 737 22.4
<6196> ストライク 20.5 689 572 18.4 2237 1889 42.5
<9716> 乃村工芸社 20.4 4036 3352 0.6 9400 9341 23.9
<4397> チムスピ 18.5 96 81 0.4 245 244 243
<3201> ニッケ 17.5 3686 3137 9.6 10000 9128 12.1
<4714> リソー教育 10.8 1400 1264 18.1 3000 2540 34.3
<3391> ツルハHD 10.5 12868 11645 4.4 45200 43313 22.5
<3141> ウエルシア 9.1 10812 9912 13.0 35600 31500 33.3
<3547> 串カツ田中 9.0 255 234 5.3 740 703 49.7
<9787> イオンディラ 7.7 4833 4487 16.3 18000 15472 17.2
<3990> UUUM 5.8 420 397 11.5 1390 1247 102
<9602> 東宝 5.1 18467 17578 0.8 52000 51562 24.1
<3073> DDHD 4.3 947 908 29.9 2900 2232 19.6
<3546> アレンザHD 3.1 1121 1087 80.9 3500 1935 11.4
<3915> テラスカイ 2.6 197 192 79.7 548 305 34.8
<3382> セブン&アイ 2.2 114425 111959 2.0 414500 406523 17.8
<3543> コメダ 0.7 1969 1956 3.9 7753 7461 18.3
<9974> ベルク 0.6 3123 3105 1.4 10513 10370 15.4
<4577> ダイト 0.5 1392 1385 2.3 4750 4641 12.0
※ 2018年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース