【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 好悪の材料セットが演出する株高!
「好悪の材料セットが演出する株高!」
●日経平均、3ヵ月連続陽線の可能性は大
さて、11月だ。2019年相場もあと2ヵ月足らずとなってきた。日経平均株価は、9~10月と2ヵ月連続で月足チャートが陽線となった。こうなると「もちろん11月も」となるのだが、この点どうだろうか。
常に市場にはあれこれとネガティブ材料があり、3ヵ月続けて上昇するとみるのは楽観的過ぎるということになろう。
しかし、そうなる可能性は高いとみてよい。これまでも繰り返し述べてきたように、いまは好悪の材料がセットになって株高を演出しているような状況だからだ。
まずは、米中貿易戦争だ。両国は近く首脳会談を開催、第1弾の合意が実現するとの見通しながら、トランプ米大統領が中国に要求している農産物の大量購入、特に大豆の購入を巡って、中国は二の足を踏んでいるという見方が一般的だ。豚コレラの発生で、飼料となる大豆をさほど必要としなくなりそうだからだ。
こんなこともあり、首脳会談が予定通り第1弾の合意に至るかどうかはっきりしないのが実際だ。こういった材料があっては、先行きの見通しを立てにくく、経済が失速する恐れがある。こうなるため、株は上がりにくい。
だが、このような観測は、私にいわせると逆だ。上述のような不安定要因があるため、経済の減速を恐れる各国中央銀行は目下、競うようにして政策金利を引き下げている。
下げる可能性を示唆しながら、下げない日銀は例外的な存在となっており、驚いたことにFRBは3回連続で引き下げた。
正直、米国経済が失速中とは思えないのだが、パウエル議長は予防的措置としてFOMC開催ごとに引き下げている(もっと下げろと要求するトランプ大統領を怖がっているとしか思えない…)。
●決算通過銘柄に照準
つまり、いまは米中貿易戦争が金利引き下げを促す形になっていて、微妙な取り合わせながら、絶妙の効果を発揮している状況にある。こう言えるため、ここはやはり決算発表が終わり、「決算発表売り」の恐れがなくなった銘柄を中心に投資するのが良策になる。
そこで、具体的にはまずはソニー <6758> がある。今期の減益は避けられないながら、イメージセンサー需要の拡大により、営業利益、純利益ともに上方修正した。米中貿易戦争により収益は大きく落ち込むはずだったが、実際は想定以下で済むとの観測であり、株には当然プラスする。
31日に決算を発表した消防車最大手のモリタホールディングス <6455> 。今年は台風など自然災害が列島で猛威を奮ったが、沖縄を襲った首里城全焼という悲劇を踏まえ、改めて火災に対する備えの重要性も高まろう。同様の観点から火災報知機に強いホーチキ <6745> も。
5G関連の中核銘柄でありながら、決算の通期予想を上方修正したとたんに株が売られてしまったアンリツ <6754> も、この下落局面で拾っておきたい銘柄になる。
業績の下方修正で売られた銘柄であっても、売られすぎの場合、投資する魅力があり、それがタダノ <6395> だ。10月30日に急落したものの、現在の水準からの下げはあってもさほどではないとみられるため、逆張りの投資に向く。ただし、利食えるまでは少々時間を要しそうだ。そういえば…10月25日の決算発表以降、売られ続けているエムスリー <2413> も、適度な押しが入った状況とみてよい。
最後にジャスダック市場にも目を向けておくと、美容院経営で躍進が続くアルテ サロン ホールディングス <2406> [JQ]が魅力的だ。
2019年11月1日 記
株探ニュース