【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 好悪の材料セットが演出する株高!

市況
2019年11月3日 9時30分

「好悪の材料セットが演出する株高!」

●日経平均、3ヵ月連続陽線の可能性は大

さて、11月だ。2019年相場もあと2ヵ月足らずとなってきた。日経平均株価は、9~10月と2ヵ月連続で月足チャートが陽線となった。こうなると「もちろん11月も」となるのだが、この点どうだろうか。

常に市場にはあれこれとネガティブ材料があり、3ヵ月続けて上昇するとみるのは楽観的過ぎるということになろう。

しかし、そうなる可能性は高いとみてよい。これまでも繰り返し述べてきたように、いまは好悪の材料がセットになって株高を演出しているような状況だからだ。

まずは、米中貿易戦争だ。両国は近く首脳会談を開催、第1弾の合意が実現するとの見通しながら、トランプ米大統領が中国に要求している農産物の大量購入、特に大豆の購入を巡って、中国は二の足を踏んでいるという見方が一般的だ。豚コレラの発生で、飼料となる大豆をさほど必要としなくなりそうだからだ。

こんなこともあり、首脳会談が予定通り第1弾の合意に至るかどうかはっきりしないのが実際だ。こういった材料があっては、先行きの見通しを立てにくく、経済が失速する恐れがある。こうなるため、株は上がりにくい。

だが、このような観測は、私にいわせると逆だ。上述のような不安定要因があるため、経済の減速を恐れる各国中央銀行は目下、競うようにして政策金利を引き下げている。

下げる可能性を示唆しながら、下げない日銀は例外的な存在となっており、驚いたことにFRBは3回連続で引き下げた。

正直、米国経済が失速中とは思えないのだが、パウエル議長は予防的措置としてFOMC開催ごとに引き下げている(もっと下げろと要求するトランプ大統領を怖がっているとしか思えない…)。

●決算通過銘柄に照準

つまり、いまは米中貿易戦争が金利引き下げを促す形になっていて、微妙な取り合わせながら、絶妙の効果を発揮している状況にある。こう言えるため、ここはやはり決算発表が終わり、「決算発表売り」の恐れがなくなった銘柄を中心に投資するのが良策になる。

そこで、具体的にはまずはソニー <6758> がある。今期の減益は避けられないながら、イメージセンサー需要の拡大により、営業利益、純利益ともに上方修正した。米中貿易戦争により収益は大きく落ち込むはずだったが、実際は想定以下で済むとの観測であり、株には当然プラスする。

31日に決算を発表した消防車最大手のモリタホールディングス <6455> 。今年は台風など自然災害が列島で猛威を奮ったが、沖縄を襲った首里城全焼という悲劇を踏まえ、改めて火災に対する備えの重要性も高まろう。同様の観点から火災報知機に強いホーチキ <6745> も。

5G関連の中核銘柄でありながら、決算の通期予想を上方修正したとたんに株が売られてしまったアンリツ <6754> も、この下落局面で拾っておきたい銘柄になる。

業績の下方修正で売られた銘柄であっても、売られすぎの場合、投資する魅力があり、それがタダノ <6395> だ。10月30日に急落したものの、現在の水準からの下げはあってもさほどではないとみられるため、逆張りの投資に向く。ただし、利食えるまでは少々時間を要しそうだ。そういえば…10月25日の決算発表以降、売られ続けているエムスリー <2413> も、適度な押しが入った状況とみてよい。

最後にジャスダック市場にも目を向けておくと、美容院経営で躍進が続くアルテ サロン ホールディングス <2406> [JQ]が魅力的だ。

2019年11月1日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.