前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年12月5日 5時30分

■富フロンテク <6945>  1,411円 (+300円、+27.0%) ストップ高

富士通系企業が軒並み高。富士通フロンテック <6945> [東証2]がストップ高に買われたほか、FDK <6955> [東証2]も一時、値幅制限いっぱいまで急騰。新光電気工業 <6967> や富士通ゼネラル <6755> も値を飛ばした。親子上場解消の流れが強まるなか、富士通系のグループの再編思惑が強まっている。11月に東芝 <6502> [東証2]が東芝プラントシステム <1983> などグループ企業3社を完全子会社化するためにTOBを行うことを発表。三菱ケミカルホールディングス <4188> も田辺三菱製薬 <4508> の完全子会社化を明らかにするなど、親子上場解消の動きが活発化するなか、富士通グループにも再編思惑が波及した格好だ。

■サインポスト <3996>  2,247円 (+400円、+21.7%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。サインポスト <3996> がストップ高。同社は金融機関向け中心にITコンサルティングを手掛けるほか、人工知能(AI)ビジネスにも積極的に取り組んでいる。3日取引終了後、来春開業の高輪ゲートウェイ駅に無人AI決済店舗1号店「TOUCH TO GO」をオープンすることを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。

■中村超硬 <6166>  1,023円 (+143円、+16.3%) 一時ストップ高

中村超硬 <6166> [東証M]が商い増勢のなか3日続急伸。株価は一時、ストップ高の1030円と2週間ぶりに1000円大台に復帰した。4日の日本経済新聞朝刊が、「中国政府は2025年に、電気自動車(EV)プラグインハイブリッド車(PHV)など中国の新エネルギー車が新車販売に占める比率を25%と従来目標(20%)から引き上げる」と報じた。これを受け、リチウムイオン二次電池の性能向上のための添加材としての利用される「ゼオライトナノ粒子」に強みを持つ同社に需要拡大するとの思惑から買いが向かったようだ。

■ミダック <6564>  2,286円 (+286円、+14.3%)

ミダック <6564> [東証2]が5日ぶり急反騰。3日の取引終了後、東証1部指定と株式分割などを発表したことが好感された。同社は12月24日付で東証2部から同1部市場へ指定されることになった。同時に名証2部から同1部にも指定される。これに伴い、東証1部への指定でTOPIX採用による、機関投資家の新たな組み入れニーズが発生することへの期待が膨らんだ。同時に20年1月31日時点の株主に対して1対1.3株の株式分割を実施すると発表した。効力発生日は2月1日。今期配当は従来予想から実質1円50銭の増配となる。さらに公募増資なども発表した。25万株の公募と28万7000株の自己株処分による公募、20万9000株の売り出し、上限7万4600株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施する。公募に伴う調達資金は約12億100万円で、関東での焼却施設設置に際しての土地取得資金に充てる。発行・売り出し価格は11日から16日までのいずれかの日に決定する。

■ビープラッツ <4381>  2,470円 (+290円、+13.3%) 一時ストップ高

ビープラッツ <4381> [東証M]が急反騰し、一時ストップ高に買われた。4日午前11時ごろ、同社が提供するサブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats」に関して、ISID <4812> と販売パートナーシップ契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の契約に基づき、ISIDは製造業をはじめとする大手企業を対象に「Bplats」の販売を開始する。更に、新たな顧客体験創出に向けた事業開発の企画・検討から立ち上げまで一連のプロセスをトータルで支援するとしている。

■ニッカトー <5367>  841円 (+83円、+11.0%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率4位。ニッカトー <5367> が急反騰し一時ストップ高の908円に買われた。4日付けの日刊工業新聞で「直径0.3ミリメートルまで微粒子化した窒化ケイ素ボール『SUN-15ボール』を開発した」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、同製品は積層セラミックコンデンサー(MLCC)やフラットパネルディスプレー(FPD)、化成品などの原材料を均質に分散させるのに有効としており、これらの次世代向け製品の開発に貢献するという。同社では4日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で始まる「第4回高機能セラミックス展」へも出展する予定で、これを機に本格展開へ進むもようだ。

■トーセイ <8923>  1,450円 (+117円、+8.8%)

東証1部の上昇率6位。トーセイ <8923> が急伸。3日大引け後、19年11月期の連結税引き前利益を従来予想の112億円→120億円に7.2%上方修正。増益率が10.4%増→18.4%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。不動産流動化物件の販売時期見直しで売上高は計画未達となったものの、販売物件の利益率向上や不動産ファンド・コンサルティング事業の報酬上振れなどで吸収した。販管費や金融費用が想定を下回ったことも利益を押し上げた。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の37円→42円(前の期は30円)に増額修正したことも評価材料となった。

■VIX短先物 <1552>  6,330円 (+290円、+4.8%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。3日の米VIX指数は前日に比べ1.05(7.04%)ポイント高の15.96に上昇した。トランプ米大統領が中国との貿易協議の合意を先送りする可能性を示唆したことから、NYダウは280ドル安と急落した。これを受け、国際VIX短期先物は上昇した。

■システナ <2317>  1,848円 (+68円、+3.8%)

システナ <2317> が大幅に3日続伸。3日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の0.71%にあたる70万株(金額で12億4600万円)を上限に、12月4日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■GAテクノ <3491>  4,205円 (+120円、+2.9%)

GA technologies <3491> [東証M]が続伸。4日午前11時ごろ、子会社イタンジが東京建物不動産販売(東京都中央区)に入居申込書のWEB申込受付システム「申込受付くん」を提供すると発表しており、これが好材料視された。「申込受付くん」は賃貸物件の入居申し込みに関わる手続きをデジタル化することで、入居までの時間と手間を大幅に削減できるのが特徴。また、入居希望者がWEB上で入力した情報や手続きの進捗を賃貸管理会社(東京建物不動産販売)、賃貸仲介会社、賃貸保証会社の間で共有することができる。東京建物不動産販売では、既にイタンジが提供する、空室情報などに関する問い合わせ電話への自動応答システム「ぶっかくん」と、内見予約WEB受付システム「内見予約くん」を導入しており、今回の「申込受付くん」の導入で、物件の空室確認から内見予約、申し込み受付までの一連の流れをデジタル化し、一元管理することが可能になったという。

■ダイワボウ <3107>  6,110円 (+160円、+2.7%)

ダイワボウホールディングス <3107> が6日続伸。岩井コスモ証券は3日、同社株の投資判断「A」と目標株価6700円を継続した。第2四半期(4-9月)の連結営業利益は158億1800万円(前年同期比89%増)と大幅増益となった。ウィンドウズ7のサポート終了に伴う更新需要が追い風となりITインフラ流通事業が好調だった。ウィンドウズ7の更新需要のピークは12月とみられ下期の業績好調を予想。文教分野では、政府が2024年度までに小中学校でパソコンを1人で1台使える環境を整備する方針を固めたことも好材料視している。同証券では20年3月期の連結営業利益は会社予想227億円に対し285億円(前期比26%増)への増額修正を予想している。

■光通信 <9435>  26,790円 (+700円、+2.7%)

光通信 <9435> が4日続伸、全体下げ相場のなかで連日の年初来高値更新と気を吐いた。中小企業向けを中心とした光回線サービスが好調なほか、個人向けウォーターサーバーなども順調な伸びで収益に貢献、19年4-9月期業績は売上高が前年同期比14.5%増の2597億6800万円、営業利益が同48%増の448億7400万円と大幅な伸びを示している。上場企業の大株主として150銘柄近くの株式を保有、その含み益に対する思惑も株価を後押ししている。時価はITバブル期の2000年4月以来、19年8ヵ月ぶりの高値圏を走っている。

■ABCマート <2670>  7,560円 (+140円、+1.9%)

エービーシー・マート <2670> が反発。3日の取引終了後に発表した11月度概況で、既存店売上高が前年同月比2.4%増と2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて土曜日が1日多かった影響に加えて、月後半からの気温の低下と2年前から始めたブラックフライデーセールが好調だったことが寄与した。また、商品別ではテレビCMで宣伝のブーツを中心に、レディースシューズの販売が好調だった。なお、全店ベース売上高は同3.6%増だった。

■太平洋セメ <5233>  3,310円 (+60円、+1.9%)

太平洋セメント <5233> が3日続伸。SMBC日興証券は3日、投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は3300円から4400円に見直した。同証券では、20年3月期の業績は国内・海外ともセメント販売が下振れ低調とみているが、21年3月期は相次ぐ自然災害に備えて、国土強靭化対策関連の需要増加が見込まれるほか、ダム建設、バイオマス発電稼働、一般炭価格下落効果などで同社の成長期待が再度高まると予想。20年3月期の連結営業利益は前期比6%減の620億円(会社計画は640億円)の予想に対して、21年3月期の同利益は730億円と業績の急回復を見込んでいる。

■Jマテリアル <6055>  1,523円 (+20円、+1.3%)

ジャパンマテリアル <6055> が5日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が3日付で投資判断「バイ」を継続し、目標株価を1600円から1700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、今上期営業利益の予想比上振れなどから原価低減が従来想定以上に進捗していると推察。また、供給配管設計施工などイニシャル部門の効率化の進捗、技術サービスなどオペレーション部門の成長加速を見込む。特に来期は、複数の国内半導体工場において設備投資時期が重なる公算が高く、イニシャル部門の売上高は今期比大幅増を見込んでおり、21年3月期営業利益予想を105億円から109億円へ引き上げている。

■三井不 <8801>  2,737.5円 (+30円、+1.1%)

三井不動産 <8801> 、三菱地所 <8802> 、住友不動産 <8830> など大手を中心に不動産株に高いものが目立った。全般相場は3日の米株急落や為替のドル安・円高などで主力輸出株には向かい風の強い地合いとなり、その影響を受けにくい内需系のディフェンシブストックへの資金シフトが不動産株高の背景となった。業績面でも不動産販売や賃貸、分譲事業が総じて好調であり、今期業績は増収増益を見込む銘柄が多いことも買い安心感につながっている。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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