来週の株式相場戦略=米国の対中関税「第4弾」に視線集中、年内最後のヤマ場迫る
来週の株式市場は、米国の中国に対する「第4弾追加関税」が発動されるかどうかに関心は集中することになりそうだ。期限の15日を視野に米中の通商協議がギリギリまで続けば、日本を含む世界の金融市場は、緊張を強いられることが予想される。日経平均の予想レンジは2万3000~2万3800円。
米中協議に対する市場のコンセンサスは、「第4弾関税は交渉が来年に延期され関税引き上げも見送られる」というものだ。この結果となった場合、基本はニュートラルだが不透明感が後退したことを前向きに評価する展開となりそうだ。もし関税引き上げ凍結など前向きな結果になれば、日経平均は2万4000円を目指すことになろう。逆に、交渉決裂となれば、日経平均は2万2500円を意識する展開もあり得る。米中協議の結果次第で明暗がくっきりと分かれることになり、その意味で来週は年内最後のヤマ場を迎えることになりそうだ。
また、来週は重要イベントが目白押しだ。特に12日の英国議会選挙では、ブレグジット(英国のEU離脱)の帰趨が決まることになる。市場にはブレグジットの公算は高まっているとの見方が出ている。本来ならブレグジットは、市場の大きなテーマだが、来週は米中協議への関心が高く、ブレグジットの公算が高まっても日本などでの反応は限られる可能性がある。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が10~11日に予定されているが、今回は現状維持が予想されている。むしろ米中の経済指標への関心が高く10日の中国11月消費者物価や13日の米11月小売売上高などは関心を集めそうだ。国内では9日に7~9月期GDP確定値、13日に12月の日銀短観が発表される。
株式市場では、建設株など経済対策関連株の物色は続きそうだ。また、米中協議が前向きな結果となった場合、リスクオンで輸出関連株が買われるだろう。日経ジャスダック平均は11連騰となるなど、小型株物色は続いている。特に10日からは12月のIPOラッシュが始まる。10日のALiNKインターネット<7077>や11日のマクアケ<4479>などの動向が注目されている。(岡里英幸)