【杉村富生の短期相場観測】 ─ 肝要なのは現状を正しく認識すること!

市況
2019年12月8日 9時15分

「肝要なのは現状を正しく認識すること!」

●ペンス副大統領の演説は昨年とは違う!

全般相場は高値波乱(落葉しぐれ)の商状に陥っている。マーケットは、相変わらずトランプ米大統領の言動(ツイッター攻撃)に振り回される展開だ。しかし、懸念は無用と思う。それに、個別株の物色機運はきわめて旺盛である。

改めて述べるまでもないが、肝要なのは現状を正しく認識することだ。再三指摘しているように、トランプ政権の対中政策は9月以降、微妙な変化をみせている。その象徴的な事例がペンス米副大統領の演説だろう。

今年の演説は、10月24日にワシントンのコンラッドホテルにおいて、ウィルソンセンターの行事の一環として開催された。昨年10月2日のハドソン研究所(ボストン)とは“180度”異なる。何が違うのか。

まず、ハドソン研究所は対中強硬派の拠点だ。そこでの演説は「中国に向けての実質的な宣戦布告」と形容され、“新冷戦構造突入→世界景気の底割れ”を危惧し、株価暴落を引き起こした。一方、ウィルソンセンターは第28代ウィルソン大統領(民主党)の功績を称える国際外交政策研究所である。

ウィルソン大統領の功績とは、第1次世界大戦に参戦を決断、国際連盟の創設に関わったこと。さらに、アメリカの輸入関税を引き下げ、世界貿易の拡大に努めた。いわば、トランプ大統領とは“真逆”の人物だ。これは中国に対する明確なメッセージといえる。

親子上場の“子”には思惑のタネがある!

そもそも今年の10月24日の演説は、6月4日に行われる予定だった。この日は? 天安門事件30周年である。当然、発言は過激なものになったはずだ。しかし、これはトランプ大統領が止めた。「やめておけ」と。ここに、トランプ政権の配慮が感じられる。

さて、年内は餅つき相場というか、値動きの激しい展開が予想される。だからこそ、2020年を見据え、じっくり狙える銘柄にマトを絞るべきだと考えている。業績面に加え、テーマ性のチェックが重要だ。いわゆる、ロングランに注目できる銘柄である。

具体的には半導体の微細化、3D積層による性能向上のメリットを受けるホロン <7748> [JQ]、新光電気工業 <6967> 、電子材料、医薬品原末としてのファインケミカルが伸びている広栄化学工業 <4367> [東証2]、防災機器のトップ企業の能美防災 <6744> などに妙味があろう。

さらに、大阪万博の開催、カジノ構想などで盛り上がる関西が地盤のダイビル <8806> が面白い。これらの銘柄に共通しているのは、すべて親子上場の“子”である。そして、“親”が発行済み株式数の50%超を保有している。これが思惑のタネ(隠し味)となる。

2019年12月6日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.