【杉村富生の短期相場観測】 ─ イノベーションがマーケットを救う!

市況
2019年12月22日 9時15分

「イノベーションがマーケットを救う!」

●「ネズミ繁栄」の子年相場に!

2020年相場は「ネズミ繁栄」の兜町のジンクスが示しているように、堅調な展開が予想される。日経平均株価は夏場にかけて2万5000円絡みの水準を目指すだろう。

リスク要因としては米中軍事対立(技術覇権をめぐる抗争→投資規制)、トランプ米政権のドル安誘導政策(プランB)、世界景気の回復の遅れ、国内政治の混乱(解散総選挙?)などがある。日経平均の下値メド(最悪シナリオ)は、1株純資産の水準(現在2万500円絡み)が参考になろう。

ちなみに、12年末にアベノミクス相場が始まって以降、PBRが1倍以下になったのはわずか2日しかない。すなわち、チャイナ・ショック時の16年2月12日、米中貿易戦争の激化を嫌気した18年12月25日だ。ともに、PBRは0.99倍だった。そう、1倍割れは“瞬間”だ。要するに、PBR1倍割れ寸前の局面は「天与の買い場到来」ということになる。

なお、19年8月26日には2万173円の安値をつけているが、この時点のPBRは1.01倍(8月6日の2万110円もPBRは1.01倍→絶好の買い場を提供)、為替は1ドル=104円40銭の円高を示現している(ザラ場ベース)。

ついでに言えば、8月6日、26日の両日はアメリカの10年物国債利回りが1.4%まで低下、極端なリスク回避の現象が起こっている。逆に言うと、これらが強力な底打ちのシグナルだろう。

●Techシリーズに妙味あり!

物色面の核はやはり、イノベーション(技術革新)だろう。 5Gの本格普及、 AIの導入はIoT・ICTの発展と対象産業の広がりにつながる。いわゆる、筆者が唱えるTechシリーズである。

具体的には、Retail Tech(Eコマース電子決済、物流ロボット)、FinTech(決済、送金、投資、運用、クラウドファンディング)、EdTech(教育)、MedTech(電子カルテ、ゲノム)、HRTech(採用、転職支援、人事評価)、ReTech(不動産)など。イノベーションはマーケットを救う。

さらに、運輸業界再生の切り札としてフィジカルインターネット、宇宙開発などの未知の領域を目指すディープテック(対極に位置するのはシャローテック)などの分野がある。2020年相場では、これらのセクターから出世株が続出することになろう。

活躍期待株として筆者は、電気自動車、車載電装化関連のインスペック <6656> [東証2]をはじめ、割安な半導体材料のダイトーケミックス <4366> [東証2]。燃料電池、AI、5G関連である技術商社の英和 <9857> [東証2]。国土強靱化(地震計、水位計)に絡み、 宇宙開発に注力する明星電気 <6709> [東証2]などをピックアップしている。 (2019年12月19日 記)

【次回は新年1月1日に「新春お年玉企画」を配信します】

次回は新年1月1日に「杉村富生が斬る!子年『有望株!』 <新春お年玉企画>」を配信いたします。ご期待ください!

※12月29日の「杉村富生の短期相場観測」はお休みさせていただきます。(編集部)

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