【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 視界不良の嵐の中にも活路は潜む!
「視界不良の嵐の中にも活路は潜む!」
●米・イランの隠された真意
2020年。ようやく正常軌道へ復帰だ。正月早々から想定外の事態発生に見舞われてしまったが、内外市場はなんとかそれを乗り切った形だ。
今回の米国によるイラン革命防衛隊の司令官殺害。発生当初、私は当然マズイことなったとは思ったものの、この事件をきっかけに米国とイランは接近しやすくなったと考えた。
さらに私の妄想を付け加えると、この事件は米国とイランの対米融和派が組んで実行したのではないか、とまで推測を広げた。もちろん、そんなことはないだろうが、事件のその後の経緯を見ると、イランの対米報復はほんの形ばかりに終わり、イラン外相は早々に「報復終了」宣言まで行った。
その過程で東京市場は日々大きく上下に揺れ動き、新規投資は行いにくかったのが実際だ。しかし、イランがそもそも米国の経済制裁に苦しみ、国内で大規模な暴動まで発生していたため、制裁の解除を願っていたことは明らかだ。そのため、対米強硬派のトップである革命防衛隊の司令官が死亡したことで、「これでようやく対米融和策を進められる」可能性も生まれてくる。
こう読めることから、株の急落局面は買いで良かったことになる。大きな気掛かり材料に直撃されると、風景は暗く、視界は利かなくなる。そのため、つい悲観的になり、お宝銘柄が下げたりしていても、とても投資する気になどなれなくなったりする。
しかし、回復力が高いと思える銘柄が目先に転げ落ちてきたら、投資家たるものなんとか自分のポートフォリオに加えたいものだ。それを実行するには、やはり悲観的な情報の中に、渦中の関係者らの真意を読み取るよう努めることだ。
イラン革命防衛隊の司令官殺害の件では、前述したようにイラン政府は「これで米国と交渉ができる」と安堵していると考えられる……という具合だ。
●ソニーやインバウンド関連に注目!
要するに、悲観的な材料に直撃されて市場が方向感を失っているように見えたら、自分だけは関係者、関係各機関の真意を勝手読みで良いので、分析してみる。そうすると、私の経験則では大抵の場合、活路が見えてくる。
そこで、ここでの注目銘柄。年初のコラム「子年“有望株!”」でも取り上げたのだが、新たな材料が加わったので再度ソニー <6758> に注目だ。電気自動車市場に参入するというのだから、投資魅力はさらに膨らんでもおかしくない。
今年、間違いなく増えることが分かっているものがある。訪日客だ。となると、 インバウンド関連株となるのだが、残念ながらこの用語はもう株式市場ではほとんど人気がない。しかし、訪日客の増加とそれによる販売増も必至という事実は無視できない。
関連株となるドンキホーテ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> )や寿スピリッツ <2222> 、シュッピン <3179> 、マツモトキヨシホールディングス <3088> 、参天製薬 <4536> 、花王 <4452> などの製品が買われることになり、株も期待が持てる。
最後に、カシオ計算機 <6952> と日東紡績 <3110> を。これらは、上昇ピッチが非常に緩やかなため上げが目立たないのだが、実際は着実に上がり続けている(私はこのタイプの銘柄が大好きだ)。今年もこの基調が続きそうだ。
2020年1月10日 記
★「北浜流一郎が斬る! 子年『有望株!』」など →→【新春特集】の記事一覧をみる
株探ニュース