来週の株式相場戦略=「首都封鎖」はあるか、緊急経済対策にも注目
今週(3月30~4月3日)の日経平均株価は前週末に比べ1569円(8.1%)の下落となった。前週に2800円強と急伸した反動もあるが、市場で注目されていたのは、東京での新型コロナウイルスの感染拡大で東京を含む首都圏の「ロックダウン(都市封鎖)」があるのかないのか、あるのならいつなのか、という点だ。
東京の1日あたり感染者数は100人に近づいており、オーバーシュートに向けた懸念が高まっている。首都圏のロックダウンの可能性はみておかなければならないが、実施された際の最大の焦点は、株価がどう反応するかだ。「首都圏の経済規模は大きく株価にとって売り材料」とみる声がある一方で「あく抜け感から買い戻しが入るのでは」との見方もあり、強弱感は対立している。いまのところは、瀬戸際状態が続き、当面は宣言なしとなることが予想されるが、その場合、株式市場は今週と同様に戻り場面では売りに押される展開が続きそうだ。
来週は7日にも政府の緊急経済対策が発表される見込み。「所得が減少した世帯に30万円の現金給付」との報道も出ているが、きめ細かな内容となっていなければ市場から失望されかねない。また、日銀のETF買いの金額が1200億円へ減額されていることも関心を集めている。4月に入り金額が減少されたことがポイントであり、「年度末で株価を維持したら力を抜いたのか」(アナリスト)と日銀の姿勢をいぶかる声も上がっている。当面、日銀ETF買いの金額は注目されそうだ。
市場にとって前向き材料と期待されているのが、原油価格が反発し「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数が50近辺へ低下していることだ。今晩の米3月雇用統計は悪化が見込まれているが、その発表を経てVIX指数がどう反応するかもポイントだ。
来週は6日にニトリホールディングス<9843>が決算発表を予定している。また、10日の安川電機<6506>の決算への関心も高い。10日は米国がグッド・フライデーで休場となる。来週の日経平均株価の予想レンジは1万6800~1万8800円。(岡里英幸)