雨宮京子が読むショック相場の行方 ポイントは「Withコロナ!!」 <GW特集>
●日本経済の回復出遅れは、乗り遅れた投資家には好機となるか
早いもので2020年の相場も3分の1が終了した。相場の世界に「たら、れば」は禁物であるが、新型コロナウイルスの影響がなければ、どうなっていただろうか? もしかしたら、今ごろ日経平均株価は3万円に近づいていたかもしれない──そう思うのは、コロナ以前の相場環境が、米中対立がひと段落して実態経済の先行きに明るさが増す中、ジャブジャブのカネ余りに支えられていたからである。
そのカネ余り、足もとの世界における協調的な金融緩和は、危機的な状況を救うためのセイフティネットの色彩が強いが、コロナが終息に向かった場合はどうなるだろう。今はドン底の経済が、急速に立ち直るとの見方が多い。しかも、回復してからも、パンデミックの恐怖は完全には拭えず、しばらく金融は緩和されたまま──そこから考えられるのは、コロナ以前と同様、カネ余りの金融相場になるという点だ。
直近の相場は、それを織り込んでいるかのようにみえる。日経平均の2万円回復が世間で注目されたが、この心理的なフシより大きな意味を持つのは、1月17日高値2万4115円95銭から3月19日安値1万6358円19銭まで押した幅の半値戻り(2万0237円07銭)の水準を4月30日に達成したことである。
「半値戻しは全値戻し」という相場格言があるように反騰への期待は高まり、コロナショックで下落した相場は底を打ったとみていいだろう。しかし、そうは簡単にいくとも思えない。世界的に、株式市場では経済再開を読む動きになっているものの、中国、欧米とは異なり、緊急事態宣言が続くなど日本の回復は、世界の中で周回遅れになりそう。その分、出遅れる可能性が高いからだ。
ただ、このことは、ここまでのリバウンド相場に乗り遅れた投資家にとってはチャンスと言える。中・長期で考えるならば、もたつきは拾い場になりそうだ。
一方、コロナについては、高温多湿に弱いそうなので、一旦は収まるかもしれないが、冬になれば、再度、流行の可能性がある。ということで、ポイントは「Withコロナ」!! コロナ後もテレワークなど一気に改革が進むとみられるため。そうした銘柄を引き続き狙うのが良い戦法と思われる。
こうした点を考慮し、以下に、ここから妙味が大きい銘柄をピックアップしてみた。
◆フェローテックホールディングス <6890> [JQ]
中国の再生ウエハ需要が拡大基調。世界経済は中国から回復するとみられることがポイントになる。PBR0.52倍と割安。
◆ネクステージ <3186>
緊急経済対策の一律10万円給付効果。振込先は世帯主とのことなので、大家族ならば、中古車なら購入してみたい──となるかも。
◆朝日ネット <3834>
独立系のネット接続サービス大手。テレワーク の普及で接続サービス事業に追い風が吹いていることから狙い目が大きい。
◆ギグワークス <2375> [東証2]
IT系の技術者派遣。テレワークで追い風。PC機器導入や工事など。コールセンターや秘書サービスなどの拡大期待もある。
◆ファーマフーズ <2929> [東証2]
通信販売は育毛剤(女性・男性どちらにもOK)「ニューモ」が今期からヒット商品に。コロナの影響を受けにくい商品という点で注目できる。
◆リテールパートナーズ <8167>
巣ごもり長期化で追い風に。東証1部へ昇格でTOPIXのインデックス買い需要が予測される。今期配当2円増配へ。
◆チェンジ <3962>
ふるさと納税関連で自治体ビジネスに強み。成功報酬型のビジネススタイルで業容拡大が想定できる。
(2020年4月30日 記)
<プロフィール>雨宮京子(あめみや・きょうこ)
SBI証券 投資情報部 シニア・マーケットアドバイザー。元カリスマ証券レディ。日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経て現在に至る。
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