【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 中国景気の回復で恩恵享受の設備投資関連を狙う!
「中国景気の回復で恩恵享受の設備投資関連を狙う!」
●中国で日系3社の自動車販売が好調
中国の経済指標と聞いて、どんな印象を持たれるだろうか。
ほとんどインチキで信用ならない。――こうなってしまうのではないだろうか。正直、私も大いに疑いを持っている。しかし、その根拠となる証拠を持っているわけではなく、結局はなんとなくそう思ってしまっている、ということになる。
ところが、投資では疑ってばかりもいられない。他にこれなら絶対信じられるというデータがあるわけでもないからだ。
それに、我々は米国の雇用統計については発表時点の数字を信じてそれに反応する。ところが多くの場合、数日後には修正される。我々が即座に反応するデータは、決して正しいものとは言えないのだ。このような観点から中国のデータを見ると、事実と多少違ったとしても許容範囲と見てよいだろう。
と、前置きが長くなったが、私が今回書きたいのは中国経済が最悪期を脱しつつあり、その証拠が6月の自動車販売台数で明確になった。これになる。
中国汽車工業協会(CAAM)は今月初め(2日)、6月の国内自動車販売台数が前年比11%増になりそうだと発表した。そして、主要な日系自動車メーカーの6月の中国での新車販売台数も3日、明らかになった。
それを見ると、トヨタ自動車 <7203> など3社が前年同月を上回った。トヨタは前年同月比22.8%増の17万2900台、日産自動車 <7201> は前年同月比4.5%増の13万6929台、マツダ <7261> は同7.3%増の2万1002台だった。一方、ホンダ <7267> は同4.1%減の14万2363台と不振だった。
●期待が持てる設備投資、工作機械関連
これらのデータは前述したように月初めのものであり、市場がどう反応するかウォッチしていたが、残念ながら自動車や部品メーカー株の値動きは冴えない。しかし、期待が持てる分野がある。 設備投資や工作機械関連銘柄だ。
中国での自動車販売増は、中国経済の復調が次第に明確になりつつある証拠と見てよいからで、まずは中国関連株の代表的銘柄であるコマツ <6301> 、日立建機 <6305> に注目だ。
航空機をはじめ自動車、半導体製造装置向け需要増が見込める点では、マシニングセンタに強い牧野フライス製作所 <6135> がある。自動車製造用超硬工具で高技術を持つダイジェット工業 <6138> も忘れてはなるまい。
生産設備全般のエンジニアリングで評価の高い平田機工 <6258> も株価は緩やかに回復始動であり、現在水準での投資なら安全度が高いと見てよい。
産業用ロボット用精密減速機で世界首位のナブテスコ <6268> も高値圏ながら、浅い押しはあるだろうから、そこで拾っておきたい。
最後に薬品包装機に強いCKD <6407> がある。この会社は半導体製造薬液制御装置にも強いだけに株も引き続き期待が持てる。
2020年7月22日 記
株探ニュース