新興市場見通し:「ニューエコノミー」意識高揚で18年高値視野に、IPOは来週2社

市況
2020年10月10日 16時04分

※一部配信先でエラーが生じたため、再配信します。

今週の新興市場では、マザーズ指数が日経平均以上の堅調ぶりを見せた。週間では4週連続で上昇し、2018年2月以来およそ2年8カ月ぶりに1300pt台を回復している。市場では過熱感を指摘する声が少なからず聞かれるが、前回の当欄で述べた「ニューエコノミー」台頭への期待から新興株の循環物色が続いた。また、日経平均もコロナショック後の戻り高値を更新するなど堅調だったものの、米大統領選の行方など不透明要因が多いため、個人投資家の物色は主力大型株でなく新興株に向かったようだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.6%であったのに対して、マザーズ指数は+9.3%、日経ジャスダック平均は+2.1%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で11.4%高、フリー<4478>が同5.0%高となるなど、マザーズ時価総額上位は全般堅調だった。メルカリは米大手運用会社による大量保有報告書提出が観測されている。BASE<4477>は同31.0%高となり、上場来高値を大きく更新。弁護士ドットコム<6027>は政府が押印廃止の方針を示したことで同23.9%高となった。売買代金上位では、米国で医療用ロボットの対象疾患拡大が承認されたサイバーダイン<7779>に加え、HENNGE<4475>などが大幅に上昇。また、GMOフィナンシャルゲート<4051>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、オンコセラピー・サイエンス<4564>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力では出前館<2484>が同11.6%高となり、その他もワークマン<7564>が同4.4%高となるなど全般堅調。ただ、9月既存店売上高が減収となったセリア<2782>は同2.4%安と軟調だった。また、週間のジャスダック上昇率上位にはトミタ電機<6898>、下落率上位にはまぐまぐ<4059>などが顔を出した。IPOでは、タスキ<2987>がマザーズ上場3日目で公開価格の約7.6倍という初値を付けた。ただ、東証1部上場のダイレクトマーケティングミックス<7354>は公開価格をやや下回る初値となった。

来週の新興市場では、マザーズ指数が2018年1月高値1367.86ptも視野に入れ、堅調な動きを続けそうだ。菅政権が行政のデジタル化、オンライン診療の原則解禁などIT利活用に向けた方針・施策を相次ぎ打ち出しており、個人投資家の物色は引き続き「ニューエコノミー」関連の新興株に向かいやすいだろう。コロナ禍以降の個人投資家のすそ野拡大などを背景に、資金流入もなかなか途絶えない。

来週は、10月12日にエヌ・ピー・シー<6255>、13日にチームスピリット<4397>、Sansan<4443>、14日にNo.1<3562>、UUUM<3990>、関通<9326>、15日にウエストHD<1407>、出前館、ティーケーピー<3479>、マネーフォワード<3994>、ロゼッタ<6182>などが決算発表を予定している。ティアンドエス<4055>とインターファクトリー<4057>は8月の上場後、初の決算発表となる。直近上場組は需給主導で大きく値上がりした銘柄が多いだけに、相応に良好な決算か注視する必要があるだろう。

IPO関連では、10月13日に日通システム<4013>がマザーズへ、16日にアースインフィニティ<7692>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。勤怠管理システムを手掛ける日通システムは公開規模が大きいものの、まずまずしっかりした初値が見込まれる。新電力会社のEインフィニティは逆に公開規模が小さく、値を飛ばしてきそうだ。

《HK》

提供:フィスコ

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