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2020年10月12日 19時45分
特集

佐藤正和氏【米大統領選まで3週間、マーケットは上か下か】(2) <相場観特集>

―株式市場と為替市場のこれからを業界のプロはどうみる―

週明け12日の東京株式市場は薄商いのなか冴えを欠く展開となり、日経平均株価は続落した。ただ、下値では押し目買いが入り下げ幅は限定的なものにとどまった。米国大統領選を巡る思惑や、今月下旬から本格化する国内企業の決算発表を控え様子見ムードが漂うものの、米国株主導で強調地合いが続くとの見方も根強い。また、足もと外国為替市場ではドル安・円高の方向に振れている。このドル円相場の動きも含め、今後の相場展望を市場関係者はどう読んでいるのか。今回は、株式市場と為替の見通しそれぞれについて、業界第一線で活躍する2人に意見を聞いた。

●「バイデン勝利&両院制覇なら112~115円の円安も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

足もとの世論調査の動向などをみると11月3日に予定されている米大統領選は、民主党のバイデン候補が優位と見ざるを得ないだろう。現政権の新型コロナウイルスへの対策は不十分だったとの批判は根強く、トランプ大統領自身も感染してしまった。トランプ氏の最後の出方次第の面はあるものの、同氏の再選は常識的にみて厳しくなっている。2016年の大統領選の時にドル円相場は1ヵ月で14円近く動いたが、バイデン氏が勝利した場合、前回ほどの変動はないだろう。

重要なポイントとなるのは、大統領選に加えて議会選挙の動向だ。幾つかのシナリオが考えられるが、可能性が高いのは(1)大統領選はバイデン氏が勝利するが、議会選は下院が民主党、上院が共和党――というパターンだと思う。バイデン氏勝利なら株安・円高とも言われたが、そのリスクはほぼ織り込んでいる。ただ、やや円高となるリスクは残されている。続いて考えられるのが(2)のバイデン氏が勝利し、議会選も上下両院を民主党が制するというものだ。この場合、議会のねじれが解消し、民主党の法案が通りやすくなる。積極的な財政支出による景気底入れに加え、国債増発に伴う金利上昇も予想され、株高の進行とともにドルも上昇するパターンが見込まれる。(3)はトランプ氏が大逆転し勝利するパターンだ。この場合も株高だが、為替は市場の見方が分かれ、上下に乱高下することもあり得るだろう。

こうしたなか、今後1ヵ月程度を視野に入れたドル円相場のレンジは(1)では、1ドル=102~110円を見込む。現在の105円前後を中心とする展開が予想される(2)では、同112~115円の急激なドル高・円安が進行することもあり得る。下値は102円前後だろう。(3)の場合は同100~112円を見込む。対中情勢が厳しくなり、リスクオフの円買いが強まることも起こり得ると思う。

いずれのパターンの場合も、大統領選が接戦となり、その決着に時間がかかるようなら円高圧力が増す展開が予想される。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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