買い戻しのほかヘッジ対応による買いを迫られた上昇【クロージング】

市況
2020年11月9日 16時06分

9日の日経平均は大幅に続伸。514.61円高の24839.84円(出来高概算12億2787万株)で取引を終えた。米大統領選については民主党のバイデン氏が勝利宣言を行ったことから、大統領選に関する不透明感はひとまず後退した格好となった。ギャップアップから24500円を上回って始まった日経平均は、2018年10月のザラ場高値を明確に上回って始まり、その後も指数インパクトの大きい値がさ株がけん引する格好から上げ幅を拡大。グローベックスの米株先物が大きく上昇していることが支援材料となり、後場には一時24962.80円と25000円に迫る場面がみられた。その後はこう着感が強まったものの高値圏での強い値動きが続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは非鉄金属の上昇率が3%を超えたほか、精密機器、情報通信、海運、輸送用機器、サービス、機械が堅調。半面、空運の下落率が5%を超えており、医薬品、鉱業、繊維、陸運が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、バンナムHD<7832>が堅調となり、上位5銘柄で日経平均を約280円近く押し上げている。一方でエーザイ<4523>が大幅に下落しており、約87円の重荷となった。

バイデン氏勝利を受けた上昇から24500円を意識した展開が想定されていたが、寄り付き時点でこの水準を明確に突破しており、売り方の買い戻しの流れが強まったとみられる。上昇ピッチの速さからは積極的な買いポジションを積み上げたというよりは、買い戻しのほか、ヘッジ対応による買いを迫られた上昇のようである。一気にトレンドが強まる場面においては日経225型の売買が中心になりやすく、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均をよりけん引する形となっている。

日経平均は25000円に迫る上昇により、さすがに過熱感は意識されやすいところであろう。ただし、米国ではバイデン氏勝利によるご祝儀相場が意識されやすく、年末ラリーへのムードも固まりやすいところである。また、ショート筋によるカバー中心の売買のためピーク感は感じられず、週末にオプションSQを控えていることもあり、改めてショートポジションを積み上げてくる動きも考えづらいところである。

なお、マザーズ指数は強い値動きとはなったが、引き続き25日線が上値抵抗線として意識されている。今週は中小型の決算発表がピークを迎えることもあり、決算を手掛かりとした物色から、25日線突破がみられるかが注目されるところである。跳ね返されるようだと、時価総額の大きい主力銘柄へは戻り待ちの売り圧力が強まる可能性がありそうだ。

《CN》

提供:フィスコ

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