【杉村富生の短期相場観測】 ─ 年俸600万円対6億5000万円…?

市況
2020年11月22日 9時15分

「年俸600万円対6億5000万円…?」

●この世界は努力する者が報われる!

ハーバード大学(ボストン)の校舎の壁の“落書き”は、「眠りたければ眠りなさい。あなたは夢を見るでしょう。しかし、それを我慢し、いま勉強すればあなたの夢はかなうのです」と諭している。名言だ。株式投資も同じではないか。この世界は努力する者が報われる。筆者はこの話を社員研修の導入部で使う。

同様に、「神様、仏様、稲尾様」といわれた旧西鉄ライオンズの名投手は「野球はチームプレーのスポーツだが、各選手のレベルが低いと、勝負にならない」と語っていた。企業もそうじゃないか。経営幹部とともに、各社員の力量(スキル)を高める必要がある。

これまた、社員研修では「最小律の法則」を交え、借用させてもらっている。プロ野球では巨人軍が好きだ。特に、坂本勇人内野手、松原聖弥外野手のファンだが、松原外野手の将来性に期待している。なにしろ、育成5位から這い上がってきた選手だ。年俸は600万円にすぎない。ちなみに、坂本選手の年俸は5億円である。

株式投資では改めて述べるまでもない。良くなる会社を買う。良くなった会社ではない。そこを間違える人がいる。もちろん、菅野智之投手の年俸は6億5000万円だ。恐らく、2021年はメジャーに挑戦、もっと大きな飛躍が期待できる。エムスリー <2413> 、日本電産 <6594> 、ダイキン工業 <6367> のような存在だろう。

岡本和真内野手(年俸1億4000万円)はどうか。ホームラン、打点の2冠を獲得、年俸は丸佳浩外野手(4億5000万円)に迫る可能性がある。銘柄としては、伸び盛りのGMOフィナンシャルゲート <4051> [東証M]、KIYOラーニング <7353> [東証M]、レノバ <9519> などが該当する。

●巨人軍の松原選手のような銘柄を!

さて、松原選手である。現状の年俸は安すぎる。まあ、「3000万円」はあげたい。低位大化け銘柄だ。全般相場は指摘してきた通り、波乱含みとなっている。半面、小物は元気である。この局面は急がず、慌てず、静かに21年の“出世株”を仕込む作戦はどうか。

具体的にはアスコット <3264> [JQ]、THEグローバル社 <3271> 、ビジョナリーホールディングス <9263> [JQ]、プロパスト <3236> [JQ]を取りあげておこう。アスコットは中国・平安グループ(保険)の傘下にある。3年前に、第三者割当増資(1株255円)によって筆頭株主になった。再建は順調に進展している。

さらに、今回は7096万株の第三者割当増資(1株155円)を実施する。引き受けるのはSBIホールディングス <8473> と平安グループだ。払込期日は12月18日を予定し、110億円を調達する。SBIは4548万株強を引き受け、発行済み株式数の35%を保有し、第2位の大株主となる。

調達資金のうち、50億円をマンション開発投資に充当、60億円をグローバル社の投・融資に使う。年商250億円のグローバル社はアスコット(年商120億円)の子会社となる。今回のスキームはSBIの壮大な経営戦略(地銀再編が絡む)の一環と思う。

2020年11月20日 記

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