話題株ピックアップ【夕刊】(1):SBG、ベース、エーザイ

注目
2020年12月10日 15時18分

■オハラ <5218>  1,652円  +173 円 (+11.7%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

オハラ<5218>が急騰し、東証1部の値上がり率ランキング第2位となった。世界的に電気自動車(EV)シフトの動きが進むなか、国内でも大手自動車メーカーなどがEVや燃料電池車の開発にこれまで以上に注力する動きが顕在化している。EVを動かす基幹部品で現在主流であるリチウムイオン電池は電解液が使われているが、これを電解質に代えた全固体電池が注目されており、10日付の日本経済新聞はEVの次世代機関技術として実用化への動きが官民で加速し始めたと報じている。そうしたなか、光学ガラスのトップメーカーである同社は、現行の電解液を使うリチウムイオン電池向けにガラスセラミック素材を利用した添加剤を開発した実績があり、全固体電池関連株の一角として投資資金が攻勢をかけている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,306円  +817 円 (+10.9%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

ソフトバンクグループ<9984>が続急騰。前日は一部メディアを通じて株式非公開化に向けた協議を進めていると報じられ、これが株式需給のタイト化につながるとの思惑から一時500円超の急伸をみせ年初来高値を更新、引けも400円近い上昇で着地した。きょうも米株安を受けた全体相場軟調のなか目先筋の利益確定売りのなか大幅高に買われる人気となった。

■ベース <4481>  6,520円  +500 円 (+8.3%)  本日終値

ベース<4481>が大幅高で3日続伸。9日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、12月16日付で東証2部から東証1部市場へ指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要を先取りする形で買いが入っている。同社は、金融系のシステム開発を得意とするソフトウェア受託開発会社。20年12月期連結業績予想は売上高119億5500万円(前期比23.1%増)、経常利益22億6400万円(同36.9%増)を見込む。

■日立造船 <7004>  433円  +24 円 (+5.9%)  本日終値

日立造船<7004>が後場一段高。10日付の日本経済新聞が「電気自動車(EV)の次世代基幹技術として本命視される『全固体電池』の実用化への動きが官民で加速し始めた」と報じたことをきっかけに関連銘柄が動意づいており、既に硫化物系固体電解質を使用した全固体リチウムイオン電池を開発済みの同社に物色人気が波及しているもよう。また、同社はきょう、子会社が英国でごみ焼却発電プラントの建設工事を受注したと発表していることも買い手掛かりとなっているようだ。これは英国の大手エネルギー会社SSEがロンドン近郊に建設を計画しているもので、プラントの完成は2024年を予定している。

■ハピネット <7552>  1,502円  +62 円 (+4.3%)  本日終値

ハピネット<7552>が高い。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1750円に設定した。同証券では(1)M&Aで事業規模を拡大しており、統合ノウハウを持つことから更なるシナジーがある企業買収が見込める(2)アミューズメント事業で取り扱うカプセルトイの成長が期待できる(3)卸売業として特定分野で高いシェアを持ち、残存者メリットを享受できる(4)株主還元が魅力的――の4点を指摘。今期は巣ごもり需要が好調なうえに、「鬼滅の刃」などのキャラクター商材の人気が高いことから利益が出やすい状況にあることも好材料とみている。

■愛知製鋼 <5482>  2,927円  +115 円 (+4.1%)  本日終値

愛知製鋼<5482>が後場上げ幅を拡大。正午ごろ、新開発の省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼がトヨタ自動車<7203>の燃料電池自動車新型「MIRAI」の高圧水素系部品に採用されたと発表しており、これを好感する買いが入っている。新たに開発した「AUS305-H2」は、レアメタルである高価なモリブデン不使用の省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼。モリブデン不使用でも、同社独自の成分設計技術により、初代「MIRAI」に採用された「AUS316L-H2」と同等の優れた強度と耐水素脆化特性を有するという。

■九州電力 <9508>  878円  +32 円 (+3.8%)  本日終値

九州電力<9508>が大幅高に買われ4日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で同社の投資判断を「ニュートラル(中立)」から「オーバーウエート(強気)」に引き上げるとともに、目標株価を1040円から1140円に増額したことが好感された。レポートでは、課題であった川内原子力発電所の特重施設の建設工事にメドがついたことを評価。また、小売販売電力量が好調である点もポジティブな印象とし、同証券による21年3月期の経常利益予想を従来の257億円から470億円(会社予想450億円)に上方修正している。

■丹青社 <9743>  851円  +29 円 (+3.5%)  本日終値

丹青社<9743>は3日続伸。9日の取引終了後、21年1月期の連結業績予想について、営業利益を37億円から40億円(前期比29.5%減)へ、純利益を24億円から28億円(同31.3%減)へ上方修正しており、これを好感した買いが入った。売上高は、売り上げ計上時期が翌期となる案件がいくつか見込まれるため、706億円から694億円(同15.0%減)へ下方修正したが、収益性を重視した事業活動を展開したことや、営業経費などが抑制されていることなどから、利益は計画を上回る見通しだ。また、未定としていたい期末配当を18円にするとあわせて発表した。中間配当と合わせた年間配当は40円となり、前期実績に対しては2円の減配になる予定だ。なお、同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高540億5100万円(前年同期比10.4%減)、営業利益45億400万円(同0.6%増)、純利益31億400万円(同2.1%減)だった。

■三櫻工業 <6584>  822円  +23 円 (+2.9%)  本日終値

三櫻工業<6584>が全体悪地合いに逆行し続急騰、前日比86円高の885円まで値を飛ばしたほか、カーリットホールディングス<4275>、ニッカトー<5367>など全固体電池関連株に位置づけられる銘柄に買いが流入している。10日付の日本経済新聞が電気自動車(EV)の次世代機関技術として本命視される「全固体電池」の実用化への動きが官民で加速し始めたと報じており、これが関連株を強く刺激する格好となった。脱炭素社会で電気自動車(EV)の普及が加速していくとの思惑が高まっており、その動力源として基幹部品である車載用2次電池市場が拡大している。EV向け2次電池では現在のところリチウムイオン電池が主流だが、リチウムイオン電池は航続距離の問題や中にある電解液が燃えやすいという欠点があるが、それを補うのが電解液の部分を固体材料(電解質)に変えた全固体電池で、発火リスクを解消できるほか、電気貯蔵能力も高い。三桜工は出資先の米ソリッドパワーと全固体電池を共同開発していることで関連有力株として注目度が高いが、このほか関連素材を手掛ける三井金属<5706>が急動意するなど、全固体電池に絡む銘柄に波状的に投資資金の攻勢が観測された。

■エーザイ <4523>  7,702円  +156 円 (+2.1%)  本日終値

エーザイ<4523>が後場プラス転換。きょう午後0時30分ごろ、米バイオジェンと共同開発するアルツハイマー病治療薬候補である「アデュカヌマブ」について、厚生労働省に新薬承認を申請したと発表しており、今後の展開への期待感から買われている。同社では、アデュカヌマブは疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下抑制が期待できるとしており、承認された場合、アルツハイマー病の進行に本源的な変化をもたらす可能性を持つ初めての治療薬になるという。なお、同治療薬に関しては現在、日本のほか欧州、米国で承認審査中であるとしている。

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