話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、三菱重、任天堂

注目
2020年12月10日 15時22分

■トヨタ自動車 <7203>  7,480円  +131 円 (+1.8%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が売買代金を膨らませ、株価も上値追いが鮮明。前日の米株安にも関わらず海外投資家とみられる機関投資家の買いが流入したもようで、売買代金は東証1部で第3位にランクイン。株価は11月25日につけた戻り高値7524円奪回を目前に捉えている。電気自動車(EV)向け全固体電池を実用化させる動きが伝わるなか、同社では全固体電池の搭載車を20年代前半を目標に取り組んでおり、業界内でも先駆的な位置にいることから注目を集めている。直近、発売した新型燃料電池車「ミライ」に対する海外からの関心も高いようだ。また、足もとの業績についても米国や中国の新車販売が好調で上向きにあり、21年3月期の業績が想定を上回るとの思惑に加え、22年3月期収益急回復を見込んだ実需買いを呼び込んでいる。

■三菱重工業 <7011>  2,711円  +40 円 (+1.5%)  本日終値

三菱重工業<7011>やIHI<7013>、川崎重工業<7012>などが高い。政府が9日、新型イージス艦2隻の建造や国産の長射程ミサイル開発を行う方針を示したことが複数のメディアで報道されており、これが材料視されたようだ。また、英海軍が日本近海へ空母を派遣する見通しにあると今週初めに伝わったことから、石川製作所<6208>や細谷火工<4274>などに思惑的な買いが向かうなど、ここ防衛関連株に位置づけられる銘柄群に幅広く投資資金が流入した。

■住友林業 <1911>  1,899円  +23 円 (+1.2%)  本日終値

住友林業<1911>は3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で同社の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価を1900円から2200円に引き上げており、これが好感された。レポートでは、米国の戸建住宅市場の好調を背景とした中期の利益成長のストーリーは健在と報告。ミレニアル世代の住宅取得活発化などにより、米国では住宅需要が新規供給を上回る状況が続いており、22年3月期以降も新築戸建住宅販売は拡大すると予想している。

■ブレインパッド <3655>  4,565円  +45 円 (+1.0%)  本日終値

ブレインパッド<3655>が続伸、210円高の4730円まで上値を伸ばした。11月下旬を境に戻り足を強めている。アセットマネジメントOneなど大株主の資産運用会社が保有株を減らす動きを見せていたが、売り圧力が一巡し12月に入ってからは上値が軽い。人工知能(AI)を活用した企業向けビッグデータ分析などアナリティクス事業を軸に、ソリューション事業やマーケティングプラットフォーム事業も展開し、AI関連の代表格に位置づけられる。前日に米国株市場(ニューヨーク証券取引所)ではAIソフトを提供するC3Ai(シースリーエーアイ)が上場し、公開価格の2.2倍でこの日の取引を終えている。これもブレインPの株価の刺激材料になった。目先は日米ともに再生可能エネルギーやEV関連株が人気だが、コロナ禍のなかでAIサービス市場の拡大も続いており、新規上場したシースリーエーアイの試算によると20年以降24年までの4年間でAIサービス市場は約1000億ドルもマーケットが膨らむとされている。

■ミライトHD <1417>  1,665円  +14 円 (+0.9%)  本日終値

ミライト・ホールディングス<1417>が3日続伸。9日の取引終了後に発表した月次受注状況で、11月の受注高が前年同月比14.2%増の322億円となり、5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。主力のNTT事業が大幅に増加したほか、ICTソリューション事業、マルチキャリア事業の受注も伸びた。

■任天堂 <7974>  59,010円  +60 円 (+0.1%)  本日終値

任天堂<7974>が全体軟調地合いのなかで頑強ぶりを発揮し小幅ながら5日続伸と強さをみせた。売買代金は東証1部上場企業のなかでソフトバンクグループ<9984>に次ぐ第2位に入っており、投資家の注目度の高さをうかがわせる。前日にゲーム情報誌「ファミ通」から発表された11月の月間ランキング(速報)によると、家庭用ゲームハードの売り上げ台数で首位は「ニンテンドースイッチ」で2位のプレイステーション5の約3倍の台数となる66万6773台を売り上げた。家庭用ゲームソフトのメーカー別売り上げ本数でも99万7000本と断トツで、任天堂の独り勝ちを改めて印象づけている。これが株価を刺激したもようだ。

■ステムリム <4599>  645円  -71 円 (-9.9%)  本日終値

ステムリム<4599>は続急落。9日の取引終了後、21年7月期第1四半期(8~10月)の連結営業損益は2億6800万円の赤字(前年同期は2億1600万円の赤字)だったと発表しており、これが嫌気された。再生誘導医薬開発品「レダセムチド」の導出先である塩野義製薬<4507>と締結した契約にかかわる一時金の受領条件を一部達成し、2億1000万円を収益計上したものの、研究開発費や販管費が増加したことで赤字幅は広がった。

■三栄建築設計 <3228>  1,567円  -142 円 (-8.3%)  本日終値  東証1部 下落率4位

三栄建築設計<3228>が大幅続落。9日の取引終了後、主力とする戸建分譲住宅事業の業績動向を発表。11月の契約棟数は前年同月比9.6%増、契約金額は同3.3%増だった。契約棟数、金額ともに6月から10月までは30%前後の増加だったことから、伸び率が縮小したことが嫌気されたようだ。なお、20年6月から11月累計では、契約棟数が前年同期比29.1%増、契約金額は同30.3%増となっている。

■ACCESS <4813>  762円  -53 円 (-6.5%)  本日終値

ACCESS<4813>が反落。同社は9日取引終了後に、21年1月期第3四半期累計(2~10月)の連結決算を発表。営業損益が25億4100万円の赤字(前年同期は10億7600万円)となったことがネガティブ視されたようだ。売上高は前年同期比6.4%減の47億7500万円で着地。新型コロナウイルス感染症の影響による顧客企業の投資抑制で、IoTサービス開発・構築案件の規模縮小・延期・中止が生じているほか、車載機器など最終製品の出荷減に伴うロイヤルティー収入が減少した。なお、通期の業績予想は引き続き未定としている。

■京王電鉄 <9008>  7,630円  -240 円 (-3.1%)  本日終値

京王電鉄<9008>は8日ぶりに反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は8日、同社株のレーティングの「アンダーウエート」を継続するとともに、目標株価を4700円から4500円に引き下げた。21年3月期営業損益の予想を108憶円の赤字から228億円の赤字(会社予想250億円の赤字)に見直した。鉄道需要の前提とホテルの売上高予想を引き下げた。インバウンド比率が高いホテル業の営業赤字継続を予想しており、新宿の京王プラザホテルは稼働率の低迷継続などを織り込んでいる。

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